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運用担当部局:広報室広報係
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 大阪府で初となる教職大学院が、この4月から『大阪教育大学大学院連合教職実践研究科(以下「本研究科」)』としてスタートし、 37人の学生がI期生として一歩を踏み出しました。学生をサポートする教員陣も、各分野で数多くの業績を誇る研究者教員と、大阪府内の学校や教育行政で、長年教育問題の解決に尽力してきた実務家教員による精鋭18人が集まりました。
 研究者教員の一人、寺嶋浩介准教授は2015年1月着任。長崎大学教育学部および教職大学院で10年間、教育工学とメディア(視聴覚)教育を専門として実績を積み重ねてきました。「耳慣れないことばだと思いますが、教育工学とは学校現場で起こっているさまざまな問題を,ツールを用いて解決する実践的な学問です。現在だとICT(情報通信技術)を駆使したもの、タブレット端末が代表的ですね」。

 タブレット端末の教育活用により、社会科の時間に全国のニュースを調べたり、体育の時間にお互いの動きを動画で撮影したりと、授業の形態が一変しました。「先生が言葉を発して教える時代から、子ども同士で共同して何かを創り上げたり、議論したりといった、子どもたちも授業の主導権を握れる時代が到来しました。教育工学のツールは、そうした新しい授業モデルの可能性を広げるものです」とその意義を語ります。
 長崎大学と本研究科での研究指導における違いを問うと、大阪の特殊性を挙げ、「大阪という地域の特徴として、歴史的な背景から、さまざまな学校があり、さまざまな子どもがいます。教育工学の視点を通して、その多様性を活かしたプログラムやリーフレットなどを開発し、教育現場に還元するといった支援も必要になるのではないでしょうか」と課題を打ち立てました。

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 本研究科は研究者教員と実務家教員がペアを組んで授業を進めるのが特徴です。「実務家教員の先生方は、元校長や元指導主事など、学校現場や教育行政の経験が豊富な名だたるベテランぞろい。先生たちから学ぶことも非常に多い 」と語ります。これからともに実践研究を進めるI期生については、「学部を卒業してそのまま入学してきたストレートマスターを中心に担当していますが、とてもはきはきとしていて、教員への熱意があふれています」と高く評価しています。学生へのメッセージとして、ストレートマスターには「現場で重宝される即戦力になることはもちろん、大学院で得たものを自身の武器に変えてもらいたい」、現職教員には「得られた知見や技術を自身の中だけにとどめず、周りの教員や学校、地域に影響を与えられるよう、実践研究の成果を外に発信してほしい」と期待を込めました。

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 『学び続ける教員』が本研究科のキーワード。寺嶋准教授は、修了後のコミュニティネットワークの広がりにも言及し、「大学院の期間は二年間と短い。修了してからも、大学院と修了生同士が実践研究を進めるひとつのコミュニティを創り上げて、大阪の教育界の中核を担う一大組織に育ってくれれば」と展望を語りました。
 私生活では、妻と一歳になる娘との三人暮らし。出身は京都ですが、大阪での生活は初めてで、新しい環境に適応するのに忙しく、唯一の息抜きが娘と遊ぶことだとか。かわいい盛りですねと声をかけると、それまでの真面目で端正な表情が崩れて「う~ん」と唸り、「よく泣く子で元気盛りです」と苦笑い。一年生パパとしても日夜奮闘中です。

(2015年4月取材)

※掲載内容はすべて取材当時のものです。