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運用担当部局:広報室広報係
教養学科 スポーツ専攻 4回生 小林 奈央 さん

 期待が重圧に変わることはないですか?と問うと、「実力の世界ですから、期待されていることが幸せだと思わないと」と小林奈央さんは澄んだ瞳でこちらを見据えました。水上競技部に所属する、本学のスーパースターです。第89回日本選手権水泳競技大会100mバタフライ3位、第6回東アジア水泳競技大会100mバタフライ3位、第27回ユニバーシアード競技大会200mバタフライ2位と、国内外で高い実績を誇り、本学の学内表彰でも毎年常連です。

 初めて水とふれあったのは、姉二人の影響からスイミングスクールに通い始めた5歳のときでした。「最初は水が怖くてスクールが嫌でしょうがなかったのが、物心ついたころには水の中の世界が日常になりました」と振り返ります。結果が出ず、水泳をやめたいと思うこともありましたが、「良い記録が出たときの達成感もありますが、やっぱり泳ぐことが大好きです。それに、今こうやって水泳ができるのは、家族やコーチ、先生方をはじめとした周りの支えがあってこそですから」と語ります。

ストレッチで体をほぐす

 高校時代にはすでに頭角を現していましたが、大阪教育大学に進学した理由は、「水泳だけでなく勉学にも励める環境に身を置きたかったから」となんとも真面目な彼女らしさを表わしています。所属するスポーツ専攻では、授業にさまざまなスポーツ実技があり、「他の競技をプレーできるのは単純に楽しいし、陸上では身体の繰り出し方を、剣道では心技体における集中力の高め方を意識し、学んだことのすべてが水泳につながるように取り組んでいます」と充実した学生生活を送っています。

トレーニング風景

 入学後初の大舞台は、1回生の春に開催された第88回日本選手権水泳競技大会で、ロンドン五輪代表選考会を兼ねていました。五輪代表選手の決定には、選考会決勝において優勝および2位で、なおかつ五輪派遣標準記録を突破しなければならず、会場にはピンと張り詰めた空気が広がっていたといいます。「緊張が身体を走りましたが、空気に呑まれたらもったいない。この決勝の舞台に立てる幸せに感謝して、自分のレースに集中しようと臨みました」。結果は2着になるも、五輪派遣標準記録に0.31秒届かず代表権を逃しました。試合直後は、代表にあと一歩届かなかった悔しさが込み上げ、4年後に懸ける思いがより強くなった瞬間でした。

 その後、幾度と出場した国際大会でも得るものが多くありました。「競泳は個人競技ですが、大会では代表選手一人ひとりが日の丸の重みを背負い、チームとして戦っています。それに海外は、お互いを尊重し、健闘を称え合う精神に富んだ選手が多く、出場を重ねるごとに、またこの雰囲気を味わいたいと思うようになりました」
 入学から着実に成長を重ね、今や水上競技部のエースです。それまで自分自身との戦いで必死だったのが、大学生活を送る中で、チームのことを考える余裕も出てきました。「言葉であれこれ言うよりも行動で示し、チームを良い方向に牽引したい」と最上級生の自覚をもちます。そんなストイックな彼女の意外な大好物が、試合のご褒美に、家族や友人と食べる焼き肉。そのつかの間の時間がとても貴重で幸せだと屈託なく笑います。
 ついにリオ五輪代表選考会まで一年を切りました。夢に近づくためには一日も無駄にできません。「練習だけでなく、栄養や睡眠など、日々の生活の要素を一つでもおろそかにするとコンマ1秒を競う泳ぎに影響してきます。今日の頑張りが未来の自分をつくる、その意識が必ず憧れの舞台につながると信じています」。4年間の集大成に向けて、前進する日々が続きます。

(2015年4月取材)

※掲載内容はすべて取材当時のものです。