平成30年3月にスポーツ庁が,生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築することを趣旨として「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を策定しました。ガイドラインでは,適切な運動部活動運営のための体制整備方策として,学校の設置者に対し「設置する学校に係る運動部活動の方針」を策定するよう示されました。
さらに,平成30年12月には文化庁が「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を策定し,文化部活動についても同様に適切な運営に係る取組の徹底を求められています。
これを受けて,各学校において適切な形で部活動を行い,生徒の心身の成長を促進するための「大阪教育大学附属学校部活動ガイドライン」を策定し,本学附属学校の部活動の在り方の指針とします。
大阪教育大学附属学校部活動ガイドライン
1.適切な部活動運営のための体制整備
(1)部活動の方針の策定等
○校長は「大阪教育大学部活動ガイドライン」に則り,「学校の部活動に係る活動方針」を策定する。
○部顧問は,年間の活動計画及び毎月の活動計画を作成し,管理職に提出するとともに,毎月の活動実績を報告する。
(2)指導・運営に係る体制の構築
○管理職※1は,生徒や教員の数,部活動指導員の配置状況を踏まえ,指導内容の充実,生徒の安全の確保,教員の長時間勤務の解消等の観点から,円滑に部活動を実施できるよう,適切な数の部を設置する。
○管理職は,毎月の活動計画及び活動実績の確認等により,各部の活動内容を把握し,生徒が安全に活動を行い,教員の負担が過度とならないよう,適宜,指導・是正を行う。
○大学及び管理職は,教員の部活動への関与について,「学校における働き方改革に関する取組の徹底について(平成31年3月19日 30文科初第1497号)」を踏まえ,法令に則り,業務改善及び勤務時間管理等を行う。
2.合理的でかつ効率的な活動の推進のための取り組み
(1)適切な指導の実施
○管理職及び部顧問は,部活動の実施に当たっては,運動部,文化部に関わらず,文部科学省が平成25年5月に作成した「運動部活動での指導のガイドライン」に則り,生徒の心身の健康管理(スポ―ツ障害・外傷の予防やバランスのとれた学校生活への配慮等を含む),事故防止(活動場所における施設・設備の点検や活動における安全対策等)及び体罰・ハラスメントの根絶を徹底する。大学は,学校におけるこれらの取組みが徹底されるよう,学校保健安全法等も踏まえ,適宜,支援及び指導・是正を行う。
○部顧問は,生徒の健全な成長の確保の観点から,休養を適切に取ることが必要であること,また,過度の活動等が必ずしも能力の向上につながらないことや,生徒の心身に負担を与え,部活動以外の様々な活動に参加する機会を奪うこと等を正しく理解する。あわせて,生涯を通じてスポーツや芸術文化に親しむ基礎を培うことができるよう,生徒とコミュニケーションを十分に図り,生徒がバーンアウトすることなく,技能や記録の向上等それぞれの目標を達成できるよう,休養を適切に取りつつも,効果が得られる指導を行う。その際,競技種目,分野の特性等を踏まえた科学的・合理的でかつ効率的,効果的なトレーニングや活動を積極的に導入すること。
また,専門的知見を有する保健体育担当の教員や養護教諭等と連携・協力し,発達の個人差や女子の成長期における体と心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導を行う。
3.適切な休養日等の設定
部活動における休養日及び活動時間については,成長期にある生徒が,活動,食事,休養及び睡眠のバランスのとれた生活を送ることができるよう,以下を基準とする。
○原則として,学期中は週当たり2日以上の休養日を設ける。(平日は少なくとも1日,土曜日及び日曜日(以下,「週末」という)は少なくとも1日以上を休養日とする。週末に大会参加等で活動した場合は,休養日を他の日に振り替える。)
○長期休業中の休養日の設定は,学期中に準じた扱いを行う。また,生徒が十分な休養を取ることができるとともに,部活動以外にも多様な活動を行うことができるよう,ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を設ける。
○1日の活動時間は,長くとも平日では2時間程度,学校の休業日(学期中の週末を含む)は3時間程度とする。
○校長は,「学校の部活動に係る活動方針」の策定に当たっては,上記の基準を踏まえるとともに,本方針に則り,各部の休養日及び活動時間等を設定し,公表する。また,各部の活動内容を把握し,適宜,指導・是正を行う等,その運用を徹底する。
○休養日及び活動時間等の設定については,地域や学校の実態を踏まえた工夫として,定期試験前後の一定期間等,部共通または学校全体の部活動休養日を設けることや,週間,月間,年間単位での活動頻度・時間の目安を定めることも考えられる。
○上記の活動時間,休養日については,中学校の部活動を想定した基準であるが,高等学校においても原則は適用とする。ただし,高等学校においては,中学校との違いも考慮の上,地域・学校・競技種目等に応じた多様な形で,最適に実施することとする。