HATO10年間の歩み

HATO10年間の歩み(センター長報告)


 大阪教育大学では、『安全・防災教育のプログラム開発プロジェクト』及び『教職基礎体力を備え国際感覚に優れた教員の養成充実に向けた改革プロジェクト』の2件を主幹プロジェクトとして、それぞれの取組を進めてまいりました。

 

『安全・防災教育のプログラム開発プロジェクト』開発したデジタル教材(災害からの安全)コンテンツ例

 『安全・防災教育のプログラム開発プロジェクト』では、我が国の学校における安全教育の一層の普及と発展を支援するために、「犯罪」・「災害」・「外傷」・「交通事故」の4領域から構成される包括的かつ体系的な安全教育教材を開発し、「学校安全情報プラットフォーム」による教員養成機関や教育現場への発信を通じた社会実装を推進しました。補助金期間(平成24年度~平成29年度)においては、HATO4大学附属小学校や公立小学校における教材開発・改修のための実証実験授業を実施したほか、大阪府・東京都・岡山県・高知県での「e安全学習研修会」開催による「e安全学習普及員」の養成などにより教材開発とその普及を図りました。また、セーフティプロモーションスクール認証の取組を通じた学校安全の推進にも取り組みました。補助金期間終了後もe安全学習研修会開催によるe安全学習普及員の養成推進などの活動により安全教育教材の利用実践協力校がのべ130校(令和2年度末実績)となったほか、セーフティプロモーションスクール推進員養成セミナーによるセーフティプロモーションスクールの普及では、認証校及び認証支援校が国内外合わせて120校(令和3年9月末実績)を数えるなど、学校安全の取組が確実に普及しており、今後もさらなる普及と発展に取り組んでまいります。

 

『教職基礎体力を備え国際感覚に優れた教員の養成充実に向けた改革プロジェクト』ランチタイムチャットの様子

 『教職基礎体力を備え国際感覚に優れた教員の養成充実に向けた改革プロジェクト』では、次世代の学校教育を担う教員養成系大学の学生に「実践的な英語力」が求められていることから、「外国語の自律学習支援モデル」の発信を目標として掲げ、外国語の4技能の測定ができる外部試験を活用した学生の自律的な外国語学習支援の取組を展開することや、地域の現職教員を対象とした小学校における外国語の授業改善の提案・サポートを通じて、教職基礎体力に基づいた外国語による実践的な運用能力の育成を目的とした英語学習環境の整備に取り組みました。具体的には、平成2610月に外国語学習支援ルーム(Global Learning Community)を設置し、外部試験対策、海外留学などの学習相談、e-learning教材などを活用した自律的な勉強会、チャットや多読プログラムの提供、イングリッシュ・キャンプの開催など様々な学生の自律的な外国語学習支援に取り組んできました。平成30年3月には、各大学における英語外部試験、外国語学習支援、地域における英語教育活動支援の取組・成果を報告書にまとめ、全国の教員養成系大学・学部に対して「外国語学習支援モデル」として発信しました。それ以降も、外国語学習支援ルームにおける各種取組を継続しているほか、本学学生だけでなく地域の現職教員も対象としたカナダ・ビクトリア大学における英語教育指導者資格認定プログラムを開講するなど、学生や地域の現職教員の実践的な英語力向上の取組を行っており、今後も引き続き継続していく所存です。