地域・企業とツナガル大教大

リニューアルした「けんこうおたすけ手帳」の表紙・裏表紙
        

柏原市の健康啓発冊子をリニューアル

 健康安全教育系の豊沢純子准教授の授業「安全科学研究法」を受講する健康安全科学専攻の学生らが、健康啓発冊子「柏原けんこうおたすけ手帳」を作成し、冨宅正浩市長から「市の健康づくり事業の推進に寄与した」として感謝状を授与されました。
 授業では、柏原市と、同市と包括連携協定を結ぶ第一生命保険株式会社の協力のもと、既存の健康啓発冊子である「柏原市健康ウォーキング手帳 vol.2」の問題点や改善点について話し合い、心理学の観点を取り入れながら、柏原市内のウォーキングコースの内容を中心に学生ならではの目線で冊子をリニューアル。
 冊子は、柏原市のウェブサイトに掲載されており、市民の健康推進に活用されています。

体験ブースの様子
        

小学生向けのプログラミング教材の体験ブース

 ICT教育支援ルームに所属する学生らが、小学校プログラミング教材の体験ブースを、柏原市役所前の大和川河川敷公園で開催された第12回柏原市民総合フェスティバルに出展しました。
 「Minecraft(マインクラフト)*1」の世界に再現した本学の共通講義棟を探検するコーナーと、プログラミングロボット「Root(ルート)*2」を使った迷路やお絵描き体験コーナーを用意し、当日は約90人の子どもたちが参加。学生らは、ブースを訪れた子どもたちにルールや操作を説明し、大にぎわいとなりました。

*1 Minecraft……3Dブロックで構成された世界を冒険したり、ブロックを使ってさまざまな物を作ったりすることができるゲーム。
*2 Root……自分でプログラミングをして操作することで、プログラミングの素養を身につけることができる学習ツール。

イベントに参加した子どもたちと、対戦相手となった花園近鉄ライナーズの選手たち

学生が企画したイベントで子どもが水鉄砲サバゲ―

 グローバル教育専攻の学生らが、柏原市へ「河川空間のオープン化」の活用に関する提案を行い、冨宅正浩市長から「市の発展につながる提案をいただいた」として感謝状を授与されました。
 これは、多文化教育系の髙山新教授が担当する授業「多文化フィールドワーク」の一環で、2009 年に締結した包括連携協定に基づき、令和元年度から本学キャンパスがある柏原市を様々な角度から検討し、まちづくりについて考える授業を行っており、今年で4年目の取組です。
 7月の授業では、冨宅市長をはじめ柏原市の職員や国土交通省大和川河川事務所の山本浄二所長らを招き、学生らが大和川の活用方法をテーマにプレゼンテーション。多数の案のうち「水鉄砲を使ったサバイバルゲーム」が、9月に柏原市が大和川河川敷緑地公園で開催した「第2回ロハスパーク大阪柏原」のイベントとして実施されました。
 サバイバルゲームでは、花園近鉄ライナーズの選手が子どもたちの対戦相手となり、学生らは、夏の強い日差しのなか、司会を務めたり水鉄砲の水の補充をしたりと当日のイベント運営にも参加しました。

竹刀を使用した新聞紙切りを説明する学生

剣道塾で300 人の小中学生に稽古

 体育会剣道部が、大阪市平野スポーツセンターで開催された「剣道塾」に講師として参加し、顧問教員の太田順康教授と部員36人で、小中学生合わせて約300人の少年剣士に指導を行いました。
 当日は、事前に打ち合わせを重ねて企画・準備したグループ分けのもと、子どもたちの技量に合った指導や大学生の模範稽古、竹刀を使用した新聞紙切り、実際に剣を交える合同稽古を行いました。子どもたちの真剣に剣道に取り組む姿勢や楽しそうな様子が見られました。

収録の様子

特別支援学校の子どもたちに向けて!吹奏楽コンサートの映像収録

 芸術表現専攻音楽表現コースで管・打楽器を専攻する学生らで構成する大阪教育大学ウインドオーケストラが、特別支援学校の児童・生徒に向けた「ハートフルコンサート」の映像収録を、9月に大阪市のザ・シンフォニーホールで行いました。
 同コンサートは、本学と大阪府教育委員会、ザ・シンフォニーホールが協力し、2016年から毎年実施しているものです。普段なかなか聴くことのできない生演奏を体感してもらう機会として、大阪府内の特別支援学校を同ホールに招待し開催していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため、近年3年は収録した映像を配信しています。
 有名なスコットランド民謡をポップで楽しいジャズ風にアレンジした『故郷の空 in Swing』や、YOASOBIの『群青』、フィンガー5のヒット曲メドレーなど、年代やジャンルを問わず皆が楽しめる曲を多数演奏。収録した映像は、各特別支援学校に贈られました。

