安全な学校の実現に向けて -附属池田小学校事件を二度と起こさないために-

安全な学校の実現に向けて
-附属池田小学校事件を二度と起こさないために-

平成15年6月8日

 附属池田小学校事件から2周年を迎えました。2年前のあの日、我々は子どもたちを守ることが出来ませんでした。その結果、8名の児童の尊い命が失われ、15名の児童と教員が傷つくことになりました。犯人の侵入を防げなかった大学と学校の責任は、極めて重いと言わざるを得ません。

 本学の9つの附属学校園には、約5,000人の幼児児童生徒が在籍しています。本学は、これらの幼児児童生徒一人一人の安全を確保する責務を負っていました。尊 い犠牲の上に、本学はあの事件から、学校安全への強い責任感と学校危機への日頃か らの周到な備えが、いかに大切であるかを学びました。また、教師として、子どもた ちの命と安全を守りきる強い使命感がなければ、保護者の信頼に応えることはできな いことを学びました。

 事件によって、ご遺族や負傷児童ご家族をはじめ、関係者の蒙った被害は、あまり にも大きく、償いきれるものではありません。事件から2周年を迎えるにあたり、学 長として新たな決意をもって学校の安全管理の徹底に取り組み、子どもたちの安全の 確保が託されていることへの自覚を新たに、安全で安心して学べる学校の実現に取り 組んでいく所存です。

 本学には、この事件と事件が残した教訓を、将来に継承していく責務があります。
二度とこのような事件が起きることのないようにとの切なる願いを、教育行政や教育 現場に伝えていくことも、本学に課せられた責務であります。この課題に向かって、 本学は今後も努力を続けて行くことを誓い、これまでご支援いただいた学内外の多数 の皆様の、変わらぬご協力をお願いする次第であります。

 

 大阪教育大学長 稲垣 卓

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