コロナ禍における課外活動

コロナ禍における課外活動

 コロナ禍においても、新型コロナウイルス感染症への対策を講じながら活動を続ける課外活動団体に、実施している対策やコロナ禍での活動内容について聞いてみました。

【1】主なコロナ対策/【2】コロナ禍での活動

柏原キャンパス

間隔を空けてウォームアップを行う様子

陸上競技部

主務・中谷エイ氣さん(理数情報専攻数理情報コース3回生)
活動日:毎週月~水・金・土曜日/所属人数:79人(2020年12月時点)

GoogleFormを活用した体調管理と選手へのヒアリング

  1. コロナ禍以前から部員のコンディション把握の一環で取り組んでいたアンケートフォームを発展させ、GoogleFormを使って全部員の体調管理を行っています。項目に引っかかっていたり、不調である旨が入力されていると管理画面でわかるようになっているので、該当する選手に対してヒアリングを行うようにしています。他にも、ウォームアップ時の間隔や共用物品の消毒にも気を付けています。
  2. 練習等もかなりの制限がある中で、予選を勝ち抜き、第1回大学対校男女混合駅伝への出場権を獲得しました。
マウスシールドを着用してプレーする様子

女子ラクロス部

主将・脇坂香絵さん(小中教育専攻理科教育コース3回生)
活動日:毎週火・水曜日・金~日曜日/所属人数:35人(2022年1月時点)

プレー中でもマウスシールドを着用

  1. ラクロスでは選手同士がぶつかるプレーも多いので、プレー中でも透明のマウスシールドを着用しています。毎日の健康記録も、練習の際に用意するボードに書き込み、全員の体調を視覚化しています。また、共用物品は毎練習後に当番制で消毒を行っています。課外活動禁止期間中も、Zoomでグループに分かれて家でできるトレーニングを行っていました。
  2. 10月から12月の間に行われた関西一部リーグ戦に出場し、全4試合行いました。
多目的ホールで実施した定期演奏会

混声合唱団

幹事長・横畠勇司さん(中等教育専攻社会科教育コース3回生)
活動日:毎週月・土曜日/所属人数:33人(2020年12月時点)

屋外でも10m空けて合唱練習

  1. 課外活動実施指針では屋内による発声は1人までと決められているので、屋外で、かつ前後左右の人との間隔を10m空けて合唱の練習をしています。
    最初は他の人の声が遅れて聞こえてきたり、ピアノの伴奏が聞こえなかったり、色々な問題が発生しましたが、試行錯誤の末、順応することができました。
  2. 柏原市内の多目的ホールを借り、無観客による定期演奏会を行い、その様子をYouTube上でライブ配信しました。その後、編集したものも一定期間公開していました。

天王寺キャンパス

両手に軍手を着用しバッティング練習を行う様子

ソフトボールサークルPhoenix

代表・山口ななさん(小学校教育専攻夜間5年コース3回生)
活動日:毎週水・土曜日(平常時)/所属人数:50人(2020年12月時点)

共有物品の取扱及び消毒の徹底

  1. バットやベンチなどの共用物品は、使用前後に必ず消毒しています。さらに、バットを使用する際は、素手で触らないように両手にバッティンググローブを着用するか、持っていない人には軍手を貸し出して練習しています。また、マスクはプレー中でも外さないようにし、プレー外ではハイタッチ等の接触もしないように意識しています。
  2. 夜間コースでは普段、授業終わりの夜の9時過ぎから練習をしていますが、2021年1月からの緊急事態宣言下では、夜の8時以降の活動は制限されているので、土曜日の夕方か日曜日の昼間での活動に限定しています。

 本学では新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、一部期間を除いて2020年2月から課外活動を一部制限し、4月から6月においては活動を禁止していました。その後、6月末に「課外活動実施指針」を策定し、各団体から同指針に則った活動指針を提出させ、本学保健センターと相談のうえ 許可された団体のみが活動できる体制を取っています。


【大教大史上初】オンライン神霜祭〜神霜月間までの道のり〜

 毎年11月初旬に柏原キャンパスで体育文化週間行事として3日間にわたって開催している大学祭、通称「大学祭準備会」委員長の小田村美湖(おだむら・みこ)さんにお話を伺いました。神霜祭」。2020年度は、新型コロナウイルス感染症の情勢を鑑み、現地開催中止となった。しかしその状況を逆手に取り、11月23日から12月20日までの約1か月間を「神霜月間」と称し、オンラインならではの長期間の神霜祭を開催した。本学史上初のオンライン神霜祭を開催した「大学祭準備会」委員長の小田村美湖(おだむら・みこ)さんにお話を伺いました。

小田村 美湖の写真

柏原キャンパスの講義室にて撮影

委員長にインタビュー

小田村 美湖(おだむら・みこ)

