附属池田小学校事件から4年目を迎えて

附属池田小学校事件から4年目を迎えて

平成17年5月9日

 附属池田小学校事件から4年目を迎える中で、このたび大阪教育大学と附属池田小学校は、事件で重傷を負った8人の児童の保護者の皆さんと、合意書を取り交わしました。このたびの合意書は、2年前の平成15年6月8日に、事件で亡くなった8人の児童のご家族と取り交わした合意書に次ぐものであります。

 合意書においては、事件の責任への深い自覚に立って、事件を未然に防ぐことが出来ず、被害を最小限に止めることができなかったことを真摯に反省し、8人の児童とその保護者の皆さんに、心からの謝罪をいたしました。また、全教職員の危機対応能力の向上に努め、附属学校園の安全管理と安全対策を徹底し、実効性のある再発防止策に取り組んでいくことをお約束いたしました。

 重傷を負った8人の児童の被害は甚大であり、傷ついた心と身体の回復をめざして、様々な努力が続けられています。合意書において、大阪教育大学と附属池田小学校は、このような児童の成長を、末永く見守り支えていく強い決意をもって、8人の児童の学校生活への十分な配慮と適切な学習環境の確保に努めていく事をお約束いたしました。

 事件で最も被害の大きかった当時の1年生・2年生は、今年は5年生・6年生となり、いよいよ中学校へ、そして高校へと、進学を迎えることになります。そのなかで、被害を受けた児童の心身が一日も早く癒され、痛ましい体験を乗り越えて、健やかに成長を遂げてくれることを祈らずにはおれません。

 これからは、大学と附属小学校・附属中学校・附属高等学校が協力し、連携し、手を携えて被害を受けた児童の成長を支えていくことになります。本学では全教職員がこの課題を共有し、幼児児童生徒の安全が託されていることへの自覚を新たに、学校安全の向上に、なお一層の努力を重ねていく所存であります。

 今後とも関係者及び関係機関の変わらぬご理解とご支援をお願いいたします。

 大阪教育大学長 稲垣 卓

→最新のメッセージへ