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運用担当部局:広報室広報係
岡山天文博物館館長 粟野 諭美 さん

 「天文をやりたかったので大阪教育大学を選んだのです。国立で宇宙のことをしっかり学ぶことができるのはこの大学しかないと」ときっぱり。「東京生まれ東京育ちのわたしが、大阪に向かいました。全く知らない土地であり、両親はさぞかし心配で寂しい思いをしていただろうとは、今になって思いますが」といたずらっぽく笑います。

 自然研究専攻物質科学コースでは、宇宙科学研究室に入りました。新設された51cm反射望遠鏡、そして岡山観測所に通い「思う存分、観測に浸りました」。大学院修了後、1998年から岡山天文博物館館長に迎えられ、「天文」を
仕事にする夢を叶えました。
 『星の王子様』『銀河鉄道999』などを読んで宇宙に憧れを抱いていた少女は、小学生の時に見たプラネタリウムに感激。初めての日食体験などを経て、星空への興味がますます募りました。「宇宙の本を読みあさりました。宇宙飛行士への夢も密かに抱くようになりました」と振り返ります。

岡山天文博物館

 中学生の頃、信州白馬村の合宿で見た満天の星空と流れ星に感動。話題となったハレー彗星の観測なども体験しました。高校時代は天文から離れ、得意科目は国語だったといいます。「わたしは文系なのかなと思っていました。3年
生の進路選択の時期になって、自分が一番やりたいことって何だろうと考えるようになりました。迷った末、やはり宇宙は面白い。進むべきは宇宙を専門的に学ぶことができる大学進学だと決めました」
 大阪教育大学に入学し、無事「宇宙科学研究室」へ。引き続き、大学院に進学し、定金晃三教授(現・名誉教授)らの指導のもと、観測、理論、天文の歴史など専門をみっちり学びました。大学院修了が迫り就職を考える頃になって、研究者ではなく天文教育、普及の道に進もうと決めました。「当時は、ほとんど就職先がなく、考えた末、全国の科学館に手紙を書きました。でも、正式採用のオファーは全くありませんでした」
 諦めかけた頃、研究活動で岡山天体物理観測所をたびたび訪れていたことから、岡山天文博物館から突然、「専門的知識を有した館長を募集しています」という連絡がきました。「わたしに館長が務まるのかという不安がいっぱいでしたが、これも何かの巡り合わせ。折角の申し出なので受け入れることにしました。決断まで1週間しか猶予がなかったので、悩む時間がほとんどなかったのが逆に良かったみたいです」

本学の授業での講演

 館長としての仕事は、「小さい博物館なので、プラネタリウム、太陽望遠鏡や展示の解説や講演など学芸員の役割から、マスコミ対応、職場の雰囲気づくりです。常に決断をしていく必要があります。忙しいですが、人とかかわりながらの仕事なので、毎日が楽しいです」
 「夢は叶えるもの。やりたいな、できたらいいなと思うことは、まずやってください。積極的に、楽観的に。一番やりたいことは何だろうと、ときどき自分と対話することも大切です」。自らの経験から「とにかくいろいろな人と縁を結んで幅広く情報を得ておくことが、後になって必ず生かされます」と後輩へのメッセージを送ります。自由な時間ができたら、「旅に出かけます」。エジプトや中南米の遺跡を見学すると、「古代の天文施設跡に興味がいきますね」

(2013年6月取材)

※掲載内容はすべて取材当時のものです。