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運用担当部局:広報室
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 「教員志望でしたが、当時は教員採用の倍率は今と比べものにならないほど高かったこともあり、大学卒業後は個別指導塾に就職。高校生部門の立ち上げ、コンテンツやコース開発を手がけ仕事としては非常に順調でした。しかし、塾の生徒たちの話題はほとんど学校がベース、まず『学校』があって、『塾』があるのだなと感じる度に漠然と学校への想いが膨らみました。

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30代は何か次のステップを、今なら塾での社会経験を生かし違う視点で学校教育と向き合えると、29歳で教員採用試験を受験。現在、教員に転職して9年目。いわゆる脱サラ教員です」。屈託のない笑顔で話すのは佐藤弘康さん。大阪府立北摂つばさ高等学校で社会科教員として教鞭をとる傍ら、今年度、改組拡充した連合教職大学院の新コースのうちのひとつ、援助ニーズ教育実践コースに通う現職の教職大学院生です。卒業年限を1年延ばす長期履修制度で週2日、高校での勤務後に天王寺キャンパス内の連合教職実践研究科に通う日々です。

 「教職大学院進学のきっかけは、教員へ転職して初担任を持った年に不登校生を2人出したこと。生徒指導部も担当し、その後も不登校生や問題行動の対応を担い、先輩教員へ相談するなど、奔走しました。生徒への向き合い自体は前職での経験実績もあるので解決できたものの、そもそも予防できないのかと強く思うとともに論理的で体系的な学びの必要性を感じるようになりました。ところがその頃、私は学年主任になり、家庭では3人目の子どもが生まれるなどタイミングが合わず一度断念しています」

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 その後、勤務校で東日本大震災の復興支援活動担当として活動に参加、被災した高校生達と交流するなかで、待ってくれる人がいる強さや尊さ、人と人とのつながりや助け合いの大切さを肌で感じたとのこと。「教職大学院での学びのタイミングを常に計りながらも、同時に教職大学院で自分が研究したい分野の方向性が、様々な経験を経るうちに当初の不登校予防等から徐々にフォーカスされ具体的になってきたころ、教職大学院に援助ニーズ教育実践コースが新設されることを知り、これだと進学を決意しました。自分の中での学修課題の熟成と進学のタイミングがぴたりと合った時期だったと思っています」

 学修課題は、「SNSトラブル予防法とスマホやアプリをポジティブに活用した生徒の課題解決支援」。トラブルや依存など、社会的関心はネガティブな要素に触れがちなSNS等ですが、生徒の支援、援助に活用すればその力はポジティブな要素として何倍にもなるはずだと考え、その方法の確立をめざしているとの事。
 現在、勤務校では主席教諭として、授業改善、政治的教養育成、渉外広報、専門コースの統括、教員研修の充実、ユネスコスクールコーディネータなど様々な役割を担い多忙ですが、だからこそ教職大学院で「やりたいことが一層掻き立てられる」と話す佐藤さん。

 最後に、そのエネルギーの源と今後の夢や目標について伺いました。「私の行動理念は面白いか面白くないか、ワクワクドキドキするかしないか。実は大学卒業時の進路選択は、バンドでプロをめざすか教員になるかでした。自分にとってはどちらも本質的には同じでした。そうして選択した教師の仕事は想像以上に面白く、前職での社会経験も、現場でのがむしゃらな日々も、教職大学院での学びもすべて刺激的で、チャレンジングな日々を送ることが出来ているのはそんな軸で動いているからかと。今後は研究を生かし、教科としては社会科の面白さの発信を続けつつ、、全ての生徒と教員が楽しく通い、活躍し、自慢できるような学校をつくっていきたいです」

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 今日も勤務校で現職の教員として生徒に向き合う「佐藤先生」は、同時に「教職大学院生」として教育現場での課題解決のため理論に基づいた実践に意欲的に取り組みます。

 

(2019年10月取材)

※掲載内容はすべて取材当時のものです。