Facebook 大阪教育大学ページ YouTube OKUChannel Instagram 大阪教育大学 twitter 大阪教育大学
運用担当部局:広報室広報係

「ウェルカミングアウト」な社会へ 性の多様性考えるシンポジウム

 「虹色の社会へ~性の多様性を考える~」をテーマに,第40回人権教育全学シンポジウムを12月5日(火),柏原市民文化会館リビエールホールにて開催し,学生ら約300人が参加しました。
 元フェンシング女子日本代表選手で日本のトランスジェンダー活動家である杉山文野(すぎやま ふみの)氏が,「違いを力に変えて~ウェルカミングアウトな学校をつくるために~」と題して基調講演を行いました。
 杉山氏は大学院在学中,性同一性障がいと診断を受けた自身の体験を綴った『ダブルハッピネス』を出版。現在は,LGBT(性的少数者)や支援者などによるイベント「プライドパレード」を開催するNPO法人「東京レインボープライド」の共同代表理事や,LGBTの子どもたちを支援するNPO法人「ハートをつなごう学校」代表などを務めています。
 講演で杉山氏は,「中学・高校生の頃は,自身の女性としての未来が思い描けず悩んだ。友人にカミングアウトしたところ,『性別がどうであれ,文野に違いない』と受けいれてくれて,自分に自信が持てた」と話しました。そのうえで,LGBTは13人に1人,AB型の人や左利きの人と同じ割合で存在すると言われているとし,「特に言えないのは,家族や職場に対して。周りの皆さんが『ウェルカム』と言ってくれることが一番うれしい」と,カミングアウトを快く受け入れる「ウェルカミングアウト」を推奨しました。さらに,「LGBTの中学・高校生は自傷行為に及ぶ率が高く,とても苦しんでいる。教壇に立つ人は,事実としてLGBTの存在を生徒に伝えていってほしい」と訴えました。
 続いてパネルディスカッションが行われました。杉山氏と,本学大学院修了生で高校教諭の古閑丸斉良(こかんまる まさよし)氏,本学のセクシャル・ダイバーシティサークル「FLOWER」に所属する久川さん(教養学科自然研究専攻)と吉岡彩和さん(よしおか あやな,教員養成課程国語教育専攻)がパネリストとなり,教職教育研究センターの神村早織(じんむら さおり)准教授が進行役を務めました。LGBTで苦しむ子どもたちにとって,どんな学校や先生であれば安心して過ごせるかという質問に対し,杉山氏は「当事者がいるという前提で接してほしい。理解する姿勢を示すことが重要」と述べました。また,学生や大学に対する期待として,久川さんは「就活では理解ある企業を紹介してほしい。教育実習では実習先のサポートもお願いしたい」と要望し,吉岡さんは「セクシャリティは,問題でも他人事でもない。打ち明けてもらえる自分になれているか,発言を考え,学んでほしい」と訴えました。古閑丸氏は「大学を飛び出していろいろな人と出会い、世界を広げてほしい」と呼びかけ,杉山氏は「誰だって,何らかのマイノリティを持っている。マイノリティにとって暮らしやすい社会は、マジョリティも暮らしやすい社会であるはず」と話しました。
 参加した学生たちは「悩みを打ち明けられる相手がいることの大切さを知った。誰かが悩んでいたらサポートしたい」「マイノリティで悩む児童を助けられるようになりたい」「教師になった時に生徒たちにどう伝えるか、どうすればLGBTの現状を良くしていけるのかしっかり考えていきたい」などと感想を寄せました。

講演の様子
パネルディスカッションの様子

(広報室)