Facebook 大阪教育大学ページ YouTube OKUChannel Instagram 大阪教育大学 twitter 大阪教育大学
運用担当部局:広報室広報係

学長対談「地域のためのアカデミア」(2/2)

「Think globally, act locally ―地球規模の視野で考え,地域視点で行動する」
そんな人材育成や研究の推進に力をいれている大阪教育大学と大阪市立大学。両学長が,大阪の特色や特性を活かした大学づくりについて,語り合いました。

<<前半に戻る

 

地域を支える人材の育成

栗林  大学の使命として,地域への貢献も非常に重要な要素です。大阪教育大学では,積み重ねてきた教育・研究を地域に役立てていくということに,これまでにも増して取り組んでいかなければならないと考えています。大阪府や大阪市などと協定を結んで,教員の再研修や学生のインターンシップを奨励し,地域と協力して行う教員育成を推進しているところです。大阪市立大学では,そうした地域に対する視点,貢献ということについては,どのような取り組みを進めておられるでしょうか。

*

 

荒川 本学は公立大学ですので,地域に貢献できる人材の育成や,地域の産業の活性化に役立つようなシンクタンクになっていくことがミッションだと思っています。
 どんな大学でも,まずは地域のためにアカデミアとしてどう活躍するか。それには双方向性が重要です。異文化を経験した人を地域に活かす,あるいは地域で育てたものをグローバルに展開する。地域だけに留まっていたのでは意味がありません。地域をベースに,あるいは地域をモデル都市として作り上げることによって,それを世界に広げなければならない。
 私が学長になってから出したスローガンは,「笑顔あふれる,知と健康のグローカル拠点」。

大阪の抱える課題を,みんなで横断的に解決していこうというプロジェクトです。昨年2月末,大阪の健康寿命を延ばすことを目標とする連携協定を大阪市と結びました。これには企業の参画が絶対に必要なので,並行して合同会社を作り,17社に加盟してもらっています。大学の資源を結びつけていきながら,健康寿命を延ばすためのいろいろな製品を作り,産業の活性化につなげようとしています。大阪は都道府県の中で一番健康寿命が短いので,それを解決に向かわせることができれば,世界も大阪についてくる。課題解決のモデルケースとなることをめざしています。

栗林 企業を取り込むことで大阪市全体の活力を高め,健康増進に貢献するということですね。実は教育分野も似たような状況で,全国統一のテストで大阪の成績は芳しくない。自治体と協力して,教育を活性化しようとしています。また子どもたちの教育格差をなくすことで,貧困対策にもつなげることをめざしています。狙いは違いますけど,同じような志の取り組みを進めていますね。

 

大学間の連携について

栗林 大阪教育大学では,平成29年度に学部改組を行い,教育協働学科を新設しました。高度な専門性をもつと同時に,現場で活躍できる実践力のある人材を育成していきたいと考えています。高度な専門性というところを中心に,大阪市立大学のお力を貸していただけたらと思っています。あるいは,大阪市立大学で教員免許を取られる方に,本学が力になれるのではないか。最終的に地域貢献に繋がるような形で,お互いギブアンドテイクで協力できるような可能性がないか,模索できればと考えています。

*

荒川 学生の時間が非常にタイトになってきていて,移動して授業を受けるということがかなりネックになります。その辺を解決できれば,ニーズが増えるかもしれません。

栗林 大阪市立大学が中心となって進めている「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ女性研究者研究活動支援事業」では,女性が活躍できる大学像を作っていく取り組みとして,本学と和歌山大学,積水ハウスと事業を展開しています。

荒川 ダイバーシティ(多様性)の中で新しいイノベーションを生み出すために,女性にも積極的に参画していただく。女性をひいきするような捉え方は,女性に対して失礼だと思います。男性と同等に扱うということではなく,男性にない能力,女性の強みが発揮できるようなダイバーシティでなければなりません。
 個人的な意見ですが,例えば対外的・国際的なコミュニケーションは,男性より女性の方が優れていると感じます。適材適所で女性が活躍すれば,全体としてイノベーションに近づいていけるのではないでしょうか。単に数字で何%という基準だけ決めてもあまり意味はありません。女性の参画が増えたことで,どういう新しい成果が生まれたかが重要です。またそれをどういう指標で評価するのかも検討しているところです。

栗林 まさにその通りで,女性の数を揃えたら,女性が活躍する社会だという話ではありません。障壁があって女性が活躍する場が限られているのであれば,それを取り除いて,本来の力を発揮してもらう。国としても,各機関としても,そういった組織づくり,社会づくりを進めていく必要があります。

荒川 ダイバーシティを形成する要素としては,障がい者の方や外国人の方も該当します。何が優れているかというのはそれぞれ違いますが,多様性の中でプラスに働くものを見出せれば,障壁は消えていき,むしろ強みになります。女性支援もそういうものの一環だと考えています。

栗林 ありがとうございました。
 小さな成功体験を積み重ねて自信を持たせ,個性を伸ばすことが,地域を超えたグローバルな領域でもコミュニケーション力として生かされるというお話はとても印象的でした。本学でも,地域で活躍する教育に関わる人材を育成していますが,それは同時に世界に貢献できる人材でなければならないと考えています。
 私たちは,地域とその延長としての世界に貢献できる「人材の育成」と「研究の促進」という志は共通していると感じました。両大学の連携強化に向けた取り組みを今後も進めていければと思います。

*
 

※掲載内容は取材当時(2018年1月)のものです。
※広報誌「TenYou ―天遊―」特別号掲載→本誌はこちら(PDF 4,725KB)
広報誌「TenYou ―天遊―」のページから、最新号・バックナンバーをご覧いただけます。