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運用担当部局:広報室広報係
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「私の本当の姿をお見せします」。学校教育講座・白井利明教授が、学生に話しかけます。

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片目をふさぎ、もう一方の目に5円玉をあてて、その穴から白井教授を覗き見ます。すると、教室の両端に座る学生から「先生が小さく見える」と声があがります。同じものを見ていても、対象との距離が変わると、見える大きさも変化します。私たちには、遠いものほど小さく見えるという知識があるため、心が自動的に補正しているのです。これは「知覚の恒常性」という心理学の現象と関係します。続いて、マッハの錯視という、奥行が反転して見える錯覚の実験が行われます。紙をW字に折って机に置き、片目をふさいで、凝視します。すると、あちこちから「紙が立ち上がって見える!」と驚きの声があがりました。

 この日の授業では、一見教育とは関係なさそうな、錯覚、錯視を体感する実験が次々と行われました。「私たちに見えていることは、実際と同じではありません。人は、目から取り込んだ情報を、頭の中にある情報や知識と統合し、再構築して認識します。私たちはそうやって、言わば『心の目』で、物事の表面だけでなく、本質を捉えようとしているのです」

 白井教授はそう説明したあと、「では、このことが子どもと教育を考えるうえでどう役立つと思いますか」と問いかけます。学生たちは、「実験で自分の主観が簡単に揺らぐことがわかった。たとえば子どもの表情を主観だけで判断していたら、本当の気持ちに気づいてあげられないこともあるかもしれない」などと次々に意見を発表しました。白井教授は、「教師と子どもが同じものを見ても、違って見えていることがある。教師は、子ども目線で考える必要があります。逆に同じものが同じように見えるということは、教師も子どもも、心の目で見た結果同じものが見えているということ。その素晴らしさ、複雑さにも感動してもらえると嬉しい」と授業を締めくくりました。

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 白井教授は、「視覚や聴覚などの知覚はすべて自分中心。教師はそこから脱して、子どもの目にどう映っているのかという観点から、指導方法や教育内容を捉え直す必要がある」と説きます。

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 「今回の授業では、視点を転換するということを体験的に学んでもらいました。今後は、教育内容を捉え直すとはどういうことなのかを考えていきます。学生たちはこれから、教師になるためにさまざまなことを学びますが、その前にまず、子どもの視点で物事を見直せるようになってもらいたい」
 この授業には、さらに隠れた狙いがあります。それは、主体的に学ぶ姿勢を養うこと。大学生になって間もない1回生前期の授業だからこそ、自分から考える力をつけてほしいと白井教授は言います。「たとえば今回の授業では、錯覚の話をしただけですが、学生たちはそこから子どもと教育に関する学びを得ました。一見関係のない情報でも、問題意識を持っていれば、学ぶものがある。教師として教える立場になる前に、自ら学ぶ人になってほしい」と望みます。

【授業DATA】
対 象 学 年 :1回生
主な対象学生:学校教育教員養成課程小中教育専攻学校教育コース
開 講 期 :2018年度前期 木曜3限
備    考:学校教育講座・金光靖樹教授、小林将太准教授とのオムニバス授業
 

(2018年5月取材)

※掲載内容はすべて取材当時のものです。