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運用担当部局:広報室

平成21年度学位記・修了証書授与式式辞

式辞を述べる長尾 彰夫学長

 本年度卒業生の1,225名の皆さん、ご卒業、本当におめでとう。
 さて、いきなり少し変なことを言うようですが、「まずは卒業おめでとう」「とりあえずは卒業おめでとう」といった気持ちでおります。確かに、皆さんは入学したときに卒業は大きな目標でした。その目標が達成されたのですから、それはまさにおめでとう、「Congratulations」に値するのは言うまでもありません。そして、今日のこの機会を最後にして、皆さんと大阪教育大学のいわば“縁が切れる”ということになります。巣立ちというのはそういうことです。

 しかし、少し考えてみてください。皆さんが何年か過ごした大阪教育大学の経験、それは勉学であり、スポーツであり、友人関係でありといった様々な経験は、決して消えることはありません。これから皆さんが歩んでいく長い人生の経験の積み重ねの中に、この大学での経験は綿々とつながっています。そしておそらくこれから皆さんが積み重ねていく経験は、決して単純でもなく安易でもない、山があったり谷があったり、あるいは困苦に満ちたものかもしれません。そういう中で、皆さんはこの大学の経験がどういうものであったのか、しばしば振り返ることがあるかもしれません。

 今、4年間、5年間、2年間あるいは1年間、それぞれの経験を振り返ったときには、もう満足しきった、十分な経験を積んだという人もいるかもしれませんけれど、あんなことをしていればよかった、こんなこともしておけばよかったという、やり残した思いを感じている人もいるかもしれない。しかし皆さんがこれからする経験と、これまでの大学での経験は切っても切れない連続性の中にあります。それならば、皆さんがこれから積み重ねていく経験の進展の過程でこの大阪教育大学で過ごした何年かの経験を、単に振り返るだけではなくて、練り直し、再構築していく、そういうことが必要になってくるだろうし、また、そうであってほしいと考えています。

学園歌を歌う卒業生

 大阪教育大学で過ごした様々な経験が、これからの皆さんの積み重ねていく経験の中で再度練り上げられ、その度に本学で皆さんが積み重ねてきた経験が今までにも増して有用なもの価値あるものとして役立っていくことができるならば、それはさらに嬉しいことだし、改めて「おめでとう」と言うにふさわしいことだと思います。
 わたしが冒頭に、まずは卒業おめでとう、さしあたりおめでとう、そう言ったのは、本学の経験がここでぷっつりと消えてしまって、今日が最後のお別れという側面は確かにあるにしても、これからの皆さんの経験の積み重ねの中で、何度も何度も本学の経験が呼び戻され、練り直され、新しく再構築されていくことによって、その意味と価値が皆さんに役立っていくことを願っているからです。その度ごとに、わたしは「おめでとう」と言いたいと思います。どれだけ多くの「おめでとう」を皆さん自身が積み重ねてくれるのか、それは今後の皆さんの経験の積み重ね如何にかかっていると思います。
 願わくは、これから皆さんに何度も本学の卒業「おめでとう」「Congratulations」と呼びかけることができたら、わたしとしては非常に幸せだし、ぜひ皆さんにそういう経験の積み重ねをお願いしておきたいと思います。もう一度言います。さしあたり、本日の卒業おめでとう。これで、わたしの式辞を終わります。

大阪教育大学長 長尾 彰夫