モダン科学館は、教員養成課程理科教育専攻の学部学生、大学院生らを中心に構成されています。メンバーは現在12人です。2人はプレゼンやアナウンスを主に担当しています。
子どもたちの理科嫌いが増えるなか、学校教育のなかで理科・科学現象に対する興味・関心をもってもらえるような体験が求められています。“理科嫌い”をなくす取り組みは学校現場の大きな課題です。
「理科教員をめざすわたしたちが、実験教材を手作りすることで、子どもたちに身近な自然現象について学んでもらい、理科好きの子どもたちを増やすことにつながると思うのです。同時に、活動を通じてわたしたち自身も教師としての力量が身に付いてくると思います」と、活動のねらいを端的に説明してくれたのが松田さんです。
五月祭(新入生歓迎行事)、7月オープンキャンパス、11月大学祭(神霜祭)、地域の商工会祭(柏原市民総合フェスティバル)、小・中・高校などを活動の場として、出前方式で科学館を開く活動をしています。平成17年の活動開始から8年で、開催は30回を超え、子どもたちを中心に延べ1万人が来場したそうです。これまで作った教材は60点近く、この中から、対象に合わせて15~20点を持参します。科学館では身近で簡単な現象から高校物理の範囲まで幅広く扱い、実際に物理教材を作ることのできる制作コーナーなども実施しています。また、地域貢献事業やボーイスカウトでの子ども科学教室にも参加しています。
川床さんは「全員が一丸となり、新しい教材の作製や改良、また説明の工夫をし、来ていただいた方々により楽しく、よりわかりやすく理科に親しんでもらえるよう日々努力しています」。松田さんは「身の周りに起こる不思議な自然現象を、実験を通じて体験することにより、分からなかった謎が分かる嬉しさが醍醐味です。自分も感動した体験を子どもたちに味わわせてあげたり、分かったという時の嬉しそうな顔に接すると、わたしも嬉しくなります」と声を弾ませました。
プラズマボール、アルコールロケットなどが定番ですが、新しい実験教材をただいま試作中だといいます。それは、柏原キャンパスに放置してあった倒木を材料にした「太鼓」だそうです。「物理分野の『音』の学習に使う教材です。音階が出せるよういろいろ工夫していますがなかなか難しいです。うまく音が出せたときの子どもたちの驚き、目の輝き、笑顔が待ち遠しいです」と二人は口を揃えました。
二人とも教員採用試験をクリアし、2013年春には教壇に立つ予定です。
(2012年10月取材)
※掲載内容はすべて取材当時のものです。
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