ゴールドラット・コンサルティング・ジャパンCEOの岸良裕司氏を講師に招き，教師の学び舎特別講座を3月10日（土），天王寺キャンパスで開講し，学校教員や大学院生ら約40人が参加しました。 岸良氏は，「ザ・ゴール」などの著書で知られる物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士の愛弟子として，博士が唱えたマネジメント理論「TOC（Theory of Constraint＝制約理論）」を，セミナーやコンサルティングを通じて広く伝えています。今回は「学校のお悩み解決ワークショップ」と題し，TOCを活用した課題解決の手法を解説しました。 岸良氏は「現場で起こる様々な問題を掘り下げていくと，原因となっているのはごく少数の要素であることがわかります。それを的確に見つけ出し，集中的に解決することで効率的に組織を改善するのがTOCの基本的な考え方」と解説。リソース，時間，人生は有限であることを理解したうえで，1つの問題を解決することによって連鎖的に複数の問題を解決できる「ヘッドピン」を見つけ，そこにリソースを集中させることが大切だと語りました。 ワークショップでは，初めに教員の長時間労働や生徒の読書離れ，業務分担の偏りなど，教育現場で起きている問題点を列挙したあと，仕事を持ち帰らない，生徒が自ら学んで発見する，助け合える職場環境など，目標となる望ましい状況を導き出しました。続いて岸良氏が，業務を付箋に書き出し，その進捗状況を「着手待ち」「実行中」「中断」「完了」「助けて」の5項目に分類する「やりくりボード」を提示。これによって互いの状況を把握し，助け合う職場にしていくことで，業務を効率化し，教育に注力することができると説きました。 最後に岸良氏は「皆さんが今日のワークショップで得るものがあったなら，必ず実行に移してほしい。どんなこともすぐにできるようにはならず，積み重ねが必要。月曜日からチャレンジしてください」と激励しました。 参加者たちは「互いの状況が見えるようになることで，自分だけ負担が大きいといった不満がなくなり，困っているときに誰かに頼りやすくなる」「チームで助け合う方法を見つけられた。やはり協働が大切なのだと感じた」「根本となる問題を解決できれば，全てつながって解決できるとわかった」などと感想を話しました。
ゴールドラット・コンサルティング・ジャパンCEOの岸良裕司氏
参加者全員で問題解決に取り組む
（広報室）