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運用担当部局:広報室広報係
教員養成課程 音楽教育講座 寺尾 正 教授

 寺尾教授は、学生に声楽(合唱)の授業をするにあたって、『楽しいかどうか』をポイントにしています。「学びのプロセス(演習)が楽しいと、上達も早く、表現力も増してくるからです」と強調します。「音楽という芸術が生み出す成果には形がありません。それを追求するからといって、指導は抽象的であってはならないと思っています」。指導法は“具体的に”がモットーです。

寺尾 正 教授

 さらに、音楽という教科は本来“集団で行う”活動が多く、“一緒に育つ”ことができるという特徴をもつと説きます。「将来教員になる学生たちには、彼ら自身が集団の中で学び、一緒に成長する喜びを味わってほしい」。従って、授業では、個人的な実技指導でも集団で進めているといいます。たとえば、独唱の授業でもひとりのレッスンを受講者全員で見守るというスタイルをとっています。演奏が終わると、メモ用紙に一人ひとりがメモを書き、演奏者に手渡します。それには演奏に対する感想やアドバイスが書かれます。いわば励ましの『てがみ』です。授業の終わりには全員で「今日の授業の良かった点、悪かった点はこうだった」と言葉によって振り返ることにしているとのことです。

 「合唱教育も分かりやすく具体的であるべきです。合唱の難しい点は、歌い手が全体の響きを客観的に聴くことができないというところです」と強調します。その点について寺尾教授は「歌いながら聴く」「聴きながら歌う」といった基礎的な技能を、少人数のアンサンブル体験によって養うことが有効であると考えています。2年生から受講できる合唱の授業を前に、1年生では少人数でのアンサンブルによって基礎的な技能の育成を図っています。「その際、音楽教育講座で制作した映像教材(デジタル教材)を活用していることを特筆します。このデジタル教材の最も重要なポイントは、常に授業を受ける側に立って制作した点です。本学音楽教育講座Webサイトから配信していますので、“百聞は一見(聴)にしかず!”一度ご覧下されば幸いです」

合唱のコンサートの様子

 最後に、「どの授業においても常に意識しているところは、いずれ教員になる学生たちに、歌い手として、基礎的技能を習得する楽しさと、その具体的な方法を学んでほしいということです。そして、彼らが教壇に立った時、子どもたちが音楽を通して、心豊かな人生をおくる芽を育んでくれることを切に望んでいます」

(2009年8月取材・2013年3月加筆)

※掲載内容はすべて取材当時のものです。