悪質な勧誘等への警戒

悪質な勧誘等への警戒

 大学生をターゲットとした「マルチ商法,資格取得商法などの悪質商法」「特殊詐欺への加担」「薬物乱用」「サークル活動等を隠れみのにしたカルト宗教団体への勧誘」の被害が多発しています。法の網の目をくぐる巧妙で言葉巧みに勧誘し,金銭を巻き上げ,また,犯罪に加担させようと試みます。騙されないと思っていても,相手はプロ。このような勧誘に関わると契約トラブルに巻き込まれ多額の借金を背負うこととなり,学生生活やあなたの将来が奪われてしまいます。「悪質な勧誘」と思ったら一人で判断せず,家族や指導教員など身近な人に相談又は学生支援課なんでも相談窓口に相談してください。「うまい話,楽に儲かる話」は絶対にありません。怪しい誘いには絶対に乗らないように。

悪質な勧誘の手口

 どこかに連れて行こうとします。
 サークル活動や飲食の誘い,事務所など,逃げることのできないところに連れていこうとします。ついて行くと契約するまで帰らせてくれません。 
  投資に成功した者や会長などと名乗る人物が登場します。
 勧誘の中で成功者の体験話などをすることで,マインドコントロールされます。 
  時間がないと焦らせます。
 冷静な判断をさせないように「今日中に契約してくれれば」などとすぐに対応を迫ってきます。また,話の中で「今回限定」「あなたは選ばれた人」などの言葉がでたら,悪質商法と疑ってよいでしょう。
  「儲かる」「元が取れる」とお金の話をしだす。
 「儲かる」「元が取れる」「大きな特典が付いてくる」は悪質商法の常とう句です。このキーワードが出たら疑ってください。 
 最後に高額な商品の購入を迫られます。 
 長時間にわたる勧誘の結果,最後に高額な商品の購入が必要と強く迫り,お金がないというと金融機関などに同行し,最終的に学生ローンやサラ金の手続きをさせられます。 
 積極的に勧めてくる。 
 悪質商法は勧誘するとマージンがもらえるため,何度も連絡してきたり,執拗に説明してきたり,強引に思えるほど積極的にセールスしてきます。 

若年層が陥りやすい消費者トラブル事例

1 マルチ商法

 個人を商品等の販売員として勧誘し,次の販売員を勧誘すれば収入になると,組織を連鎖的に拡大する商法

【事例】
サークルの友達や先輩から連絡があり,割のいいバイトがあると誘われ,セミナー会場に行った。会場では「健康食品を購入し,友達に売ればマージンが入る。勝ち組になれる。」と誘われた。
 ポイント!!
  • 悪質なマルチ商標は,一部の成功例を強調し,あたかも全員が成功するかのように勧誘してくることがあります。「必ず儲かる」うまい話はありません。
  • 多量の商品を購入しても思うように売れず,売れ残りの商品や借金を抱えてしまうリスクがあります。
  • 大学の友人,先輩,後輩を勧誘することが多いため,大学内での信頼や友人関係を壊すことになりかねません。
  • 商品が介在しない,いわゆる「ねずみ講」は違法行為です。

2 アポイントメントセールス,キャッチセールス

 電話で「あなたが特別に選ばれました。○○を取りに来てください。」などと言って販売目的を告げずに事務所などに誘い出し,商品やサービス等の購入の契約をさせるアポイントメントセールス。 駅前や路上で呼び止めて営業所などに連れて行き,商品やサービス等を販売するキャッチセールス。

【事例】
 町で「美容に関する調査をしています。協力してくれたら化粧品のサンプルを差し上げます。」と声を掛けられ,営業所に連れられてアンケートに答えた。その後,閉め切った部屋の中で,高額なエステの契約を勧められ,契約しないと帰れない雰囲気だった。
 ポイント!!
  • どちらのセールスでも,営業所などに連れて行かれ,長時間にわたり勧誘し,契約を迫ってきます。
  • 「ただ」につられて,簡単について行かないことが肝心です。
  • 不要な商品の販売には,毅然として断りましょう。

3 デート(恋人)商法

 言葉巧みな話術で異性に好意を抱かせ,それに付け込んでアクセサリーなど高額な商品を販売する商法。

【事例】
 携帯の「出会い系」サイトで知り合った異性から「今度デートしよう」と誘われた。デートの途中,自分がデザインしたアクセサリーを展示しているイベントに連れて行かれ,アクセサリーの購入を勧められた。嫌われたくないのでクレジットで契約してしまった。
 ポイント!!
  • 恋愛感情を巧みに利用し,契約へ誘導するのが目的です。
  • 一度買ってしまうとまた購入してもらえると思われ,次々に商品をせがまれることがあります。
  • 出会いのきっかけが携帯電話の「メル友」や「出会い系サイト」の場合は要注意です。

