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運用担当部局:広報室広報係

シンポジウム「シティズンシップへの教育を考えよう」を開催

 大阪教育大学市民性教育研究会主催のシンポジウム「シティズンシップへの教育を考えよう」が6月4日(土),本学天王寺キャンパスで開催されました。
 シティズンシップ教育は「市民性の教育」とも訳され,中学・高校生・大学生などに,政治などの社会参加や,環境保護,人権擁護などの社会変革への参画を促そうとする教育で,ヨーロッパなどで先進的に進められています。日本の学校でも社会科や総合的な学習(総合学習)の時間などで取り組まれています。その現状を検証し,今後の展望を探ろうというもので,シンポジウム当日は,約40人が参加しました。
 初めに,本学の中山あおい准教授(国際センター,比較教育学)がヨーロッパのアクティブシティズンシップの現状を,園田雅春教授(第二部実践学校教育講座,教育方法学)が日本の学校でカリキュラムの中での実施状況や課題などについて報告しました。
 このあと,杉浦真理教諭(立命館宇治中学校・高校等学校)が「主権者を育てる」ことをめざして社会科の授業で実践しているシティズンシップ教育の内容を報告しました。死刑制度,夫婦別姓,自衛隊,政党など,国民の間で議論が分かれているタイムリーなテーマを取り上げて生徒が議論する先進的な実践に取り組んでおり,指導者として,生徒の議論にどのようなスタンスでかかわっているのかについて話しました。
 また,中島光さん( world‐seed副代表)が,現役の大学生として循環型社会形成における容器包装廃棄物分野に関する「リターナブルびん」の環境リサイクルの活動について報告しました。中学時代の総合学習で学んだ地域環境教育,高校時代の自由で自主的な生徒会活動などの体験を経てシティズンシップの素地が培われていった経緯などを話しました。次いで本学でシティズンシップ教育を考える授業を受けたのがきっかけで音楽と環境問題を結び付けた活動に取り組みだした木村圭江さん(教養学科芸術専攻音楽コース3回生)が,20代~30代の投票率が30%台であることに象徴されるように,自分と同じ世代の若者が社会を変革するという意識が薄いことの背景等について,小中学高校からの教育のありかたについて体験を通して発言しました。
 参加者による質疑と意見交換では,学校現場でシティズンシップ教育を進めるきっかけとなった「総合学習」が形骸化している状況が取り上げられました。また,社会参加や変革への意識を摘み取っている学校現場と教師のありようが問題提起されました。さらに,杉浦教諭の実践について,政治的な話題,社会的に議論のあるテーマを授業で取り上げるとき生徒の議論に対し授業者の意見の出し方や生徒とのかかわりなど,指導者のスタンスのありかたが議論されました。

シティズンシップ教育とは

 グローバリゼーション,情報化の進展,国境を越えた人の移動,人種差別などの広がり,若者の政治離れなど,世界はいま危機的状況を経験しています。そのような下で,震災にも関連してみられるとおり,世界中で若者や諸組織が社会に発信し,他者と協働し,社会や地域を変える動きを始めています。シティズンシップ教育とは,そのような社会参加や社会変革への発信を促そうとする教育です。ユネスコやヨーロッパ連合など,世界各地で推進されています。日本でも,2006年に経済産業省が「シティズンシップ教育宣言」を発表しています。

カリキュラムの実施状況や課題について報告する様子
シンポジウム「シティズンシップへの教育を考えよう」の様子

(企画課広報室)