★音楽表現コースオーケストラのコンサート映像は、本学の公式YouTubeチャンネル「OKUChannnel」で公開中

表彰状を手に記念撮影する加瀬さん、田中さん、安松特任准教授(左から)

一般企業から招へいした教員と院生らが学会で全国大会優秀賞

 AIの専門家として『株式会社エクサウィザーズ』から招へいしている理数情報教育系の安松健特任准教授とともに、 大学院教育学研究科の教育ファシリテーションコース2回生の田中友理さんと加瀬佳樹さんが、人工知能学会第36回全国大会で論文を発表し、全国大会優秀賞を受賞しました。
 「AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」というミッションを掲げる同社とは、10月にクロスアポイントメント協定を締結しています。
 今回受賞した論文のタイトルは「芸術作品から受ける感動についての構造分析」で、大学院の授業「先端技術・データ活用演習」のグループワークの1つで行った調査分析結果をまとめたものです。芸術作品から受ける感動について明らかにすることを目的に、どのような人が、どのような作品を見て、どのように感じたかを、芸術作品鑑賞の定性的知見からアンケートを設計し、収集データを因子分析とべイジアンネットワーク*というAI技術を用いてモデリング・分析をし、美学的観点で考察を行いました。

*ベイジアンネットワーク …… 多くの変数がある時に変数間の定性的な依存関係をグラフ構造によって表し、定量的な関係を条件付き確率で表したモデル(参考文献:本村陽一、佐藤泰介 (2000) 「ベイジアンネットワーク:不確定性のモデリング技術」人工知能学会誌 ,15(4),575-582.)。


安松特任准教授からの一言
田中さんは『教育行政学』、加瀬さんは『美』について研究に取り組んでおり、私は理数情報教育系です。このように多様なメンバーが交流できるのは、本学の特徴だと思います。このような多様性ある授業環境によって、この『芸術×AI技術』という研究が生まれたと思います。

一般企業にも所属する客員教員が専門性を生かして

企業から研究者として派遣された客員教員が、ゲストティーチャーとして実施する授業も。高度教職開発系の峯明秀教授が担当する教養基礎科目の授業「アクティブ・ラーニング入門」の一場面を紹介します!

大学院生が考案した学習ゲームで実証実験授業
実証実験の様子
 学習参考書の出版や知育玩具の商品開発など、さまざまな世代の学びをサポートする『株式会社Gakken』所属の麻生征宏客員准教授が、附属平野小学校で、学生24名と児童7名による学習ゲーム教材「SDGsバランスタワーゲーム」の実証実験授業を実施。
 ゲームは、大学院連合教職実践研究科の授業で院生らが検討・提出したアイデアのなかから、同社が選定(院2回生の河村萌花さんが構想案を作成)したもので、仲間と協力したり教え合ったりしながら、SDGsについて学ぶことをねらいとしています。
 午前中に教材の分析や指導案を作成した学生らは、午後は先生役となり児童らと学習ゲームに挑戦しました。

Webテストの作成に挑戦
お互いに作成したテストに挑戦する学生
 『Google社』所属の新田拓也客員講師は、同社の提供サービスや指針、教育学部を卒業した自身の経験などを元に、ICTの活用事例や活用方法について解説しました。
学校現場によっては Google Forms*で小テストを実施している事例もあり、学生らは、平均点をつくることを意識しながら作問したそれぞれの得意分野に関する小テストを解き合いました。

*Google Forms …… オンラインフォームやアンケートを作成して共有し、回答をリアルタイムで分析できるサービス。

プレゼンする生徒と傾聴する教員研修留学生

外国で教員として勤める留学生が府内の高校生と交流

 本学の教員研修留学生*が、7月と9月の2日間、2022年4月に新たに開校した大阪府立桜和高等学校を訪問し、同校の生徒や教員と交流しました。
 この交流は「子どもの未来を拓く大阪市と大阪教育大学との包括連携に関する協定書」に基づき、高大連携事業の一環として実施したもの。同校が有する4つの学科・コースのうち教育系の専門学科「教育文理学科」は、大阪市と本学が連携して教育課程を編成しています。
 1日目は、教員研修留学生らが、それぞれの国の文化・風習・魅力・課題などについて、写真や出身国の衣装、アクセサリー、小物などを生徒に触れてもらいながら、英語で説明を行いました。また、同校の教員と日本の学校教育に対する意見交換を行い、互いに理解を深めました。
 2日目は、同校2年生が1日目の交流で得た情報をもとに準備した英語のプレゼンテーションの審査員として授業に参加し、よりよいプレゼンテーションを行うための助言を行いました。続いて、グループに分かれて生徒と英語で交流しました。さらに、同校内で行われている様々な授業を見学しました。

*教員研修留学生 …… 諸外国の教員であり、所定の日本の大学において学校教育に関する研究を行う外国人留学生。

ウェブ教材の元となった教材(KIDS DESIGN AWORD 2022)

