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運用担当部局:広報室広報係
アニメーション作家 和田 淳 さん

 アニメーション作家として活躍している和田さんは、教養学科芸術専攻美術コースで学び、3回生の時に独学でアニメーション制作を始めました。世界三大映画祭の一つである第62回ベルリン国際映画祭(2012年2月)短編部門で「銀熊賞」(審査員賞)を受賞しました。監督を務めたフランスの短編アニメーション映画「グレートラビット」が、高く評価されたものです。この他の作品も、短編やアニメーションの国際映画祭で数多く受賞しています。
 2007年からは本学教養学科芸術専攻の非常勤講師として、本学学生にアニメーションを教えています。
 「作り続けること、それが目標です」
 作品制作に向かうスタンスを、こう語ります。2002年から作品を発表し続けていますが、国内での短編アニメーションは、認知度が低いのが実情です。制作には手間も時間もかかり、金銭的にも「作り続ける」ことが難しい環境です。

作品集DVDのジャケット

 和田さんの作品は、独特のタッチの絵と絶妙な間が特徴のアニメーションです。すべてシャープペンシルによる手描きで表現され、CG等は使いません。その作風は、すでに世界各国で高い評価を受け、作品はフランスやクロアチアなど、国内外の映画祭で上映されています。
 また、映画「ゲゲゲの女房」のアニメーションパートの担当や、無印良品のポスターイラスト制作、オタワ映画祭で審査員を務めるなど、活躍は多岐にわたっています。2011年11月には、所属するCALFという団体とともに自身初となる映画館での一週間の特集上映「和田淳と世界のアニメーション」を、2012年6月には2度目の特集上映「『グレートラビット』と世界のアニメーション傑作選」を企画し、反響を呼びました。「作り続けるためにも、より多くの人に短編アニメーションの魅力を知ってもらいたい」。国内に限らず世界各国を飛び回り忙しい毎日を送っています。
 美術コースの学生になって、初めはアニメーションに全く興味はありませんでした。きっかけは3回生のとき、ノートのすみに描いたラクガキでした。ふと「これが動いたらおもしろいのではないか」と思ったとのこと。自分で描くことで、思う通りの世界を表現できる。そこに魅力を感じているそうです。

授業の様子

 アニメーションの基本は、パラパラ漫画のように少しずつ動いた絵を描くことです。そのため1枚1枚絵を透かしながら描きます。しかし、大学には基本を教えてくれる授業も、必要な道具もありませんでした。何をするにも手探りの状態。蛍光灯で紙を透かして描いたり、紙がズレないように手で押さえたり、本当に正しい作り方なのか不安だったといいます。しかし、周りの応援とアドバイスのお陰で続けてこられました。また、同級生と定期的に展示会を開き、お互いの作品をみせあいました。「大教での学生生活は、友人たちと刺激しあい、自己表現を磨くとても大事な時間になりました」

 授業では、アニメーションの元祖とも言える「驚き盤」の作成や、人間などの実写をコマ撮りし表現する「ピクシレーション」など様々な手法の表現を教え、少しでも興味をもつことができるように工夫しています。それは、ただなんとなく単位のために授業に出ていることをもったいなく感じるからです。「そこにいる限りは、何でも吸収することができるし、してほしいと思います。そのためにも、自分が何をしたいのか、日々自分と向き合って葛藤してほしいと思います」
 自分と真摯に向き合い、自ら道を切り開いてく姿勢は、芸術活動に限らず多くの学生に刺激を与えるでしょう。

 

【主な受賞歴】
ベルリン国際映画祭(ドイツ) 短編部門 銀熊賞『グレートラビット』
文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門 優秀賞『グレートラビット』『わからないブタ』
ファントーシュバーデン国際アニメーション映画祭(スイス) 最優秀賞『わからないブタ』
ほか多数

和田淳webサイト → http://kankaku.jp

DVD「和田淳作品集2002-2010」CALF Webサイトにて発売中 → http://calf.jp/

 

(2010年11月取材・2013年4月再編集)

※掲載内容はすべて取材当時のものです。