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    安全教育の新基軸 セーフティプロモーションスクール(SPS)
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運用担当部局:広報室広報係

安全教育の新基軸 セーフティプロモーションスクール(SPS)(1/2)

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学校危機メンタルサポートセンターは、2001年の附属池田小学校事件を受け、トラウマの回復と学校危機の管理を目的として発足し、以来、日本の学校安全教育を牽引しています。
同センターが進める、学校安全の新たな認証制度「セーフティプロモーションスクール(SPS)」について、藤田大輔センター長に話を聞きました。

藤田 大輔(ふじた だいすけ) 
学校危機メンタルサポートセンター センター長

【略歴】
2004年から大阪教育大学教授に就任し、2007年から4年間,附属池田小学校長を併任。その後、2012年から学校危機メンタルサポートセンター長、2014年からは学長補佐(学校安全担当)を併任。2012年に日本International Safe School認証センターを開設し、代表をめる。2014年には新たに日本セーフティプロモーションスクール協議会を開設。中央教育審議会の学校安全部会委員や初等中等教育分科会委員、文部科学省の学校事故対応に関する調査研究有識者会議委員などを務めている。

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同センターはこれまで、学校安全の認証制度にWHOの研究所が運営するISS(インターナショナルセーフスクール)※1を推進してきました。それをなぜ、新たな制度SPSに移行したのでしょうか?

 一つは、ISSの学校安全が、日本の実情を捉えきれないところがあるためです。例えば地震大国日本では、学校安全の取り組みに地震災害への対策も当然盛り込まれていますが、ISSのお膝元スウェーデンでは地震はまず起こらないので,地震対策の概念そのものがありません。このように、生活・災害・交通の3領域を学校安全の基本軸としている我々に対し、ISSでは、気候・風土の違いにより、安全の概念が違うのです。さらに、学校が主役となり地域へ安全の輪を広げることをめざす本センターに対して、ISSでは、学校安全は地域安全における取り組みの一つであり、ベクトルが全く逆なのです。こうした認識のずれが根底にあったこと、そしてISS統括本部であるカロリンスカ研究所が、ISSを同研究所の活動から分離する声明を発表したことが発端となって、文部科学省が日本独自のスタンダードモデルの必要性を提唱しました。そこで、本センターがこれまでの知見を活用し、新しい認証制度をつくることになったのです。

SPSの特徴を教えてください。

トップ主導の欧米型と違い、現場教員による「学校安全コーディネーター※2」が中核となり、地域の専門家と連携して、「チーム学校」を組織することが最大の特徴です。チーム学校は、学校安全コーディネーターをリーダーに、警察や消防、そして保護者など、地域の人々がアドバイザーとなって構成します(図1)

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地域との連携がカギということですか?

東日本大震災でも、釜石市の学校など、地域との連携が進んでいるところは押しなべて被害が少ないのです。密接な連携が、日常だけでなく、いざという時にも役に立ちます。

※1 ISS(インターナショナルセーフスクール)
WHOによる学校安全の国際認証制度。学校、保護者、地域が協力し、継続的な学校安全の取り組みを実践している学校が認証される。日本では附属池田小学校が初。

 

(広報誌「天遊」vol.35掲載)
※掲載内容は取材当時(2015年8月)のものです。