共同開発したウェブ教材がキッズデザイン賞

 表現活動教育系の加藤可奈衛教授、渡邉美香准教授、青木宏子非常勤講師が、2019年5月に積水ハウス株式会社の受託研究として、教材『アート と ともだち』を開発。その後、絹谷幸二天空美術館と日本たばこ産業株式会社との共同研究により、2021年11月にウェブ教材として公開、翌年の2022年8月にキッズデザイン賞を受賞しました。
 この教材は、学校の教員や、子どもたちの鑑賞活動を広く支援する人を対象に、美術館や博物館などの地域の施設や場所を活用して、子どもたち一人ひとりが能動的な鑑賞をするために作成したものです。
 特設サイトでは、教材の使い方として、美術館訪問前に教員が行うこと、美術館での楽しみ方、美術館訪問後の活動、美術館への訪問が難しい場合の鑑賞活動の4つの項目に分けて紹介。「アートとは何か」「自分が美術館で働いていたらどのように展示するか」などをテーマにした、子どもの興味・関心に合わせて活用できるワークシートや、鑑賞を補助する『鑑賞ルーペ』の型紙を掲載しています。また、このサイトでは、教材を活用した鑑賞実践事例や、教材使用・研究内容についての Q&A、近畿のミュージアム(2023年3月現在117館)なども紹介しています。

開発した新材料

脱炭素社会に向けた新材料を開発

 理数情報教育系の成田一人准教授が、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」において「ナノソルダー実用化による製造プロセス省エネ化技術の開発」に取り組むパナソニックホールディングス株式会社、東北大学、秋田大学、芝浦工業大学との共同研究に参加し、従来よりも低い温度で電子部品を接合でき、接合後はパワーデバイスに必要な耐熱性が得られるナノソルダー接合材料を開発。
 低融点金属と高融点金属を組み合わせた固液反応を用いることで、低温かつ短時間プロセスでの結合と 200℃耐熱の両立を達成しました。


成田准教授からの一言

 この新材料を使用することで、産業機器や電気自動車、鉄道などで使用されるパワーデバイスの組立工程に広く展開することが可能となり、パワーデバイス製造プロセスの省エネルギー化とともにカ―ボンニュートラルの実現に向けた大きな前進が期待できます。詳細な研究内容はNEDOのウェブサイトで見ることができますよ。

グランドの上で端末画面を見る生徒たち

身体情報をリアルタイムに可視化するデバイスを開発

 表現活動教育系の橋元真央特任講師は、沖電気工業株式会社との共同研究により、心拍数や歩数、位置情報、体表温度などの運動・体調データを、リアルタイムに収集することができるウェアラブルデバイスを開発しました。
 同社の無線とIoTの技術を活用し、これらの身体情報をリアルタイムに可視化することで、児童・生徒や教員が適宜確認して身体活動を分析する学習が深まったり、授業中の体調不良の予兆を捉えたり、授業後の振り返りや成績評価の参考にしたりすることを可能とします。
 また、附属天王寺中学校で全員の情報をスクリーンに映しながら運動する集団モニタリングを行ったところ、生徒自身が、普段目に見えない個人差があることや仲間の頑張り (心拍数の変化)に気づくことで「運動時の負荷やきつさの低減に効果をもたらす可能性がある」という結果も出ています。
 体育科教育における教育DXを推進し、安全・安心な教育の推進、未来を切り拓く学力・ 体力の向上、学びを支える教育環境の充実につなげていくことをめざしています。

ネーミングライツ記念式典の様子

柏原キャンパスのエスカレーターが「Sky Escalator」に

 本学は、Sky株式会社と大学施設のネーミングライツ(施設命名権)取得に関する「国立大学法人大阪教育大学ネーミングライツに関する協定書」を締結し、柏原キャンパスのエスカレーターを、2022年8月から2025年7月までの3年間「Sky Escalator」と呼称することになりました。
 1985年に大阪で創業したSky株式会社には、現在 11名の本学卒業生が在籍しており、2023年度も2名採用予定とのことです。同社に関心を持つ学生が増えることを期待してネーミングライツに応募されました。
 2022年8月2日に柏原キャンパスで開催した記念式典では、Sky株式会社寺下和典執行役員、多田昌弘取締役、本学岡本幾子学長、西田文比古理事がテープカットを行いました。式典後は、締結に合わせてSky株式会社の協力により更新した展望台看板やエスカレーターを背景に記念撮影などを行いました。

Sky Escalator(1号機入口)
Sky Escalator(1号機入口)

Sky Escalator(3号機出口)
Sky Escalator(3号機出口)

Sky Escalator(3号機出口上)
Sky Escalator(3号機出口上)

展望台看板
協定締結に合わせてSky株式会社の協力により更新した展望台看板


(2023年1月取材)
※掲載内容はすべて取材当時のものです。

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