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運用担当部局:広報室広報係
教育協働学科 グローバル教育講座 井上直子准教授

 「学部・大学院修士課程は農学、博士課程は工学系と渡り歩き、学部・大学院を通じ環境科学や自然災害科学を学びました。大学教員で災害を専門とし、人工衛星等で地球環境モニタリングをしていた父親の影響が大きかったと思います。」そう語るのは健康安全科学講座・後藤健介先生。工学学位取得ののち、日本学術振興会の特別研究員として私立大学の地理学研究室へ。そこで今までの理系と大きく異なる文系のアプローチ手法を知り、幅広い分野での視野を持つ重要性を実感し、自然災害の研究をそれが生じる地理、つまり環境モニタリングに発展させます。

その後、長崎大学の熱帯医学研究所へ助教として赴任し、アフリカ、アジアでの環境や自然災害と感染症および健康との関係を研究。医学の分野へ飛び込んだことでさらに視野を広げ、ある分野の考え方や手法を他の分野へ応用する面白味を感じます。「経済学の手法を医学関連のデータに応用するなど一見無謀に感じるような手法で新たな発見をしたり、以前は医学分野であまり使われていなかった人工衛星データを広い範囲で見る必要のある自然災害発生後の感染症などに応用したりしました。試行錯誤しながら、畑違いの医学分野での8年間は辛かったですが、これが現在の研究や教育姿勢に大きく影響することになりました」。

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 その後、本学の学校危機メンタルサポートセンターの准教授として着任し(現在は兼担)、現在の教育協働学科健康安全科学講座の准教授となります。農学、工学、地理学、医学そして安全教育と様々な分野を渡り歩き、糧にしてきた力の源を伺うと、「小さい時からコツコツタイプで、自分で試行錯誤しながら進めることが好きだったことでしょうか。もちろん失敗も多く経験しました。学生時代に経験した失敗は現在の安全教育の研究の根底に刺さるような糧にもなっています。ですから学生時代は、最初から正解のありかを求めず、失敗も含めて自分の力で試行錯誤しながら探してほしいと学生たちによく言います。マイペースで一歩ずつ、ゆっくりでも良いので。そのほうが周りの環境がしっかりと見える。受けた恩やそれに対する感謝、感じたちょっとした幸せなんかもです」。

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 本学学生の印象を伺うと、「良い意味で、時間の空間、感覚がゆっくり流れていると感じます。そういうゆとりは大切で、例えば転籍したいとか他のことをやりたいというようなデリケートな話を意外と周りに素直に話せている。心を開き、違う考え方を尊重して協力しあう、まさに協働する空気を強く感じます。学生たちには、そんなニュートラルになれる環境で丁寧に、違う分野とのかけ合わせや出会いを大事にして好きなことを全部やってほしい。自分の心をオープンにする4年間にしてほしいです」。

 今後の研究については、「安全教育分野は、何かを見つけて大発見!という分野ではなく、ある意味コツコツと信頼や地域との連携などを築きあげてやっと安全な環境が実現できる。目に見えず評価しづらい分野ですが、だからこそ何気ない環境や毎日が続く尊さを伝えたいです。安全教育、危機管理全般に言えることですが、気の緩みからのミス、つまり『ヒューマンエラー』の積み重なりが人の命が失われる原因になります。そんな『ヒューマンエラー』をできるだけ起こさないための知識、経験を広げたいです。私の研究室名は安全情報学研究室といいますが、人工衛星データの解析しかり、データというものは人に伝わり社会に役立って初めて『情報』となるので、そんな研究をめざしていきたいです」とのこと。先生のまなざしは遠く宇宙からのデータを通して身近で尊い安全とそれを学ぶ学生たちに温かく注がれ、幅広い視野の大切さを伝えます。

 

「TenYou ―天遊―」vol.48インタビュー&メイキングムービー

(2019年5月取材)

※掲載内容はすべて取材当時のものです。