小学生のころの私は野球少年でした。毎日、朝6時から自主練習を行い、土日はもちろん平日まで練習に明け暮れていました。その甲斐もあり全国大会ベスト8まで進出することが出来ました。
当然、中学では野球部でした。1年生から先輩に交じって練習に参加させてもらっていました。当時は、団塊ジュニアの世代で、1学年12クラスあり、野球部も1学年20人くらいいましたので、異例の抜擢でした。まさに前途洋々という感じでした。
ところが、中学生になって身長の伸びがぱったり止まってしまいました。運動をやっていくには体が大きいことはとても重要です。とうとう前から2番目になってしまいました。結局、レギュラーを落とされてしまいました。小学生から打ち込んできた野球に価値を見いだせなくなってしまった自分にとって、中学校は遊びに行くところになってしまいました。
ある日のこと、定期考査前の自習時間のことでした。私は、特に何もすることがなく、好きだった歴史の教科書を普通に読んでいました。それだけのことなのに私のところに先生がやってきて、「みんな。●●を見てみろ。めっちゃ集中してすごいよな」と大きな声で言われました。「本当だ!意外~!」とクラスはざわざわしましたが、先生はすぐさま、「あほっ!こいつはいつもこんな感じやぞ!」と言われました。普通に本を読んでいただけなのですが、先生からは違うように見えたようです。その時は単純に恥ずかしかったのですが、何事にも中途半端に取り組んでいた自分にとって、先生が一生懸命頑張っている姿をずっと見てくれていた、ということが分かりすごくうれしかった記憶があります。
そんな些細なことですが、中学生の時に先生から言われたその一言は、以後、自分が生きていくにあたりすごく重要なことだったなと思います。