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運用担当部局:広報室広報係
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 「配布したプロフィールシートをもとに、お薦めのアパートとアルバイトを提案してください」。家政教育講座・鈴木真由子教授が投げかけます。
 4人の学生がそれぞれ作成したプロフィールシートには、普段のスケジュールや自炊頻度、希望の間取りや職種などが書かれています。4つのグループに分かれた学生たちは、持参したフリーペーパーやスマートフォンを使い、生活スタイルや希望の条件と見比べながら探していきます。「2階より上の方が安全」「サークルで忙しいから、週1回くらいで働ける所ないかな」。出てきた意見をまとめ、お薦めの物件とアルバイト、選んだ理由をグループ毎に発表しました。

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 発表を聞き終えた鈴木教授は、「住まい方を考える時、収入と支出の総額を想定し、限られたお金を何にどう配分するかという発想が大事です」と指摘。さらに、「陽当たりや周辺の環境など、フリーペーパーやインターネットではわからない情報もあります。自分にとって必要な情報は何で、どうすればそれを得られるのか、しっかり考えることができる消費者にならないといけません」と強調しました。

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 このように、現実に即した想定で、知識やスキルを総合的に応用しながら実技や実演を行うことをパフォーマンス課題と呼びます。「今後は知識を暗記することよりも、それをどう活用するかがより重要になります」と鈴木教授。授業作りでは、いかに子どもたちの日常生活とリンクしたパフォーマンス課題を設定できるかが鍵になります。「今回のような消費生活の話は、個人の好みや生活環境に大きく左右され、絶対的な基準や正解はありません。だからこそ、リアリティのある内容にしないと、生徒の暮らしと、学校での学びがかい離してしまいます」

 この授業は、IVまである中等家庭科教育法の最初にあたり、授業の前半では、学習指導要領などの話を通じて家庭科という教科観を共有しつつ、今家庭科に何が求められているのかを確認します。後半では、実際にパフォーマンス課題を体験した後、教師としてどのように授業を展開するか、子どもに何を身に付けさせたいのか考えてもらい、授業デザインができるようになることをめざします。「残念ながら、豊かな家庭科の授業を経験してきた学生は多くありません。家庭科の魅力を、まずは体感してほしい」

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 授業で苦労することは二つあります。「一つは、生活体験が学生によって多様なので、それをどう授業に落とし込むかということ。もう一つは、“料理・裁縫”という旧態依然とした家庭科観を払拭すること。その仕掛けが難しく、授業を作るという感覚をなかなか共有できません」。衣食住、家族・保育、消費・環境など、生活に密着した教科だからこそ、日常のすべての経験が教材になります。「いろんな経験をして暮らしを楽しんでいる人が、魅力的な家庭科の授業ができる先生です」。学生にも、美味しいものを食べたり、おしゃれをしたり、まずは生きることを楽しんでほしいと望みます。

【授業DATA】
対 象 学 年 :2回生
主な対象学生:学校教育教員養成課程小中教育専攻及び中等教育専攻家政教育コース
開 講 期 :2018年度前期 金曜2限
備    考:教育協働学科健康安全科学専攻の学生も受講可
 

(2018年5月取材)

※掲載内容はすべて取材当時のものです。