森林体験学習
―柏原市×柏原市教育委員会×大阪府×理科教育講座―
柏原市の小学生が市内にある「高尾山創造の森」へ行き、自然に触れつつ森の働きや自然の大切さを学ぶ「森林体験学習」。「落ち葉のお風呂」「間伐体験」「森のビンゴゲーム」など、いろいろなプログラムが用意されています。本学の理科教育専攻を中心とした学生たちが、子どもたちのグループのリーダーとして、プログラムの実施をサポートしています。
イベントリポート
7月中旬、柏原市立堅下小学校4年生約70人が8つの班にわかれ、校庭と森の土壌の違いを知る体験学習を行いました。本学学生10人が参加し、各班のリーダーを務めました。参加した学生は、「まずは子どもの安全が第一。その上に学習があり、教員は子どもが自主的に学ぼうとする意欲を引き出す指導をしなければならないと感じました」と話しました。
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リーダーを先頭に高尾山に登ります。
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グループに分かれて、土を掘ります。
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水を流し入れ、浸み込む様子を観察。学校の運動場でも実験し、違いを調べます。
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グループで意見をまとめ、発表します。
代表者インタビュー
信貴 雪乃さん
(学校教員養成課程 理科教育専攻 4回生)
「カマキリの卵がここにある」「変な色のキノコがある」、何かを見つけると子どもたちはすぐさま報告してくれます。大人と比べて低い視線を持つ子どもならではの発見が面白い。小学校の先生も一緒に活動するので、声かけの仕方、横断歩道での安全確保など学ぶところが多いです 。私は学生のまとめ役として、柏原市役所との調整 役も担いました。電話が苦手で、最初は本当に緊張しましたが 、イベントを実施する裏ではこんな風に物事が動いているのかと勉強になりました。
これまで主に理科教育専攻だけでやっていたのですが、今回は参加者を学内で広く募り、教養学科の学生が参加してくれました。またやりたいと言ってくれ、教員志望でない人も得るものがあると確信しました。子どもと一緒に何かを成し遂げるというのは貴重な機会なので、もっと他専攻にも広がると嬉しいです。
ハートフルコンサート
―大阪府教育委員会×ザ・シンフォニーホール×芸術表現講座―
障がいのある方やその介護者の方に、生の音楽に触れてもらおう」を合言葉に、大阪府立支援学校の児童・生徒やその保護者を対象としたコンサートを行っています。本学、大阪府教育委員会、ザ・シンフォニーホールとの共催事業で、ザ・シンフォニーホールが会場を無償提供しています。
イベントリポート
9月初旬、教育協働学科芸術表現専攻音楽表現コースの学生らによるウインドオーケストラがコンサートを行い、大阪府立支援学校9校の児童・生徒約7 0 0人が参加しました。主旨に賛同した全国の国立大学の管楽器専任教員12 人も出演 。当 日 は『スター・パズル・マーチ』『ルパン三世のテーマ』など8曲を演奏しました。
鑑賞した支援学校の生徒は「こんなコンサートには、初めて来た。シンバルの音がきれいだった」と感想を語りました。フルート奏者で司会も務めた教養学科芸術専攻3回生の松尾早彩さんは、「子どもたちの反応がダイレクトで、ノリがよかった。身体を動かしたり、拍手したりして気持ちを表現してくれて、生の音楽の良さを感じてもらえたようで嬉しかった」と笑顔で話しました。
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特別支援教育専攻の学生らが、入退場を誘導。
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オーケストラの演奏や歌に合わせ子どもたちが手拍子
代表者インタビュー
神代 修准教授
(芸術表現講座)
昨年度、初めてこのコンサートを行いました。音にあわせて声をだす、リズムにあわせて体を揺らすなど、生徒さんたちのダイレクトな反応は嬉しかったですね。2回目の今回は、一方的に演奏を聴いてもらうだけでなく、一緒に何かできないかと考えて、合唱曲を取り上げました。リハーサルができないので、曲が成り立つか心配しましたが、感情豊かに大きな声で歌ってもらえて大成功しました。
このコンサートでは、入退場時の誘導、終了時間や食事場所の提供など独特の留意事項があり、事前の段取りが通常とは全く異なります。そんな中でも私たちが演奏に集中できるのは、大阪府教育委員会の完璧なサポートがあるから。学校バスの配車や乗り降りなど、さま ざまなアシストをしてくれます。またザ・シンフォニーホール も、社会的使命として企画に賛同し、無料で施設を提 供してくれています。国立大学、自治体、民間の三者で協力し、このようなコンサートができていることは、全国的にも例がないのではないかと思います。
出演する学生たちは、入念に準備をしてきました。リハーサルはもちろん、ステージの楽器配置、進行など、全てゼロから作り上げました。学生たちにとっても本当に良い経験になっています。
コンサートを終え、改めて「文字や言葉のいらない音楽の力」は凄いなと思いました。今後も続けていきたいです。