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運用担当部局:広報室広報係

児童虐待問題の世界的権威,パトナム氏が本学で講演

 児童精神科医で子どもの発達に対するトラウマおよび解離の影響を専門に研究する児童虐待問題の世界的権威,フランク・W・パトナム氏による講演会を,10月12日(水),本学柏原キャンパスで開催しました。平成23年度大阪教育大学セミナーとして実施したもので,学生,教職員など約180人が参加しました。
 パトナム氏は現在,シンシナティ大学医学部小児科・精神科教授で,本学と交流協定を結んでいるノースカロライナ大学精神科教授です。シンシナティ子ども病院の児童安全健康センター長として勤務するなど臨床家としても活躍しています。
 講演では「子どもの発達においてトラウマが及ぼす影響」をテーマに,研究・臨床の詳細なデータを示しながら,乳幼児期における虐待が,脳の発達(知的能力や言語発達など)やアタッチメント(愛着)に及ぼす悪影響,成人以降の慢性疾患の増加などについて脳科学を駆使して解き明かしました。「子どもが生まれて7歳までの期間に脳が大人とほぼ同じ重さ(95%)に成長します。この時期がいかに人生にとって大切なのか,われわれ大人は強く認識する必要があります」と強調しました。そのうえで,虐待によってトラウマを受けた子どもへの効果的な治療の一例として親と子の両方を治療の対象とした親子相互交流療法(PCIT)などを例に挙げながら解説し,治療によって回復できる可能性があることを強調しました。また,公衆衛生の視点で自ら開発した児童虐待予防プログラムも提示しました。
 この講演会は,「子ども虐待防止の実践力」を育成する教員養成のあり方を実践研究している岡本正子教授(教員養成課程家政教育講座)らの教員グループが企画したもので,同18日(火)には,パトナム氏の講演内容を題材に,受講した学生がディスカッションする授業を実施します。
 なお,岡本教授らの研究と指導を紹介した記事が,近く読売新聞に掲載される予定です。(10月23日(日)朝刊予定)

フランク・W・パトナム氏
講演の様子

(企画課広報室)