エッセイ

小学校
2020/10/06
学級通信100号

私の学級経営の大きな柱の一つは、学級通信です。子どもたちの良いとこを見つけ、発信し続けています。逆説的ではありますが、そうすることで良いところばかりが目につきます。子どもたちは、自分の名前や写真が載っていると嬉しそうな、恥ずかしそうな顔をします。みんなの前で褒められる、認められる経験がどんどんと積み重なっていきます。保護者の皆様もとても暖かく見守って下さいます。学年が上がればお家で話をすることも減っていく子が多いですし、学校の様子はなかなか家庭には届きません。懇談会では、学級通信のことが話題に上がります。「読んでいると、様子が目に浮かびます。」「本当に子どものことをよく見てくださっているのですね。」とありがたいお言葉いただきます。私にとっても、授業の様子を書き起こすことで反省、振り返りの機会となります。また、見返すことでかわいい子どもたちの様子を思い浮かべて原動力にもなっています。学級通信に関して私には、大きな後悔があります。昨年度のことです。

2月に入り、終業式の日も見えてきた頃「あと週2回くらいのペースで出せば、終業式で100号だな。」などと考えていました。しかし、2月27日突然の休校が発表されました。慌てて、翌日に発行できるように最終号を作成しました。それが92号です。初めての学級担任。気合を入れて発行し続けましたが、このような形で終わるとは…。100号で調整しようという考えが甘かったのだとも思いました。子どもたちへは、いつも先へ先へと言葉をかけていたのに。

子どもたちの来ない学校で意気消沈しながらも成績を作成し、家庭訪問をして届けることになりました。そこで、「最後の学級通信を親子で泣きながら読みました。本当にありがとうございました。」と言って下さった家庭がありました。これまでやってきたことは無駄ではなかった、この仕事を選んで良かったと心の底から思った瞬間です。

新年度から2ヶ月の休校をはさみ、9月末現在70号の学級通信を発行しています。いけるところまでいこうと自分を奮い立たせ、かわいい子どもたちの様子を伝え続けていきます。