大学祭準備会・委員長

学校教育教員養成課程
小中教育専攻
社会科教育コース 2回生

【広報室】いつからオンライン神霜祭を構想していましたか?
【小田村】6月当初は年度初めの新歓行事が中止になったため、対面での神霜祭をどう形態を変えて実施しようか考えていました。しかし、8月に入っても改善しないコロナ情勢に直面し、対面開催は到底叶わないことが実行委員会(以下「実委」)内での共通認識となりました。

小田村 美湖の写真2

【広報室】オンライン開催に対して実委内の反応は?
【小田村】オンライン開催ならではの長期間開催だからこそできる企画を実施して、コロナ禍の学生生活に彩りを添えることをコンセプトとした「神霜月間」としてはどうか、との意見が出てきましたが、提案当初は、実委内の賛否は半々でした。

【広報室】どのようにして実委内の合意形成を図ったのでしょうか?
【小田村】実委内の意見がまとまらない限りは前に進めないと考えた私は、実委を4つの縦割り班に分けて、オンライン開催だからこそできる企画をそれぞれ考え、企画内容を班ごとにアピールするプレゼン大会を実施しました。そこで、他班のプレゼンを見て、オンライン開催の可否を決定する評価シートによる投票を行ったところ、ほぼ全員が「開催したい」という意見になりました。その後、プレゼンで提案された企画を昇華させる方向に舵を切りました。

【広報室】委員長として心がけたことは?
【小田村】神霜祭を開催しない年があると、次年度に金銭的・認知的な支障が生じると考え、何としても開催しなくてはと思っていました。しかし、どうすれば神霜祭をオンラインで開催したいと実委全体で団結できるか、という点については本当に苦労しました。例年どおりに甘んじてはいけない、というのが私の信条なのですが、あまりにも例年どおりじゃなさすぎました。それでも、
私は、神霜月間が、コロナ禍で沈み切った大学に新風を巻き起こすためのきっかけになればと考えていましたし、実委はそれができる団体だと信じていました。

小田村 美湖の写真3

大学祭準備会の学生たち

【広報室】オンライン神霜祭の開催にあたって心がけたことは?
【小田村】対面開催よりも多くの企画を用意し、可能な限り多くの大教生と〝つながる〞ことを最終目標にしました。そのために、大教生全員に認知してもらえるよう、大学の一斉送信メールによりLINE@に誘導し、実委の情報を漏れなく受け取れるようにしました。
 一方で、部やサークル団体の成果発表の場としての側面も大切にしました。例年であれば神霜祭を引退ステージにしている団体も多く、他の手立てとなるライ
ブ等も実施できない状況でした。なおかつ、新入生の勧誘も難航し、存続が危うい団体も多くありましたので、新入生の課外活動への進出のきっかけとすること
も、念頭に置いていました。

【広報室】大学祭準備会の今後の活動や展望を聞かせてください
【小田村】開催後のアンケートでは「オンラインという形だったが、神霜祭を開催してくれたこと自体に意義があった」との意見を多くいただきました。しかし、「周知度や企画の濃密度の面では課題があった」との声も少なからずありました。私の中での「成功」の判断基準は「前年の感動を凌駕するようなイベントが開催できたかどうか」です。そのため、アンケートでいただいた意見も参考に、すでにオンライン開催を決めている2021年度の実委主催のイベントを「成功」できるよう実委一丸となって向かっていくだけかなと思っています。
 また、今までは実委の人数が少なく、神霜祭自体の運営に手一杯でしたが、この2年間で実委の人数も増え、実委独自の企画を増やしたいと考えていました。そんな中、このコロナ禍という逆境にもかかわらず、オンライン神霜祭で「大教王」という新しい企画が成立できたことは、神霜祭をより高みに進化させる布石になったと思っています。今まで、実委企画が少ないことが、他大学の大学祭と比較して負けている点だと自覚していたので、このコロナ禍をバネにして、大人数になった実委だからこそできることに挑戦していきたいと思います。

神霜月間中に行われた企画

大教王に出場した学生たち

大教王

有志20人のオンライン予選を勝ち抜いた8人で行われた対面式のクイズ大会。その様子を撮影・編集したものをYouTubeで公開。動画は期間中に約200回再生された。

人に真っ直ぐノ助のイラスト

ゆるキャラグランプリ

今後の大学祭のパンフ・ポスター等に使用する大学祭用のゆるキャラをSNS上で募集。計7件の応募があり、Twitter上での投票の結果「人に真っ直ぐノ助」がグランプリに。

自粛飯を公開していたWEBページのスクリーンショット

自粛飯

コロナ禍のステイホーム中に学生自らで作った料理をSNS上で募集。計7件の応募があり、特設ウェブサイトで紹介。

成果発表

サークルの紹介動画を集約し、YouTubeで公開。活動紹介27本・パフォーマンス動画11本・動画以外のコンテンツ7団体分の計36団体が参加。

(2020年12月取材)
※掲載内容はすべて取材当時のものです。

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