2012年は天文現象の当たり年でした。地球に最も近づく満月「スーパームーン」が世界各地で観測された5月7日を皮切りに、5月21日の金環日食、6月4日部分月食、同6日の「金星の日面通過」(金星が太陽の表面を動く)、8月14日の「金星食」(金星の前を月が横切って金星を隠す)など珍しい天体現象が目白押しです。
とりわけ夏以降は金星のパフォーマンスが目立ちます。秋にはオーストラリア・ケアンズで皆既日食があり、本学の福江純教授(天文学)らと学生らが研究観測に訪れるとのことです。
「これをきっかけに、宇宙や天文に関心をもつ人が増え、“山ガール”ならぬ“宙(そら)ガール”がブームになってほしいですね」
天文学研究室と宇宙科学研究室の大学院生、学部生は2012年3月、柏原市内の小学生とその保護者を対象に「観望会」を本学天文観測ドームで実施しました。続いて5月には学生だけで、八尾市内の小学生らを対象に「観望会」を企画・実施、17人の参加がありました。本学自慢の口径51cm反射望遠鏡を駆使して、宇宙や星のお話を子どもたちに語りかけました。
金環日食の当日は、研究室と天文同好会のメンバー20人が柏原キャンパスと天王寺キャンパスの二手に分かれて観測会を実施しました。口径8cmの小型望遠鏡に減光フィルターをかけ一眼レフカメラに収めるとともに、ビデオカメラでも撮影を行いました。光の色の変化をキャッチする「スペクトル観測」、月の表面の凸凹を確認する「ベイリーズビーズ観測」にも成功しました。
野口さんは兵庫県南あわじ市生まれ。「田舎なので満天の星空が広がっていました。父からこの星は○○星座だよって教えてもらい、幼心にわくわくどきどき、いつまで見ても飽きなかったですね」
大阪教育大学に入ったのは小学校の理科教師になりたかったから。入学すると迷わず天文学研究室に入りました。天文好きの仲間もたくさんできました。そのひとりに、学部の小学校理科教育課程3回生の貴村仁君がいます。貴村君はギリシア神話と星座のことになると夢中になり、何時間でも話すことができる星座博士だそうです。「様々なイベントを仲間と助け合い、企画運営しています。頼りになる後輩がたくさんいます」
(2012年5月取材)
※掲載内容はすべて取材当時のものです。
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