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運用担当部局:広報室広報係

「子どもの地体力(じからだりょく)を考えよう」シンポジウムを開催

 「子どもの地体力(じからだりょく)を考えよう」シンポジウムを10月31日(水),柏原キャンパスで開催しました。
 本学は,教員養成大学として日本の子どもの体力・運動能力の低下を鑑み,学校現場でのスポーツクラブ指導者の人的・能力的不足など,スポーツ活動環境の悪化傾向の改善に取り組もうと「子どもの地体力向上プロジェクト」を2010年に立ち上げ,さまざまな事業を進めてきました。今年度は最終年度であることから,「諸外国での子どものスポーツ事情」「子どもの地体力の向上」を切り口に,同プロジェクトが進めてきた3年間の成果をシンポジウム形式で発表したもので,学生,教職員,市民の方など約90人が参加しました。
 野田文子副学長の開会挨拶のあと,第1部として,福岡教育大学保健体育講座の本多壮太郎准教授が「イギリスにおける子どものスポーツ事情」と題して講演しました。本多准教授は1997年英国グロースターシャー大学に留学,2003年に同大学で博士号を取得し,2007年から福岡教育大学で教鞭を執っています。英国滞在中にグロースターシャー大学附属キングスヒル中等学校で「剣道」を正課授業とするために尽力,英国ナショナルチームの監督としても活躍しました。講演では,英国が2002年から国家レベルで進めている「スポーツ立国戦略」の概要を報告。特色である「学校スポーツパートナーシップ」によるスポーツの普及・発展について解説しました。また,英国での剣道の普及を行った経緯と今後の発展の可能性についても紹介しました。質疑では,参加者から「英国において剣道は,“道”として受け止められているのか,それともスポーツとしてなのか」などの質問が出され,活発な議論が行われました。
 続いて,本学教員養成課程保健体育講座,教養学科スポーツ講座の教員4人が,「海外の子どもの体育・スポーツ事情」について発表。フィンランド,オーストラリア,中国,アメリカの現地調査から「日本の学校体育の授業はどの国よりもきめ細やかで優れている」と感じたことが強調されました。その一方で,日本に比べどの国の大学でもスポーツ施設を地域社会に積極的に開放している状況が報告され,アメリカなどのスポーツビジネス先進国では,上がった収益は地域のスポーツ活動振興にも還元されていることが紹介されました。
 第2部では本学教員3人らが,プロジェクトの主な事業である「スポーツ指導能力向上プログラム」「スポーツ習慣化プログラムの開発」「教学(教員と学生)共同体制の整備」の概要と成果を報告しました。最後に,プロジェクト代表の太田順康教授(保健体育講座)が「プロジェクトを進めるなかで,スポーツ指導者の在り方が重要であると感じました。子どもの体力・運動能力にもっと関心を持っていただき,また大学の教員がスポーツ施設の地域開放に積極的になってほしいということです」と締めくくりました。

本田壮太郎准教授
会場の様子

(学術連携課)