携帯ウェブサイト
運用担当部局:学術連携課研究協力係

知的財産ポリシー

国立大学法人大阪教育大学知的財産ポリシー

学長裁定
平成18年7月1日

 国立大学法人大阪教育大学(以下「本学」という。)の基本的な目標として,優れた教員養成を推進するとともに,学術・芸術の諸分野で総合性の高い教育研究を推進し,その成果を広く社会に還元するとしている。(国立大学法人大阪教育大学中期目標)これは,大学には教育と研究を通じて長期的観点から社会に貢献することに加え,社会との日常的,組織的な連携を通じて自らの研究成果を直接的に社会に還元し活用を図っていくことを求められているからでもある。(国立大学法人法第22条)
 そこで,本学は,教員養成大学の特性を生かした創造活動による知的財産の創造を積極的に促進するとともに,その保護及び活用に積極的に取り組むために,ここに「大阪教育大学知的財産ポリシー」(以下「ポリシー」という。)を制定し,本学における知的財産の取扱い及び運用に関する基本的考え方を定めるものとした。
 
Ⅰ 基本的考え方

  本学(附属学校園を含む。以下同じ。)は,大学の特性を考慮し,特許等の産業所有権のみならず著作権を含む知的財産全般を本ポリシーの対象とし,その取得・保護・活用策を,本学の特性を考慮し,ここに策定するものとする。そして,本学における研究成果として創出された知的財産(職務発明,職務著作等)を原則機関帰属とし,広く社会に還元するためその活用を積極的に図ると同時に,知的財産の創出者を尊重し,また,その創出を促進する方策を図る。本学において生じた知的財産の保護は,その活用を第一に考え行うものとし,学外機関等の積極的利用を図るものとする。そして,本学は,知的財産創造サイクルを推進すると同時に,その教育研究活動を通じ,知的財産を尊重できる人材の育成に努める。
 
Ⅱ 知的財産ポリシーの適用対象者

  本ポリシーは,本学教職員,本学の学生,大学院生及び生徒・児童並びに研究活動を行う者として本学が組織として受け入れた共同研究員,受託研究員等の研究者(以下「本学教職員等」という。)に適用する。

Ⅲ 研究成果等に関する取扱いと権利の帰属・承継

1 対象とする知的財産
  知的財産ポリシーが対象とする「知的財産」の範囲は,本学教職員等の教育研究活動により 産み出された知的創作物のうち財産的価値を有するものであって,産学官民連携等を通じた 社会貢献を図るに当たりその保護,利用活用の促進が必要となるものとする。具体的には,発 明,考案,意匠の創作,植物新品種,半導体集積回路配置の創作,プログラム及びデータベー スの著作物,大阪教育大学職務発明規程に基づき職務著作されている著作物,研究開発成果と しての有体物(以下「成果有体物」という。)及び技術的ノウハウ並びに本学が有する商標とする。
2 発明の取扱い
(1)発明の届出
① 本学教職員等は,本学における教育・研究に関連して生じた発明については,本学に届け出る。他の機関の研究者との共同発明の場合にも,持分の多寡に拘らず本学に届け出る。(大阪教育大学職務発明規程)
② 上記①の届出は,可能な限り研究成果の公表(学会発表,専門誌への投稿,報道発表など)の前に行う。
なお,新規性喪失の例外規定(特許法第30条)の適用を受けて特許出願を行うことは種々の不利益があるので,この規定の適用による特許出願は極力避ける。
(2)届け出られた発明の帰属
① 本学教職員の発明
  本学から,あるいは公的に支給された何らかの研究経費を使用して大学において行った研究,又は本学の施設を利用して行った研究等の結果生じた発明についての特許を受ける権利は,職務発明として本学に帰属する。(大阪教育大学職務発明規程)
② 本学学生,大学院生,生徒・児童の発明
  本学教職員の指導の下でなした発明についての特許を受ける権利は,原則として契約により本学帰属とする。
③ 本学が受け入れた研究員等の発明  
 本学が受け入れた研究員等がなした発明の帰属,取扱いについては,受入れの際に契約等で定める。
(3)職務発明等の認定及び権利の承継の決定
  学長は,学長補佐(知的財産担当)の報告に基づき,届出のあった知的財産が職務発明等であるかどうかを認定し,職務発明等であると認定したときは,当該知的財産に係る権利を承継するかどうかを決定する。また,権利の承継の基準は,以下のとおりとする。
【権利の承継に関する審査基準】
 大学が知的財産に係る権利を承継する職務発明等は,以下に掲げる基準のいずれかに該当するものとする。 
・内容に新規性及び進歩性があり,特許等により権利化の可能性のあるもののうち,本学の特性に鑑み,活用を推進する必要があると考えられるもの
・特許等により権利化の可能性があり,かつ産業界等での利用活用の可能性(共同研究などの可能性,実用化可能)があるもの
(4)権利を承継しないものの取扱い
学長が承継しないと決定した職務発明等に係る権利は,知的財産創作者の本学教職員等に帰属し,創作者の裁量で当該権利を処分できる。
3 考案,意匠の創作,植物新品種及び半導体集積回路配置の創作の取扱い
 考案(実用新案権),意匠の創作(意匠権),植物新品種(育成者権)及び半導体集積回路配置の創作(半導体集積回路配置利用権)の取扱いについては,前記「2 発明の取扱い」に準ずる。
 
