生徒に寄り添い、一緒に歩んでいきたい
養護教諭養成課程 2006年3月卒
大阪府立茨田高等学校養護教諭
熊谷 佳奈さん
「わたしは中学・高校時代、保健室に行く機会が多く、保健室の先生には本当に親切にしていただきました。そこで、養護教諭という仕事があるのだと知りました」
養護教諭は、体調不良やケガの手当てを通して直接子どもたちと関わり、身体だけでなく心もみます。生徒が気軽に相談できるので、お姉さん・お母さん的な存在になることもあります。「生徒に寄り添い、一緒に歩んでいく養護教諭になりたいと思っています」
広島県出身ですが、母方の親戚が大阪にいる縁で大阪教育大学・養護教諭養成課程に入学しました。「養護教諭という職業に、最初は漠然としたイメージしかなかったのですが、入学して専門教科の授業を受け、救急処置や看護学、カウンセリングなどを学んでいくうちに、イメージが鮮明になっていきました」
なかでも、4回生の時に行った1か月間の病院実習はとても印象に残っているといいます。小児喘息で入院中の子どもを担当し、病気を抱えた子どもに対する接し方やその心理を実地で学びました。「なかなか心を開いてくれなかった担当児が、最後にはおんぶしてと甘えてきたその時に、人間関係を築けたと実感し、涙が出るほど嬉しかったことを覚えています」
また、大学生や大学院生が、不登校の子どもの家を訪問し、話し相手や遊び相手になる大阪市の「ハートフルフレンド家庭訪問事業」のボランティア活動に参加しました。かん黙の兄妹を担当し、1年経ってもコミュニケーションが取れなかったこともありましたが、公園に出かけ一緒に遊ぶまでに関係のできた子もいました。「子どもの表現する方法は、言葉だけでなく、態度や表情など、様々だなと感じました。子どものペースに乗ってあげること、そして、何よりも感じ取る心が大切だと学びました」