エッセイ

日本文化を学んだ交換留学生との卒業後のつながり

私は、平均すると2~3年に1度くらいの間隔で、短期留学生(協定校からの交換留学生や日本語・日本文化研修留学生で、いずれも期間は10ケ月)の指導教員をさせてもらっています。アジアの国・地域からの留学生がほとんどですが、一度だけドイツからの留学生、Jさんを担当しました。

彼女は同じ大学からの留学生Zさん(別の指導教員)と仲良しで、よく一緒に研究室に来ていました。二人とも、学業の合間に時間を見つけては日本各地を旅行し、日本文化を積極的に体験しようとしていました。

彼女たちは交換留学のあとドイツに戻ってドイツの大学を卒業し、卒業後に来日した際には、研究室を訪問してくれました。その後は引き続き同大学の大学院のマスターコースに進学しました。大学院で再び、日本への短期留学に応募し、Jさんは東京学芸大学、Zさんは神戸大学で1年間学ぶことになりました。

2018年から2019年に、私は共同研究を行っている「大阪くらしの今昔館」(住まいとくらしの歴史博物館)で、住まいの文化を学んでもらう教育ビデオを同館の館長さんらと制作する機会に恵まれました。同館は江戸時代の大阪の町並みを実物大で再現した展示室を持つ博物館です。ビデオは留学生が江戸時代の大阪にタイムスリップするという設定で企画しましたが、そのビデオに出演してくれたのが当時、神戸大学に短期留学していたZさんです。「商家のくらし」と「夏のくらし」の二度にわたるビデオの撮影は、早朝から夜遅くまでかかりましたが、Zさんは終始明るく前向きに撮影に協力してくれました。日本文化を愛する彼女だからこそ、できたことだと思います。

このビデオは、日本語版と英語の字幕版があり、「大阪くらしの今昔館」のホームページ「オンライン学びプログラム」で「江戸時代にタイムトラベル“これはなに?” シリーズ①」から配信されています(シリーズ②は夏のくらし版で、春・夏に配信)。このビデオは同館を見学する小学生ら学校団体の見学にも利用されています。

交換留学生との出会いが、このような形に発展したことが私の教師冥利です。