“挑戦”を通して生徒たちに勇気を届けたい
学校教育教員養成課程 中等教育専攻 技術教育コース 2021年3月卒業
大阪市立横堤中学校 教諭
小池 優真さん
ボディビルダーとしても活躍する異色の中学校教員、小池優真さん。多忙な教員の仕事に加え、毎日ハードなトレーニングも続けています。その原動力がどこにあるのか聞きました。
大教大に入学した理由
小池さんが本学を志望したのは、中学時代のちょっとした勘違いが発端でした。「中学の頃から、国立の大学に行きたいという希望がありました。高校進学を考える時期に指定校推薦の話を聞いたことから、自分の中で言葉だけが一人歩きしてしまって、指定校推薦で国立大学にも行けると思ったんです」。そこで、進学希望者が少なく推薦をもらいやすいと考え、工業高校に入学。ところが3年生になって初めて、指定校推薦は私立大しかないと知りました。「今から受験勉強を始めても厳しいしどうしようと困っていたら、進路担当の先生が、センター試験を課さない推薦のことを教えてくれました。いくつかの候補の中に大教大もあって、オープンキャンパスに参加してみたところ、先輩たちが優しくて、大学の雰囲気もすごく良かったので、ここで大学生活を頑張ってみようと決めました」
大学時代の思い出
中学から柔道を始め、大学でも柔道部だった小池さんは、大学生活も部活動が一番思い出深いといいます。「部活ではミーティングから練習内容まで学生が主体となって考えさせてくれたので、伸び伸びと活動できました。それが成長する力にもなったのかなと思います」。入学当初はなかなか勝てなかったチームが全国大会に出場するなど躍進し、小池さん自身も、大阪学生柔道体重別大会で優勝という輝かしい成績を残しました。「柔道を始めてからずっと優勝したことがなかったので、すごく嬉しかったです。大阪のいろんな学生と戦って勝ち上がったことはとても大きな経験でした」
ボディビルへの挑戦
「トレーニング自体は高校3年生の時、たまたま家の近くにボディビルのジムができたのがきっかけで始めました」という小池さん。多忙な教員という仕事にありながら大会に出るようになった背景には、こんな思いがありました。「本格的にボディビルを始めたのは、何か一つのことに“挑戦”する姿を生徒たちに見せたかったから。学校では生徒たちに『勉強や試験を頑張れ』『部活を頑張れ』などと言いますが、それを言う教師自身が何も頑張っていなかったら、説得力がないのではと感じていました。そこで、教師が自ら頑張る姿を見せることで、生徒たちに『自分も頑張ろう』と思ってもらえたらと考えました」。生徒たちにも“挑戦”することの大切さを熱く語り、「一緒に挑戦していこう!」と鼓舞しています。
仕事とトレーニングの両立
教師の仕事とトレーニングの両立について聞くと、「本当に大変です」と思わず声に力が入ります。仕事を終えてから2、3時間ほど筋トレをこなし、減量期にはさらに朝4時半に起きて1時間ジムで歩いてから出勤しているそう。そんなハードな生活を続けられるのは、他ならぬ生徒たちのおかげだといいます。「トレーニングは大変ですが、学校に来て生徒たちと関わっていると、不思議なくらい元気が出てくるんです。最初は自分の“挑戦”を通して生徒たちに頑張ってほしいという気持ちでしたが、生徒たちが頑張る姿を見せてくれて、逆に力をもらっていることをすごく実感しています」。そんな生徒たちに何かを還元したいという思いが、小池さんの心に火をつけ、突き動かす原動力となっています。
これからの目標
今年は3年生を担任していることから、「一番大きいのは生徒たちの進路です。生徒たち一人ひとりが納得のいくような進路をつかむためのサポートをすること。これが最大の目標です」と力を込めます。そのうえで、ボディビルの目標は「まずは大阪大会での優勝。さらに今年は日本大会にも出場するので、そこで上位に入ってアジア選手権の選考対象に選ばれたいです」。生徒たちへの熱い気持ちが、小池さんの“挑戦”を支えています。
(2023年7月取材)
※掲載内容はすべて取材当時のものです。
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