4 迷惑メールがきっかけの不当請求

 パソコンや携帯電話に届いた「出会い系サイト」や「アダルト系サイト」の広告メールにうっかり接続してしまったら,利用料金の請求がきた。

【事例】
 携帯電話に出会い系サイトの広告メールが届いた。興味本位でちょっと覗いてすぐに削除しようとURLをクリックしたら,いきなり画面に「入会完了!5日以内に3万円支払ってください。」と表示された。
 ポイント!!
  • サービスを利用(契約)しようとして接続した訳でなければ支払いの義務はありません。
  • 事業者に返信し,自分の名前や電話番号などを教えると,次の被害につながることがあるので,個人情報は絶対に教えないこと。
  • 身に覚えのないメールのURLには興味本位で接続しないことが第一です。
  • 迷惑メールを受信しないために,文字数が多く複雑なメールアドレスにしたり,各種サービス(フィルタリング機能)を活用しましょう
  • 脅迫されたらすぐに警察へ。

5 資格商法

 自宅や職場に電話をかけて,資格取得のための講座の受講や教材の購入契約をさせる商法。

【事例】
 職場に突然電話がかかり「あなたの親会社から依頼を受けたので書類を送りたい。」と言われ,忙しかったのでつい自宅の住所を教えてしまったところ,講座の契約書が送られてきた。
 ポイント!!
  • 「結構です」「はいはい」といった曖昧な返事はトラブルのもと。口約束でも契約は成立します。契約の意志がなければきっぱり断りましょう。
  • 過去に類似の資格講座を受講していた人に,まだ講座の契約は続いていると嘘を言い,更新費用の支払いを求める手口も横行しています。過去の講座が既に終了している場合は,取り合わずきっぱり断りましょう。

6 オンラインショッピング

 インターネット上で契約の申し込み等を行うインターネット通信販売(ネット通販)が普及し,自宅で手軽に買い物ができるようになりましたが・・・

【事例】
・ ネットオークションで,欲しかった自動車のパーツを落札したので代金を振り込んだが,なかなか商品が届か
 ない。そのうち,出品者と連絡が取れなくなってしまった。
・ ネットオークションで,ブランドのバックを落札したが,届いたものは明らかに偽物だった。
 ポイント!!
  • インターネット取引では取引相手が見えないため,信頼できる売り主かどうかをよく見極めましょう。多数の商品を扱う事業者には住所・氏名・℡等の表示義務がありますので,必ず確認しましょう。店頭価格よりも大幅に安いような場合は要注意です。
  • 支払う前に,販売者の連絡先,申込画面などプリントアウトしておきましょう。
  • 大切な買い物には,出品者と落札者を仲介するサービス(有料)を利用する手段もあります。

 

【事例】
友人・知人から不要物を多数集め,ネットオークションで出品したところ,オークション運営事業者から「特定商取引法に違反しているので,氏名・住所・℡等を表示するように」と警告された。
 ポイント!!
  • ネットオークションは,個人が容易に売り主となり得るシステムです。個人であっても多数の出品を繰り返す場合には特定商取引法の「販売業者」に該当し,氏名・住所・℡等や返品特約等の取引条件を表示する義務が発生することがありますので注意しましょう。

7 多重債務

 クレジットで楽しくショッピング,気軽にキャッシング。でもこれは借金。複数の金融機関やカード会社から多額の借金をして返済が困難になった人を「多重債務者」と言います。

 ポイント!!
  • クレジットの無計画な利用,消費者金融等からの安易な借入で多額の債務を抱え,自分で返済できずに自己破産するケースが急増しています。
  • クレジット等の利用は,月々の収入でゆとりを持って返済できる範囲で利用することが鉄則です。無計画で安易にクレジットを利用していると多額の借金を抱えることになります。
  • カードの盗難やデータを盗んで偽造する犯罪が急増しています。利用するときは目を離さない,人には貸さない等,カード利用の基本的なルールを守ることが肝心です。

8 アフィリエイト

 自分のブログ等に商品広告を掲載し,そのブログ等を通じて注文が行われると販売店から成功報酬がもらえる仕組み。最近,月に数十万円も儲かるといった宣伝をよく見かけますが・・・

