卒業生CATCH! 牧 貴美子さん

   
  
螺旋階段の手すりに手を添えて微笑む牧さん

学ぶ心と感謝の気持ちをいつも胸に

教養学科 芸術専攻 音楽コース 2017年3月卒業
劇団四季 俳優
牧 貴美子さん

ずっと歌うことが好きだった

 幼稚園の頃から人前で歌うのが好きだったという牧さん。中学生のときに合唱、高校生のときはその延長で声楽を始めたそうです。当時から舞台が好きでよく観劇していたのだとか。「ピアノやバイオリンなどの音楽は親の影響で始める子が多いそうですが、私は自発的に『歌いたい!いろいろ挑戦してみたい!』というタイプでした」

劇団四季をめざした理由

『オペラ座の怪人』の舞台写真
『オペラ座の怪人』撮影野田正明

 「歌やミュージカルが好きで、進路を考えたときの私にとっての選択肢は一つで、劇団四季は『憧れ』そのものでした」。大学4回生のときに受けた研究生のオーディションには不合格となるも、「もう1年、これで最後だから頑張らせてほしい」とご両親を説得して私立の音楽大学の大学院で声楽を学んだ後に見事合格。「研究生として1年間レッスンを重ね、劇団員となり今舞台に立てていること、本当にありがたいです」

牧さんは、大阪四季劇場で上演中*の劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』では、クリスティーヌ・ダーエ役の1人として出演しています(写真『オペラ座の怪人』・手前右)。
*2023年8月27日千秋楽

日々課題と向き合う

 「毎公演で達成感を感じる余裕はありません」と舞台のキラキラしたイメージからは意外な言葉。「『あの場面はもっとこうすればよかった』と後悔しない日はないし、『今日は完璧にできた』と思う日が訪れたらそこで成長が止まってしまう気がするんです。プロだからこそ楽観的な気持ちでは取り組みません」と真剣な表情で続けます。「でも、観に来てくださった方から拍手やメッセージをもらうときは本当に嬉しくてやりがいを感じる瞬間で、『むしろ私こそありがとうございます』という気持ちでいっぱいです」と顔をほころばせていました。

大学で得たもの


大学主催のオペラに出演する牧さん(左)

 一番は人との出会いかもしれない、と微笑む牧さん。「大教大で出会った人に共通する特徴として『人柄の良さ』というのがあって、自分の意志をもって前に進める人や、人を敬う心を常に持ち続けている人ばかり」。また、ピアノやフルート、チェロなど、自身の専攻である声楽以外の分野を専攻する同級生と先生に囲まれて学んだことが、視野を広げることにもつながったといいます。「卒業後も、神代修先生にお声がけいただいて大学の芸術表現講座(音楽)主催のオペラ公演に出演したり、同級生が出演するリサイタルで心洗われる演奏を聴いたりと、長く続いているこの関係がとても大切です」

牧さんは、大阪教育大学芸術表現講座(音楽)主催のオペラ『フィガロの結婚』でバルバリーナ役を演じました。(写真「大学主催のオペラに出演する牧さん(左)」)。

いま意識していること・いつか挑戦したいこと


インタビューに応じる牧さん

 

 「松下電器産業創業者である松下幸之助さんの『学ぶ心さえあれば、万物すべてこれ我が師である。』という言葉すごく好きなんです」と牧さん。「劇団員になって間もない今は自分なりの型もないですし、演出の方々や先輩からのアドバイスだけでなく、どんな些細なことからも学ぶ心を忘れずに精一杯取り組みたいです。そして、周囲の方のアドバイスを柔軟に吸収して、自分なりの型をつくっていきたい。今は目の前のことに誠実に取り組んでいって、いつかは自分と同じような夢をもって頑張っている子たちに、自分の経験を生かして指導する形で力になれたら嬉しいです」

「TenYou ―天遊―」vol.58インタビュームービー


(2022年10月取材)
※掲載内容はすべて取材当時のものです。

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