エッセイ

恩師への手紙
2020/11/08
私の感謝
 

私は今、中学1年生です。私の小学校6年生だった頃の先生の話をします。その先生は一言でいうと、やさしい人でした。

私は中学受験をしようと考えていたので、学校以外に塾に行っており、毎日、毎日、塾の宿題に追われていたのですが、先生はそのことを心配してくれサポートしてくれました。

また、三学期は、受験のため、学校を休んでいたのですが、終わって合格を知らせたところ、すごく喜んでもらえました。そして、学校にもしっかり私の居場所を残しておいてくれました。

何よりも先生との一番の思い出は、音楽会です。先生は元ピアニストで音楽がとても上手で、当時大ヒット上映中だった、「天気の子」のメドレーを作詞作曲してくださり、それを音楽会で演奏出来ることになったのです。私はずっとしたいと思っていた小太鼓を演奏することになったのですが、元々エレクトーンを習っており、音楽について自信があったものの、音楽の先生に、「小太鼓はリズムをとるもの。だから、小太鼓が悪かったら全体のリズムがくずれる。一方、良かったら、その演奏が引きしまる。つまり小太鼓によって演奏の良し悪しが決まる。」と言われ、不安になっていました。

そんな中、先生は自分の授業で忙しいのに練習に付き合ってくれ、そのおかげか私もだんだん上達していき、パートを増やしてもらったり、違う楽器も併せて担当させてもらえたりして、私は期待されていると感じ、その期待にこたえようと日々練習を繰り返しました。音楽の先生にも、「小太鼓はあなたで良かった。」と言われ、本当にうれしかったのを覚えています。音楽会でお客さんが楽しそうに聞いているのを見て、「頑張ってよかった。」と心から思いました。私はこの体験を一生忘れないと思います。

私の先生への感謝は他にも数えきれないほどあるのですが、私のこの思いを先生に伝えられませんでした。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で緊急事態宣言が発令されたため、学校が休校になってしまったからです。どうしようもないことですが、感謝を伝えたかったので、この手紙を書きました。