教員編

内定者座談会≪教員編≫≪企業編≫
教採突破の極意は?内定が決まった3人が語る、試験対策のあれこれ。

大角 あゆみ(おおかど あゆみ) 学校教育教員養成課程家政教育専攻 内定先:大阪府高校教諭(家庭科)

豊坂 直毅(とよさか なおき) 学校教育教員養成課程理科教育専攻 内定先:兵庫県小学校教諭

南濱 糸子(みなみはま いとこ) 大学院教育学研究科音楽教育専攻 内定先:奈良県小学校教諭

教員をめざしたきっかけ

南濱 学部では教養学科芸術専攻所属で、入学当初から中高の教員免許は取るつもりでした。転機は、中学校での教育実習です。音楽に苦手意識のある子が多いなという印象でした。子どもたちと接してみて、小学校の時に音楽の授業が難しいとか退屈だと感じたのが原因ではないかと考えました。そういう子どもを少しでもなくしたくて、小学校教員をめざすことにし、大学院に進学しました。

豊坂 私が教員になろうと思ったのは、将来に悩んでいた高校生の頃です。学校の先生は一番身近な職業だし、なにより先生たちが生き生きとして、楽しそうでした。こんな大人になって、楽しく働きたいと思ったのがきっかけです。小学校は勉強だけでなく、遊び、給食、掃除など、子どもの生活全体を見ることができるのが魅力。自身の長所である、元気の良さや明るさが一番生きる場所だと思っています。

大角 高校生の頃、栄養学や保育学などに興味があり、大教の家政教育専攻なら全部学べると入学を決めました。教員になりたいというよりは、家庭科が好きで入った感じでしたが、周囲には教員をめざす人がたくさんいて、先生になって家庭科を教えれば楽しいかもしれないと思うようになりました。高校時代の家庭科の先生に憧れていたこと、高校のほうが内容も難しく面白いので教えがいがあることから、高校教員をめざしました。

教員採用試験の対策を始めた時期

笑顔で話す大角あゆみさん

大角 勉強を始めたのは、4回生の4月頃です。家庭科と教職教養科目が中心でした。家庭科の勉強は、自分でまとめるのがいいとアドバイスをもらったので、参考書を買ってノートにまとめていきました。問題を解く中で新しいことがでてきたらそこのページに戻って書き足し、どんどん更新していきました。教職教養科目は、学校教育講座の高橋一郎先生がやっている教員採用試験(以下、教採)の対策講座をウェブで視聴していました。特に教育心理と教育史の語呂合わせが参考になったのでお勧めです。あとは過去問をやっていました。

南濱 私もちゃんと勉強を始めたのは、4月に入ってからでした。図書館で小中学校の教科書を探して、思い出しながら勉強しました。問題集をひたすら解き、歴史など特にわからないところだけ高橋先生の動画を見ていました。過去問も繰り返しやりました。

豊坂 大体、大教生は4月頃から勉強を始めますよね。私も高橋先生の動画を、その頃から見始めました。本格的に勉強を始めたのは、6月に高知県の教採を受けてから。このままではだめだと気づいて、真剣に取り組みました。学内にある学生向けのオープンスペース「メロンルーム」で友達と二人、朝から晩までずっと勉強していました。互いに違う問題集を買って交換したり、問題を出しあったり、お勧めの勉強法を教えあったり。その友達のお陰で合格できたと思っています。私は社会がとにかく苦手だったので、中学生向けの社会科の問題集を買って、本当に初歩的なところから勉強を始めました。

大角 私は逆に一人でないとできなくて、大学の図書館で朝から晩まで勉強していました。友達と休憩をはさんだりすると全然集中できないんです。それに友達に会って話を聞くと、すごくよくできていて、自分のことが嫌になってしまう。皆で合格できれば一番いいですけど、ライバルだということも理解していて、意識せずにはいられませんでした。

南濱 あるある。あの人はこの問題で何%取れたらしいとか聞くと、「勉強しなきゃ、どうしよう」と焦りが募る。私は大学院生なので、一緒に教採を受ける友達が少なくて、ひたすら孤独でした。辛くなると、友達をご飯に誘ったりして息抜きに付き合ってもらいました。家では全然集中できないので、私も図書館に行っていました。図書館は勉強している人がたくさんいるので、私もやらねばという気持ちになりましたね。

面接試験について

豊坂 兵庫県の試験では、模擬授業後の面接官の言葉がすごくドライで、絶対落ちたと思いました。面接では「こんなことが起こったらどうしますか?」という質問が多かったです。例えば仲の良い子ども同士が集まって、学級が小グループ化していった時のメリットとデメリットは何か、それをどう改善するかといったものです。自身の経験を話したり、自己PRしたりする時間があまりなく、厳しいなという印象でした。

身振り手振り話す南濱さん

南濱 合格した今だから言えますが、手ごたえはありました。私は2年間小中学校でインターンシップを行い、研究授業も何度かやりました。そのおかげで、子どものトーンで話すことには自信があり、子どもを褒める場面も「いいね、それ!」と恥ずかしがらずにできました。個人面接もそのテンションのまま、笑顔で元気よく受け答えできました。受験する都道府県校種別に学生同士で教採対策を行う「教採カフェ」で練習した質問が面接でそのまま出たことも大きかったです。

