遺伝子研究で母国の環境問題に貢献したい
教養学科 自然研究専攻 4回生
甘耿(ガンゲン)さん
―― 日本の大学に留学しようと考えた理由は?
甘耿 高校1年の時に日本映画「いま、会いにゆきます」(竹内結子主演)を見ました。
なんて、自然豊かな国なんだろうと、日本の風景の美しさや人の心に感動しました。親戚で日本に留学した人がいたので、経験談を聞き、日本への憧れが募りました。6月に高校を卒業し、半年間、日本語学校で日本語を勉強しました。親の許しを得て、2008年春に憧れの地を踏みました。
―― 大阪教育大学に決めた理由は?
甘耿 理系の生物を研究したいと思っていたので、自然研究に関心が向きました。日本語学校の先生からの助言や、国際センターが発行している留学生向け大学案内が魅力いっぱいで、留学生に対するサポート体制が充実していることが分かりました。それで、大阪教育大学の教養学科に留学を決めました。
―― 鈴木剛准教授、向井康比己教授から指導を受けているということですが、研究内容は?
甘耿 植物のタバコを材料に、ゲノムの特異的反復配列の解析を行っています。染色体やDNAに関する遺伝学的な研究です。
鈴木先生と向井先生には、実験の意義や操作の原理を分かりやすく指導していただいています。
―― 日本の文化や生活、食べ物はどのように感じていますか。
甘耿 交通体系が緻密に発達してとても便利です。大好きな神戸や京都にも電車で短時間で行くことができます。日本文化で特に好きなのが京都です。たそがれ時に、着物を着た女性が路地を歩いている姿は本当に美しいです。また、人とのつきあい方が細やかです。例えば相手に対する気の配り方、おもてなしの心が素敵です。
また、日本の食べ物も、初めてのものばかりでびっくりしましたが、慣れてくるとお刺身や納豆も大好きになりました。
―― 勉学以外に好きなことは。
甘耿 旅行です。沖縄にも行きましたが、琉球の文化、特にエイサーには感動しました。
―― 内モンゴルの素晴らしさを紹介していただけますか。
甘耿 美しい草原です。日本の方は毎日忙しいので、広い草原の真ん中に身を置くとゆったりとした気分になり、癒されること間違いなしです。中でも、夕日の美しさは感動です。
―― 将来の夢は。
甘耿 大学院に進んで、動物の研究をしたいと考えています。修了後は、遺伝子を扱う研究機関の研究員になりたいです。
内モンゴルは草原が美しいので有名ですが、実は、緑が減って、砂漠化が進んでいます。緑を増やし生態系を戻すにはどうしたらいいのか、さらに研究を進めたい思っています。そのために日本の環境保護から学びたいと思っています。
(2013年9月取材)
※掲載内容はすべて取材当時のものです。
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