男女共同参画からダイバーシティ推進へ

男女共同参画からダイバーシティ推進へ

学長 岡本 幾子 (ダイバーシティ推進会議議長)

 令和4年4月1日付で学長職を拝命いたしました岡本幾子です。大阪教育大学は、平成22年6月に「男女共同参画推進会議」を設置して以来、学則で定める「学芸の研究教授につとめ、高い学識と豊かな教養をもつ人材、特に有為な教育者を育成することを目的とする」という使命を果たすために、教育・研究及び就業の場における男女平等を推進し、それぞれの教育・研究及び就業と家庭生活の両立への取り組みを進めてまいりました。さらに、平成29年度、文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」に採択され、その事業を展開していく過程のなかで、令和3年6月、これまでの取り組みから一層幅を広げて包括的に展開すべく「ダイバーシティ推進会議」として組織を新たにしました。

 この新たな組織では、「大阪教育大学で学び働くすべての人が、個々の能力を十分発揮できるダイバーシティ環境の実現」を目標に、実績を挙げてきた従来の取り組みに加え、昨今の社会変化に対応する新たな視点を取り入れ、さらに前進させるべく取り組んでいます。

 具体的には、令和3年度には、現在実質的な産学官連携による学校教育高度化プロジェクト事業の拠点となる大阪アドバンスト・ラーニング・センター(OALeC)の設計にダイバーシティの観点を反映し、その象徴的な存在としてその波及効果も含め大きな役割を持つ「オールジェンダートイレ」の設置を求める要望書を提出し実現が決定しています。また、授業シラバスにダイバーシティの観点に配慮した授業づくり・授業展開(ユニバーサルデザイン化)の実現を標榜することについても要望し、令和4年度から明記されています。新たになったダイバーシティ推進会議では、今後このように大学全体としてダイバーシティ推進を進めるための働きかけを行う役割を担っていく予定です。

 ダイバーシティを推進することによって、性別、障がいの有無、性的指向や性自認、国籍等、多様な背景や価値観をもつ本学で学ぶすべての学生、生徒、児童、園児及び教職員が、個々の能力を存分に発揮し、平等に教育研究その他の活動を営むことができるコミュニティー環境の実現を目ざします。また、教員養成大学である本学が「令和の日本型学校教育」で言われる「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現するための学校教育のモデルづくりの理念の中核として「ダイバーシティ」を掲げ実践することにより、本学構成員のモチベーションと能力は大きく引き出されるとともに日本の学校教育の発展に寄与できると考えております。

 誰もが学びやすい・働きやすい環境でそれぞれの個性と能力を発揮し、生き生きと教育研究活動や業務に従事している。この輝く未来の実現のために、ダイバーシティ推進会議と共にしっかりと歩みを進めてまいります。

 今後とも、この取り組みに対する皆様のご理解、ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。