学校教育教員養成課程 小中教育専攻 数学教育コース
数学は世界共通語。グローバル時代に対処できる教員になろう
小中教育専攻 数学教育コースでは、将来教育の現場において、特に算数・数学に関して、優れた指導力を持ち、中心的な役割を担うことが可能な小学校・中学校教員を養成することを目指します。論理的に正しく考え、何が大切かを理解するとともに、その内容をどう教えたらわかりやすいかを考えることにより、数学的な能力と数学教育の理解を深めることに重点を置きます。
求める学生像
- 高等学校で基礎学力を十分に身に着けた人で、特に、数学については、数Ⅲまで履修した人
- 明朗で協調性に富み、いろいろな人とコミュニケーションが取れる人
- 数学の専門知識と数学教育に関する実践力の習得に意欲を持つ人
- 創意工夫することができて、数学の楽しさ・面白さを児童・生徒に伝えたいと思っている人
- 専門知識を駆使して数学の諸問題に積極的に取り組める人
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学びのポイント 1
算数・数学教育に必要な専門知識を学ぶ
小学校において特に算数分野で中心的な役割を果たす教員の育成を第一の目標としています。そのために現代数学の基本的な考え方や数学的な感性を身に付けることを目指し、代数学、幾何学、解析学、確率論、コンピュータ、算数・数学教育学など高度な専門知識を修得します。
これらは数学的知識に裏打ちされた教育実践の土台となります。
学びのポイント 2
専門知識に基づいた実践研究力を身につける
小学校から高等学校までのすべての算数・数学教育を見通しながら理論と実践の両面から深く学びます。また,算数・数学教育を担う教員として教育現場で実践研究をすすめていくことができるように,教育内容・教育方法についての研究方法について学び、実践的な研究能力の習得を目指します。
学びのポイント 3
教育実習を通して実践指導力を育てる
「観察実習(1回生必修)」→「インターンシップI、II(2回生選択)」→「基本実習(3回生必修)」→「インターンシップII、III(3、4回生選択)」と4年間を通して教育実習を積み上げて行い、実践的な指導力を修得します。そのために電子ポートフォリオや定期的な指導教員との面談を通して支援します。
募集人員
25人
学習領域
代数学、幾何学、解析学、応用数学、数学教育学
取得できる免許・資格
●:小学校教諭一種
〇:中学校教諭一種(数学)、高等学校教諭一種(数学)
資格:学校図書館司書教諭、図書館司書
●:卒業要件単位で取得できる教員免許状
〇:卒業要件以外の単位を併せて履修することによって取得できる教員免許状
(ただし、授業時間割上の制約によって希望する免許状が取得できるとは限りません)
4年間の学び
1回生
高校数学から大学数学へ
大学数学は,高校までの数学とは異なり,積み上げではなく、掘り下げから始めます。大学数学を学ぶ上でのポイントは問題意識の変革です。1回生ではその変革を促すような「ショッキング」な講義が展開されるでしょう。こうした意識の変革により,小学校から高校までの数学をより高い立場から展望できるような数学力の獲得をめざします。
主な授業
- 線形代数学 A・B
- 微分積分学 A・B
- 小学校教科内容(算数)
- 幾何学 A
- 代数学 A
- 教職入門
- 発達と学習の心理学
- 小学校教科専門科目
2回生
学問としての数学と教科としての算数・数学
2回生では、1回生での入門を経て数学を本格的・体系的に学んでゆきます。さらに算数科教育法や数学科教育法という数学教育の授業が始まり、学問としての数学の学びを深めつつ、教科としての算数・数学の指導、さらには児童・生徒の数学的な見方・考え方など、幅広く学んでいきます。
主な授業
- 代数学 B・C
- 解析学 A・B
- 幾何学 B・C
- 数学科教育法 I・II
- 算数科教育法
- 教育課程・方法論
- 生徒指導・進路指導論
3回生
数学の専門性を高め,数学教育の今日的課題を考える
1、2回生で学習したことを基礎として、代数学、幾何学、解析学、応用数理、確率論などの各分野での専門性をさらに高めていきます。数学教育学の分野では、今日的な教育課題に応じた算数・数学教育の理論と実践について学びます。さらに、得られた知識をもとにして、基本教育実習で児童・生徒を実際に教えることにより、『教育とは、教えるとは、分かるとは』等を真剣に考えます。
主な授業
- 基本教育実習
- 算数科教育学・数学科教育学
- 解析学 I・II・III・IV
- 幾何学 I・II・III・IV
- 代数学 I・II・III・IV
- 応用数理 I・II
- 確率論 I・II
- 教育相談の心理学
4回生
数学の力を伝える
4回生では,専門分野に分かれてセミナー形式で数学や数学教育学を学びます。セミナーは,学生自身が「知」に対して常に主体的・積極的であることが求められます。教育現場で生きて働く数学の考え方や算数・数学教育の方法を1年間かけて身につけていきます。それは、将来、先生になったとき、自分の核になります。
主な授業
- 卒業研究
- 教職実践演習
- 解析学演習 I・II
- 幾何学演習 I・II
- 代数学演習 I・II
- 応用数学演習 I・II
- 数学教育学演習 I・II
教員からのメッセージ
数学教育学は、数学と教育学や心理学を単に合わせた学問ではなく、数学・学習者の認識・社会の変化などの視点から複合的に研究する独自の学問です。小学校から高校までに学ぶ学校の算数・数学の内容や方法は時代とともに変化してきました。たとえば,コンピュータの急激な発展によって、小学校の数と計算の教育内容もそれ以前の教育とは違い、数感覚,数の仕組みの理解などがより強調されるようになりました。また、教育方法についてはICTの利用も最近は盛んになってきています。
数学教育専攻では、小中教育・中等教育の専攻の違いに関係なく、小・中・高校を見通した算数・数学教育を学べる機会を設けています。特に小学校における算数教育は、その後の数学学習での思考・態度を育てるという意味で重要です。そのために、大学で数学を学ぶことを通して小中学校の算数・数学の背景となる数学を深く理解し、同時に、それをもとに算数・数学教育を考えるようにしていきます。学校教育は学習指導要領によって教育内容や方法が変化しますが、いつの時代においても自分の頭でその時代に応じた教育内容や方法を考えることができる教師になってほしいと考えています。
(数学教育講座 柳本朋子)