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運用担当部局:広報室広報係
豊中市立寺内小学校教諭 田中 公崇 さん

 「子どもに接し、子どもの未来の可能性を引き出す手助けがしたい。そう強く思いました」。中学生のときにすでに教職への未来図が描かれていました。しかし、大阪教育大学にまっすぐのはずが、つまずいてしまいました。2年間の浪人生活です。
 1年目の入試は「勉強不足でした」。予備校に通い、2年目に再チャレンジしたものの、「センター試験直前にインフルエンザにかかり、実力の半分も出せませんでした」。でも、大教志望はぶれなかったといいます。「孤独だし精神的にきつかったけれど、高校時代の仲間に励まされました。猛烈に勉強と読書に打ち込み、いま思えばマイナス面よりプラスの方が多かったように思います」。挫折を乗り越え、精神的にもたくましくなったようです。

道徳の授業の様子

 「子どもを木に例えると、大地にしっかりと根が張っていないといけない。そうすれば、幹も大きく育ちます。そんな小学校時代を教えている使命感、責任感を感じます」
 「これからは心の教育が大切だ」と、初任の豊島北小学校で指導教員からの勧めで道徳教育の研究に取り組むようになりました。
 広報担当者が取材で訪れた2012年10月9日(火)、6時限に6年1組「道徳の学習」がありました。「のりづけされた詩」をテーマにした読み物資料の授業です。場面ごとに変わる、登場人物の心の揺れを考え、プリントに記入。その上でグループディスカッション、発表する流れです。

 「どんな思いから先生に打ち明けようと決心したのですか」「心のもやもやとはどのようなものでしたか」など、田中教諭の発問に、子どもたちが次々と挙手します。ユニークだったのはグループの中で交流した後、全体で発言する友達を推薦するという場面でした。子ども同士の認め合いを大切にしており、指名された児童は、誇らしげに発言していました。机間巡視で、支援を要する児童へのフォローも細やか。最後に、田中教諭が、小学校時代の心の弱さについて体験談を語りました。「テストで間違っていたのに丸がしてあったことを、担任の先生に言えなかった。先生も、もやもやと後悔したことがたくさんありました」とメッセージを送りました。「自分が感動したことを子どもに伝えることができ、同じように感動してくれたら嬉しいですね。道徳教育は心を耕すために大切だと思っています」

 鈴木貴雄校長は「子どもを見る目が細やかです。校務分掌は今年度から生活指導を担当してもらっています。日頃はにこやかですが怒ると恐いらしいです。若手教員のリーダー的存在です」と信頼を寄せます。
 大阪教育大学時代は、心理学の大日方重利ゼミに入り、不登校問題などを学びました。大阪市のメンタルリーダーのボランティアとして個別訪問などの活動に参加し、不登校でひきこもりの子どもや保護者からの相談を受ける活動を経験。「心に課題を抱えた子どもたちとどのように接したらいいのか、共に時間を過ごす中で学びました」

一人ひとりに細やかに指導する田中教諭

 中学高校時代に熱中したサッカーを大学でも継続。「ゼミでもサークルでも一生の友人に恵まれました」。月1回はそういう友人たちとの“飲みニケーション”が楽しみだとか。教職をめざす後輩には「子どもが好き、先生への憧れだけでは、教師としてはやっていけません。誰とでも折り合いをつけることができるコミュニケーション力が求められています。わたしも多くの仲間と出逢い、先輩に支えられ、育ててもらいました。そのお陰で、なんとか教師をやっています」と笑います。

(2012年10月取材)

※掲載内容はすべて取材当時のものです。