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運用担当部局:広報室広報係
大学院教育学研究科理科教育専攻 2回生 杉浦裕紀さん

 「気になるものが近くにあるなら、手をのばしてやってやろう。常にそういう気持ちでいます」と話すのは、大学院教育学研究科理科教育専攻の杉浦裕紀さん。
 星好きなのは父親ゆずり。幼いころから家には望遠鏡がありました。「中学高校とも天文部。自由研究の課題として、家の望遠鏡で星の観測をしたこともあります。その頃から、どっぷり星につかっていましたね」。将来は、科学館のような社会教育施設で、子ども大人関係なく、いろんな人に理科や科学について教えたいと考えます。「そのためには幅広い理科の知識が必要なうえに、人にわかりやすく教える力も大事。それなら教育大学がいいと思い、天文学の研究室もあって、どちらもしっかり学べる大教大を選びました」。教養学科自然研究専攻に進学します。

 入学後は学芸員の資格取得をめざしながら、広くいろんなことを勉強しようと考え、気象を学ぶ大気圏科学研究室に所属します。「例えば、天体観測の時にデータ収集がしやすい大気の状態がわかるなど、気象の知識は、天文学をやる上でも必要です。科学館で働く時に、気象学をやっていると有利と聞いたことも、この研究室を選んだ理由のひとつです」
 天文学から離れていたわけではありません。2回生の終わり頃、理科教育講座の松本桂准教授のところへ、天文台での観測に参加させて欲しいと直談判に行きます。「最初は、もっとちゃんと勉強してから来なさいと断られました。それが悔しくて、大学院のゼミに混ぜてもらうなどして勉強の上、再度お願いして、参加を許されました」。天文学研究室のゼミ生にまじって、天文台に通うようになります。

杉浦裕紀さん

 また、天文サークルにも参加。「小学校などに出張して、大きな青いドーム状のテントを張り、プラネタリウムをやります。星の解説をするのに、子どもたちや保護者の方にどう話せばうまく伝わるのか、とても勉強になります」。最近では、自身の卒業後も活動を継続してもらえるよう、これまでの経験や学んだことを後輩に引き継ぐことも大事にしています。
 大学院への進学に迷いはありませんでした。「学部の頃から何度も通っていて、こんな環境のいい天文台はないと思っていました。これほどの望遠鏡を学生主体で動かせて、最前線の研究にかかわれるところはなかなかない」。天体観測のための昼夜逆転生活にもすっかり慣れ、辛くないと言います。「初夏だと陽が沈む18時くらいから準備を始めて、陽が昇る4時ごろまで。晴れていたらずっと起きて、研究しています」。星相手には、土日も関係ないと笑います。

南極での様子

 昨年11月には、南極で観測や研究、基地設営を行う第59次日本南極地域観測隊に参加しました。「主に活動していたS17観測拠点では、お風呂はなく、トイレはペール缶、水は雪を溶かして作るしかない。見渡す限り真っ白の世界でした」。南極では、自動気象観測器を設置し、雪面の観測などを行いました。「一番印象に残っているのは、みんなが寝静まった後に一人で見た、極域でしか見られない月。この風景を独り占めしていると思ったら、たまらない気持ちでした」。いつかもう一度南極へ行き、今回学んだことを誰かに伝えたり、実践したりしたいと意気込みます。

 「『本物を見たい、見せたい』という信念をもって勉強に力をいれてきました。その思いに応えてくれた人たちがいて、いろんな機会をもらったからこそ、今の自分がある。今後はもう少し時間をかけて、これまでの経験を上手に伝える方法や見せ方を勉強したい」。笑顔をたたえながら、終始和やかに話す杉浦さん。星や南極の話になった途端、少年のように目が輝きます。夢に向かって進むことを心から楽しんでいるのが伝わってくるようです。

 

「TenYou ―天遊―」vol.45インタビュー&メイキングムービー

(2018年5月取材)

※掲載内容はすべて取材当時のものです。