附属池田中学校の生徒2人が「算数・数学の自由研究作品コンクール」で各賞受賞

2024.02.29

附属池田中学校の生徒2人が「算数・数学の自由研究作品コンクール」で各賞受賞

 一般財団法人理数教育研究所が募集した「塩野直道(*1)記念第11回算数・数学の自由研究作品コンクール」で、附属池田中学校2年生の古賀行雲さんが中央審査委員奨励賞、同じく2年生の大田眞由紀さんが敢闘賞を受賞しました。

 同コンクールは、小・中学生、高校生が日常生活や学校で学んでいるときに感じた疑問や課題を、算数・数学の力を活用して探究し、気づいたことやわかったこと、自らの解決方法などをレポートにまとめて応募するものです。今回は、全国から15,699件の応募がありました。

 古賀さんは、『ぐるぐるエスカレーターの構造』をテーマに、エスカレーターがどのように動いているのかという素朴な疑問と、旅行中に偶然見かけた曲線を描いて昇り降りするスパイラルエスカレーターについて研究しました。大田さんは、『花火大会の混雑を解決』をテーマに、花火大会にかかる費用や警備費用の削減、雑踏事故を防ぐ方法などを探りました。

 古賀さんは、「私にとってエスカレーターはとても身近なものですが、その反面、未知の世界でもあり、エスカレーターの構造について研究したいと思いました。この研究を通じて大切だと思ったことは、ふとしたきっかけで生まれた疑問をとことん突き詰める力と、楽しく調査していこうという気持ちが必要だということです。自分の身の回りには不思議がたくさんあり、それを数学的に探究するとさまざまな視点が見え、数学を学ぶことは楽しいと思えるようになりました」と話しました。

 大田さんは、「研究のきっかけは、両親に『夏の花火大会に行きたい』と言ったら、『過去に雑踏事故が起きたことがあるから、子どもたちだけで行くのは危ない』と言われたことでした。そこで、1年生の時に習ったボロノイ図(*2)を使って、花火大会において、最も効率の良い公共施設の設置場所や警備員の配置場所を決めることができるのではないかと考え、課題に取り組みました。ボロノイ図に限らず、数学の知識がさまざまな社会問題を解決する手段になることを学びました。今後は、それらを解決するためにどのように数学が生かせるのかを考え、学びを深めていきたいと思います」と話しました。

 2年生の数学を担当する井場恒介教諭は、「2人とも1年生の時に学習した内容を発展・展開させて探究している姿が素晴らしいです。古賀くんは、数学ソフトウェア『GeoGebra』を使って、興味を持ったエスカレーターの構造を根気強く探究していました。大田さんは、滋賀県大津市の花火大会の安全を確保するべく、ボロノイ図を活用して提案しました。今後も探究心を持って研究していってほしいです」と語りました。


(*1) 塩野直道・・・日本の算術教育者(1898-1969)。1925年旧文部省図書監修官となり、数理的な面を通して人間の知性を開発するという算数教育の目的を定め、1935年から使用された教科書「尋常小学算術」を編纂

(*2) ボロノイ図・・・平面上に設定された母点と呼ばれる複数の座標をもとに、どの母点に最も近いかによって分割してできる図


記念撮影(左から、佐藤賢司校長先生、古賀さん、大田さん)
記念撮影(左から、佐藤賢司校長、古賀さん、大田さん)

(附属池田中学校)