【事例】
自分のブログに,アフィリエイトの報酬料率の高い健康食品の広告を掲載し,「飲んだだけで5㎏痩せた。」などと書き込んでいたところ,このブログを読んで購入した人から文句を言われた。
 ポイント!!
  • インターネットで情報発信する際には,正確な情報を掲載しましょう。他人の権利を侵害したり,虚偽の説明をしたりすると,法的な責任を問われる可能性もあります。
  • 「楽して儲かる」方法はありません。アフィリエイトとして成功している人は,買い手にとって魅力的なサイトを作成し,信頼を得るため多くの時間をかけて努力しています。

9 訪問販売

 自宅や職場へ販売員が訪問してくる商法。

【事例】
「お届け物です」と人が訪ねてきた。ドアを開けると実は新聞の勧誘で「部数を伸ばしたいので,名前だけでも良い。いつでも解約できるから」と執拗に勧誘され,夜だったので押し問答になるのも面倒で契約をした。
 ポイント!!
  • 一人暮らしや留守番の時を狙って突然訪問し,電話会社や消防署の職員を装ったり,無料点検と言って家に上がり込み,商品の購入を長時間,執拗に勧める場合があります。
  •  簡単にドアを開けたりせず,用件を再度確認する。服装やセールストークに惑わされることなく,契約は慎重にしましょう。

10 特定継続的役務提供

 身体の美化,知識の向上等を目的として,継続的な役務(サービス)を提供する取引のことで,エステティックサロン,語学教室,学習塾,家庭教師派遣,パソコン教室,結婚相手紹介サービスなどがこれに当たります。

【事例】
エステの無料体験に軽い気持ちで行ってみた。体験後「今ならキャンペーン中」と勧められ1年コースの契約をしたが,思うような効果が現れない。前払いで1年分払ってしまったが,解約はできないと言われた。
 ポイント!!
  • 契約期間が比較的長期にわたり,料金が高額で一括前払いのものが多い。サービスの内容が違った,期待した効果が現れない,業者が倒産しサービスが受けられなくなる等のトラブルがあります。
  • 契約の締結に当たっては,サービス内容や契約期間,中途解約(退会)時の清算方法,対価の支払い方法(クレジット等)等の契約内容を十分確認した上で,慎重に行うことが重要です。特に,長期にわたる高額な前払い契約は避ける方が無難です。
  • それまで受けたサービス代金と一定の損害賠償金を払えば,理由を問わず中途解約が可能です。

 

被害に逢わないために

 1 「うまい話には必ず裏がある」ことを認識すること
 2 いらないものは「いりません」とはっきり断ることが肝心
 3 呼び出しや甘い誘いには簡単にはのらない
 4 個人情報(住所・氏名・電話番号・口座等)を安易に提供しないように
 5 納得できない請求への支払いは慎重に
 6 ネット取引では,相手の連絡先の確認と契約成立の画面を保存する
 7 その場ですぐ契約せず,よく確かめて,家族,友人など信頼できる人に相談を

被害に逢ってしまった場合の対応

クーリング・オフ制度

【クーリング・オフとは?

 クーリング・オフは,いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも,契約を再考できるようにし,一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり,契約を解除したりできる制度です。
ただし,通信販売にはクーリング・オフ制度はありません。

 (クーリング・オフ紹介Webサイト)
   独立行政法人国民生活センター
    https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html

【特定商取引法におけるクーリング・オフができる取引と期間

8日間   訪問販売(キャッチセールス,アポイントメントセールス等を含む)
      電話勧誘販売
      特定継続的役務提供(エステティック,美容医療,語学教室,家庭教師,学習塾,パソコン
                教室,結婚相手紹介サービス)
      訪問購入(業者が消費者の自宅等を訪ねて,商品の買い取りを行うもの)

  20日間   連鎖販売取引
        業務提供誘引販売取引(内職商法,モニター商法等)

【クーリング・オフの手続き方法
 

 ・クーリング・オフは書面(はがき可)または電磁的記録で行います。
 
・クーリング・オフの書面等には,事業者が対象となる契約を特定するために必要な情報(契約年月日,契約者
  名,購入商品名,契約金額等)やクーリング・オフの通知を発した日を記載します。
 ・クーリング・オフができる期間内に通知します。
 ・クレジット契約をしている場合は,販売会社とクレジット会社に同時に通知します。

【相談窓口

 
原則として支払った代金は全額返金されますが,クーリング・オフできない場合もあります。詳しくは地元の消費生活センターへ相談してください。

  
大阪府の消費生活センター