4 プログラムの著作物及びデータベースの著作物の取扱い
  ソフトウェアに関する研究活動においては,「オープンソースソフトウェア」として研究者等の間での自由な提供の潮流もあり,また,得られたプログラム及びデータベースは研究者等の研究成果それ自体であるとも考えられることから,プログラム及びデータベースの創作物については,その創作者に運用を委ねるのが適切と考えられ,創作者による運用を優先させる。ただし,産業利用(収益事業)を図る場合には大学が組織的に関与,運用することが望ましい。
(1)プログラムの著作物及びデータベースの著作物の届出
 本学から,あるいは公的に支給された何らかの研究経費を使用して本学において行った研究,又は本学の施設を利用して行った研究の結果創作されたプログラムの著作物及びデータベースの著作物であって,財産的価値のあるものについて,産業利用(収益事業)を図る場合には届け出る。
(2)著作権の帰属
① 届け出られた創作物のプログラム及びデータベースの著作権については,原則的に職務著作として本学帰属とする。
② その他著作権については,職務著作に限り本学に帰属する。(大阪教育大学職務発明規程)
 5 成果有体物の取扱い
(1)定義
  「成果有体物」とは,本学から,あるいは公的に支給された何らかの研究経費を使用して本学において行う研究,又は本学の施設を利用して行う研究において,研究によって又は研究を行う過程で得られた試薬,試料,実験動物,菌株,試作品等であって,財産的価値を有するものをいう。
(2)成果有体物の取扱い
 成果有体物については,学術目的,産業利用(収益事業)に拘らず慎重に取扱い,適切な契約を締結することが求められる。また,産業利用の場合には大学が組織的に関与,運用するのが望ましい。
(3)成果有体物の届出
① 本学教職員等が創出した成果有体物については,学外への提供の必要が生じた際には本学に届け出る。
② 本学教職員等が本学における職務遂行のために企業等より有体物を受け入れる際には届け出る。
③ 上記①及び②については,研究者間の学術目的のための移転の場合には,所定の様式の契約書で措置することにより研究活動の停滞等を防止する。
本学教職員等が創出した成果有体物については,原則的に,その所有権を本学帰属とする。
(4)成果有体物の帰属
本学教職員等が創出した成果有体物については,原則的に,その所有権を本学帰属とする。
6 技術的ノウハウの取扱い
 技術的ノウハウは,産業への技術移転の際に特許等と合わせて実施許諾(ライセンス)など される場合があり,知的財産となりうる。したがって,これに大学として組織的に関与,運用 するのが望ましい。
(1)技術的ノウハウの指定
 前記2~5の知的財産の届出の際等に,これら知的財産の権利対象とならない技術情報のうち,秘密情報として管理することが適当と認められる情報であって,財産的価値を有し,産業利用を図るものについては,ノウハウ案出者と協議の上,学長補佐(知的財産担当)が技術的ノウハウとして指定する。
(2)技術的ノウハウの帰属
指定された技術的ノウハウについては,ノウハウに係る権利を本学帰属とする。
 
