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    2010年度現代教育セミナー 第2回「子ども虐待の実態と防止にむけて」を開催
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運用担当部局:広報室広報係

2010年度現代教育セミナー 第2回「子ども虐待の実態と防止にむけて」を開催

 本学教職教育研究開発センターの主催による「2010年度現代教育セミナー」の第2回が9月11日(土),天王寺キャンパス西館で開催され,一般市民や教員,学生,子育て支援機関に勤務する人など,約50人が参加しました。
 このセミナーは平成19年度から毎年開かれており,今年度は「他人ごとではない! 子ども虐待-子どもと親をどう救う-」というテーマで,社会問題化している「子ども虐待」を取り上げました。
 今回は,大阪弁護士会所属で,虐待問題をはじめ子どもの人権を幅広く守る活動をしている峯本耕治弁護士(NPO法人TPC教育サポートセンター)が,「子ども虐待の実態と防止にむけて―弁護士の立場から―」と題して講演しました。

講演する峯本弁護士

 峯本弁護士は,虐待の疑いで子どもを親から分離させ一時保護できる法的根拠となっている児童福祉法第28条をめぐる動きについて解説し,「親権を停止された親も弁護士を立てて争うようになるなど,法律的な対応も難しくなっている」と訴えました。そのうえで「大阪は子ども虐待問題に対応するシステムづくりや専門性の高さでは全国の先進地域。なのに,虐待の通告件数も多いが,虐待による死亡事故に至る深刻なケースも多い」と報告しました。その理由として「中小企業の町でもある大阪は,全国でも経済的に厳しい状況にあり,家族のストレスの高まりが子どもに向けられ,虐待が起こってしまう。特に大都市の中で周りから孤立する親子関係が,死亡事故にまで至ってしまうケースが続発している」とし,「貧困と孤立」が子ども虐待の深い要因としてあることを強調しました。
 続けて,ネグレクト(育児放棄)の増加と多様化,暴力を受けている子どもの増加,精神的なつらさを抱えた保護者のうつケースの増加,DV(ドメスティック・バイオレンス)の増加と対応の困難さ,ひきこもり・閉じこもりケースの増加,性的虐待の可能性を疑わせるケースの増加など,児童虐待問題の現状と特徴について,法律的な視点も交えて解説しました。また,20年前と比較して孤立感を抱えた保護者が2倍に,イライラ感を抱える保護者も3倍に増加し,親としての未熟化,強まる孤立と子育て不安にさらされているなど,虐待の背景にある家族・保護者の現状についてデータを交えて話しました。
 峯本弁護士は「子ども虐待問題に具体的に対応するには,生まれたばかりの乳幼児,学齢期などの発達段階に応じて,注目するポイントが異なる」として,自らの活動体験をふまえ,大阪市西区のケースなどを取り上げて具体的に解説しました。「学齢期の場合は,不登校がポイントです。継続的な虐待により子どもが死に至る直前にある状況も考えられるからです。家庭訪問をして,親がどう言ってごまかそうとも,本人に絶対に会わせてくれと腹をくくって対応すべき」とし,最後に「虐待問題の最大のポイントは,親を孤立から守ることです」と締めくくりました。
 講演後の質疑応答では,参加者7人が質問に立つなど,子ども虐待問題に対する関心の高さをうかがわせました。

(企画課広報室)