豊坂 模擬授業は演技力ですよね。子どもたちの楽しい、積極的に発言しようという気持ちを引き出すために頑張っています、という演技がいかにできるかです。模擬授業には、もちろん子どもはいない。全然笑ってくれない面接官の前で、いかに恥を捨てるかです。

大角 本当その通り。どれだけ授業が上手でも、演技ができないと厳しい。面接官はずっと真顔。面接官を通り越した向こう側に子どもがいると想像して授業しました。

豊坂 兵庫県の試験では、面接官が子ども役となり、模擬授業に参加する形式でした。想像もしない発言をされ、訳のわからない方向に授業が進んでいってしまった。内容は散々でしたが、元気に、ゆっくり、はきはきという基本だけは徹底しました。

キャリア支援センターを活用せよ!

豊坂直毅さんの写真

豊坂 キャリア支援センターは利用しましたか? センターの竹島先生はめちゃくちゃ厳しいけど、的確な指摘をしてくれる。先生のおかげで面接を乗り越えられました。

大角 竹島先生と、同じくセンターの佐藤先生の所に行きました。竹島先生は本当に厳しい。でも、だめって言うだけでなく、どこがだめなのか指摘して、対案を示してくれます。そうやって練習の度にだめ出しされてたんですが、試験直前になると途端に優しくなるんですよ。「あんたはいける。私が太鼓判押したる」って。あまりの変わりようにめちゃくちゃ驚きました。

南濱 私は、どちらかというと佐藤先生のほうへよく行きました。佐藤先生はすごく褒めてくれるので自信を持てます。でもこれでは甘えてしまうと思った時に、竹島先生の所に行きました。竹島先生に厳しく指導されて落ち込んで、また佐藤先生に助けを求めに行く。また甘えそうになったら、竹島先生の所に行く。これを繰り返して、調整していました。

豊坂 私は竹島先生のほうに何度も通いました。甘やかされるとすぐ天狗になってしまうし、メンタルはかなり強いほうなので、どんどん言われたほうがいいと思っていました。

南濱 私は、教採カフェにもたくさん行きました。大学院生というのもあって、情報が全然入ってこないんです。教採カフェに行くと、学部生の人たちがすごく優しくいろいろ教えてくれて、情報や仲間を得るという意味でも良かったです。面接練習は、キャリア支援センターでは話の中身を指導してくれますが、教採カフェでは、姿勢や表情の作り方、受け答えが淡泊すぎるといった点を注意してもらえました。使い分けていましたね。

大角 視線とか姿勢は指摘しやすいからどうしても多くなりますよね。私は、教採カフェには質疑応答に慣れるために行っていました。

豊坂 知らない者同士なので、なかなか内容に踏み込みにくいというのもありますね。私は、模擬授業や面接の練習は、図書館のグループ学習室を借りて友達に見てもらっていました。友達なので、遠慮なく指摘してくれるのが良かった。教採カフェには時々参加して、自分にはない発想の意見を聞いたり、他の人の模擬授業でいいなと思ったものを取り入れたりしました。それと集団討論の練習ですね。教採で集団討論をすると、大教生は周りと全然違うなって感じませんでした?

南濱 確かにいい意味で浮いているなと思いました。手のあげ方とか、大教生はピシっとしてる。

豊坂 例えば、他大学の人はメモを取りながら話を聞いていて、下を向いている。でも大教生は、顔をあげて、話している人の目を見て聞いている。そういう大教のやり方はいいなと思ったし、面接対策のノウハウがたくさんあるんだと実感しました。

後輩へのアドバイス

大角 私はもっと積極的に、踏み込んで学べば良かったと後悔しています。基本実習の時も、指導案を作るのが大変で、あまり生徒と触れ合えなかった。でもそれはもっと行動すれば良かっただけです。なんとなく流れに乗ってやるのではなく、自分から関わっていこうとする姿勢が大事だなと思います。

豊坂 大学生活ではたくさんの人と出会うことができ、それによっていろんなチャンスがやってきます。積極的にその機会に乗れば、何らかの学びに繋がる。どれだけ幅広い経験ができたかというのが、教採でも今後の人生でも生きてくると思います。

南濱 大学は自分が受けたい授業を選べるのだから、必要単位だけ取って終わりではなく、学べることはできるだけ学べばいいと思います。私は単位がクリアできたからもういいやと、余分な講義はほとんど取りませんでしたが、今思うともったいない。旅行やアルバイトも含めて、いろんな経験をして、大学の使えるものはどんどん使う。授業中に寝るのはもったいないです。

豊坂 でも時間に余裕があるのも大教の魅力ですよね。教員養成大学なので、他大学のように教員免許を取るために追加で単位を取る必要がない。ボランティアやアルバイトをする時間があるのは、いろんな経験ができて良かったです。大学生活楽しかった。大教に来て良かった。

南濱 そう思えるのが一番ですよね。私も大教に入って良かったなと思います。

教採ノートを覗き込む3人

(2018年1月取材)
※掲載内容はすべて取材当時のものです。

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