Ⅳ 知的財産の管理

1 知的財産の管理
(1)本学における知的財産の管理運用については,学長から学長補佐(知的財産担当)に委ねるものとする。

(2)特許(発明),実用新案 (考案),意匠 (創作),育成者権(植物新品種),(以下「特許(発明等)」という。)の管理事務は,国際交流・研究協力課が行う。

(3)プログラムの著作物,データベースの著作物,半導体集積回路配置の創作物,有体物及び技術的ノウハウの管理は,創作者・案出者である本学教職員が行う。
 
2 特許等の出願及び権利化
(1)大学が職務発明等を権利化する権利を承継したときは,学長補佐(知的財産担当)の報告に基づき,学長が出願等権利化の手続を行う。

(2)本学として特許等出願の権利化を断念し,取り下げ,放棄するに際しては,発明者の希望により特許等を受ける権利を返還することができる。
 
3 職務発明についての発明者への補償
(1)職務発明の承継に対する対価及び発明者のインセンティブ付与のために,発明者に金銭的補償を行う。
(2)発明補償は,次の2種類とする。
① 登録時補償(大学が発明に基づいて特許権を取得した場合)
② 実施補償(大学が特許権の運用などにより収入を得た場合)
(3)補償金額は,次のとおりとする。
① 登録時補償金は定額補償とし,大阪教育大学職務発明規程で定める。
② 実施補償金は収入に応じた補償とし,大阪教育大学職務発明規程で定める。
(4)実施料収入の研究室への還元
大学が実施料収入を得た場合,その一部を当該本学の教職員の属する講座等に還元する。
(5)本学教職員が,転職又は退職した場合においても,在職中になした発明について発明補償を行う。
なお,学生等本学の教職員以外の者については,契約により定める。
(6)考案,意匠の創作,植物新品種,半導体集積回路配置,プログラム及びデータベースの著作物,有体物,技術的ノウハウ及び職務著作物については,上記(1) ~(5) に準じ実施補償のみとする。
 
Ⅴ 知的財産の利用と活用

1 知的財産の積極的な利用と活用
本学の先進的・独創的な研究成果を知的財産権の形で広く社会に公表し,その活用を図 ることによって研究成果を具体的に社会に還元する。このプロセスを通じて社会のニーズ を把握し,これを研究の推進に反映させる。このため,本学独自のマーケティング活動や ライセンスによる新事業の創出,TLO等を通じた技術移転等を努める。
2 実施許諾(ライセンス)
(1)本学の知的財産を広く社会・産業界に役立てるために,技術移転機関との連携を含めて,実施許諾する活動を強める。

(2)実施許諾するに際しては,市場の状況,実施予定者の事業計画など諸事情を考慮し,専用実施権の設定を含めて柔軟な姿勢で臨むものとする。
 
Ⅵ 共同研究,受託研究等

1  共同研究,受託研究等における知的財産の帰属と取扱い
(1)共同研究,受託研究により生み出された知的財産については,発明者等の所属に基づいて帰属を決定することを原則とするが,特許等出願及び権利化に際しては,実用化・事業化と  いう観点に立って適切に対応する。

(2)上記(1)の知的財産の取扱いについては,大学が本来知的財産を使って製造・販売等を行う機関でないことから,企業等における知的財産の活用による収益の還元を受けることを原則とする。この場合,大学側の知的貢献を含めて,大学,企業等双方の貢献を十分に考慮する。
 
Ⅶ 教職員の守秘義務など

1 特許等の出願に携わる者の守秘義務
知的財産に関する業務に携わる者は,当該知的財産について守秘義務を負う。
2 共同研究,受託研究等の場合の守秘義務  
本学教職員等は,共同研究,受託研究等において守秘義務を負っている事項については,秘密を厳守する。そのため本学として必要な措置を講ずる。
3 有体物の外部機関からの受入れ
有体物の外部機関からの受入れに際しては,有体物提供機関が定める提供条件等を遵守する。
 
Ⅷ 知的財産の帰属,取扱いに対する不服の申出

発明者等は,自己の発明等に関する本学の取り扱いについて,不服がある場合は,不服申立てを行うことができ,申立てを受けた学長は速やかに対処しなくてはならない。申立ての受付は,国際交流・研究協力課とする。 
 
Ⅸ その他

1 知的財産教育
本学はその特性に鑑み,教職員のみならず,学生を含めた本学構成員に対し,広く知的財産ポリシーを含む知的財産に関する教育を実施し,知的財産の普及に努める。
 2 外部専門家との連携
本学における知的財産の創出,保護,活用において,本学の規模,特性を考慮し,弁理士,TLO等の外部専門家との連携を積極的に進める。