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運用担当部局:広報室広報係

学長からのメッセージ「2016年年頭挨拶」

 教職員の皆さん,新年あけましておめでとうございます。
 2016年になっても,世界情勢はますます混迷の色を深めています。交通網の発達が,諸国間の結びつきを強め,世界が狭くなる一方,社会格差は地球規模で広がりを見せています。イスラム国等と称する過激派組織が生まれ,台頭する背景にも,人種や宗教の違いによる差別や迫害から生じる貧困が,歪みとなってあらわれているのではないでしょうか。こうした国際化の大きなうねりの中で,日本と日本の教育は,大きな改革を迫られています。
 本学における大学改革も,今まさに推進している真っ最中です。昨年度文部科学省から,国立大学の機能強化のための「大学改革実行プラン」において,「グローバル化への対応」「イノベーション機能強化」「人事・給与システムの弾力化」の三つの選択肢が与えられ,本学は「グローバル化への対応」を選択しました。
 現在,このグローバル化を推進するため,本学の協定校であり,教員養成系大学ランキングで世界一に輝くロンドン大学のユニバーシティ・カレッジズ・オブ・ロンドン(UCL)などから教員を招き,授業を行う取り組みを展開しています。視野を広げる優れた教育を通して,国際的な競争力や教養を身につけ,世界の大学ランキングに入る,そうした大学をつくりあげていきます。また,こうした教員養成国際化の考えは,大学間連携による教員養成・研修機能の強化に向けた2つの事業(HATOプロジェクト※1・ 京阪奈三教育大学連携事業※2)にもちりばめられています。

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 さらに,大学の機能強化に向けては,グローバル化の推進と同時に,大学の学部改組・再編も進めており,「教員養成課程」は,小・中教育,中等教育,特別支援教育を合わせた新課程に改組します。小中一貫教育学校が増えつつあり,小学校教員と中学校教員の両方の教員免許を持った教員のニーズの高まりから,小・中両方の免許を取得する学生を増やしていきます。高等学校教員の養成についても,この課程の中で,「中等教育」という専攻を設けて中学校教員の養成とあわせて進めていくことも考えています。また,特別支援学校教諭の養成課程は,これまで「特別支援教育教員養成課程」として別に設けていましたが,大阪府で特別支援学校教諭の免許を持っている学校教員の割合が全国最低であることから,特別支援教員の免許取得の向上もねらいとしています。このように,接続の問題と,実践性と教科対応力を持った新しい教員養成という二つの観点で,全体を組み替えていきます。
 そして,教員養成学部の新課程「ゼロ免課程」は,文部科学省から廃止が通告されていることから,これに該当する本学の「教養学科」も生まれ変わる必要があると考えています。わたしは,教員養成の素養として,幅広い教養と深い学識が引き続き求められているものと認識しており,新しい時代の教育を学校や社会で支えることができる人材の育成を目的とした,新学科を設立し,新しい大学像をめざしていこうと考えています。
 今後,全国にある教員養成系大学は厳しい状況に置かれると認識しています。しかし,大阪教育大学が,国の機関から期待を受けていることを,学長であるわたしは肌で感じています。改革を遂行し,本学がこの激動の時代を生き残るために,皆さんのお力添えをよろしくお願いいたします。

※1 HATOプロジェクト:北海道教育大学(H)愛知教育大学(A)東京 学芸大学(T)大阪教育大学(O)の4大学が中心となって教員養成の高度化支援システムを構築する大学間連携事業。
※2京阪奈三教育大学連携事業:京都教育大学,大阪教育大学,奈良教育大学の三教育大学が,各大学の強みと特色を活かし,組織改革と教員養成・研修の機能強化を図るため,「教員養成の高度化と教職生活全体を通じた学びを継続的に支援するシステム」のモデル構築をめざす大学間連携事業。

2016年1月4日
大阪教育大学長
栗林 澄夫