附属学校園による授業支援のための動画

このページでは,大阪教育大学の附属学校園による授業支援のための動画を掲載しています。

掲載動画一覧

校種 学年 教科:単元
小学校
(第1学年~第3学年)
第1学年
国語:う・え
算数:かずとすうじ
第2学年
国語:じゅんばんにならぼう
算数:長さ
第3学年
理科:自然観察
道徳:詩:どきん
小学校
(第4学年~第6学年)
第4学年
国語:ていねいに書く
算数:180°
理科:季節と生物(春)
第5学年
社会:旅行計画を立てよう
理科:発芽
第6学年
国語:漢字の音と訓
算数:対称な図形
中学校 第1学年
理科:観察の視点
音楽:篠笛
数学:『-』のついた数ってなんだろう?
第2学年
国語:平家物語
数学:式の計算 誕生日を当てられる?
家庭科:食事のしかた
社会(歴史分野):南北朝の内乱と新たな幕府
第3学年
社会(歴史分野):第一次世界大戦後の欧米諸国
英語:現在完了形の疑問文、否定文
数学:相似な図形

小学校(第1学年~第3学年)

小学校 第1学年 国語 「う・え」

授業動画(4分9秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介するコンテンツは,小学1年生の国語,ひらがなの学習「う」「え」です。国語の動画発信は,この動画以前に「国語はどんなことをする教科か」「机椅子の座り方,鉛筆の持ち方・運筆練習」「ひらがな あ い」を行っています。ひらがなの教材は各家庭に郵送しました。動画はその教材を進めるための補助的な役割を果たしています。毎日,ひらがなの動画を発信して,児童に動画発信のペースにあわせて課題を進めさせるという意図もありました。基本は黒板で丁寧に指導して,言葉集めのときにその言葉のイラスト等を効果的に用いました。ひらがなの指導は続いていきますが,児童が混乱しないように「ひらがなの読み方→書き順・書き方→言葉集め」の順の授業形態は毎回同じにしました。
 算数と同様に教師は優しく,児童に語りかけるように心がけました。学校が始まっても,ひらがなやカタカナ,漢字の指導は同じ形で進めています。動画の発信のおかげで実際の授業が始まってからの児童のとまどいも少なく,ひらがなの定着度も高かったと思います。

小学校 第1学年 算数 「かずとすうじ」

授業動画(4分9秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介するコンテンツは,小学1年生の算数,第1回目の学習を進めるためのものです。小学校に入学して,まだ一度も登校をしたことがなく,担任の先生や友達に一度も会ったことがないところからのスタートです。当然のことながら,学校生活,授業のイメージも全くありません。また,初めての算数の授業であるため,算数とはどういったものかについてもふれています。
 導入部分では,算数や数の世界に興味を持ってもらえるような楽しい内容にしています。同じ仲間集めをして,その数を確認していきます。黒板(アナログ)と電子黒板(デジタル)の長所を生かすよう,映像では黒板が全体(ルーズ),デジタル教科書を映した電子黒板が手元(アップ)になるよう構成しています。
 教師は優しく,児童に語りかけるように心がけています。学校に行ってみたい,こんな先生に早く会いたい,あんな授業を受けてみたいと思ってもらえるよう意識して作成しました。

小学校 第2学年 国語 「じゅんばんにならぼう」

授業動画(6分36秒)
動画作成者のコメント
 本授業の指導事項で大切なことは「大切なことを落とさないようにしながら,興味をもって聞くこと」です。新型コロナウイルスの影響で友達といっしょに学習ができない児童のために意識した点が2点あります。
 1点目は教師が児童役になりきって様々なパターンで順番に並んでみるという学習活動を行ったことです。並ぶ際には,声を発さずに身振りで友達に伝えるようにしました。この映像を児童が見ることで,大切なことを落とさずに行動する大切さが伝わるようにしました。また並ぶ基準について「誕生日」など児童にとって身近なテーマにすることも重要だと考えました。身近なテーマを設定することで楽しく全員が理解できるようにしました。
 2点目は,並び順を間違えた際に児童役の教師がふりかえりをしたことです。一方的な講義形式ではなくて「こうすればうまくならべたんじゃないかな?」と意見を言うことで映像を見ている児童が少しでもいっしょに考えられる場面を設定しました。

小学校 第2学年 算数 「長さ」

授業動画(9分54秒)
動画作成者のコメント
 今回の授業映像を作成するにあたって重視したことは,2年生になったばかりの児童が授業映像であっても十分に内容を理解できるようにしたことです。そのために,教師が1つ1つ教科書の内容を押さえていく形式で構成しました。また,動画を作成するにあたって,スライドを多めに用意してどこをやっているかはもちろん,視聴している児童が飽きないように心がけました。他にも,今回の内容では「㎝」という新しく長さの単位を学習するので,測り方や書き方などは動画にして,分かりやすく提示しました。
 知識の伝達だけにならないように,授業のように問いかけや何度か一旦動画を止めて児童がじっくり考えられるようにしました。そして,予想される回答も紹介することで,児童が自分の考え以外と出合えるようにしました。授業の終わり方もオープンエンドで終えるようにして,学習への意欲を少しでも高められるようにしました。
 長さを測ったり直線を引いたりといった技能面は,学校再開後に復習を行いながら,理解度を確認しています。

小学校 第1学年 国語 「う・え」

授業動画(4分9秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介するコンテンツは,小学1年生の国語,ひらがなの学習「う」「え」です。国語の動画発信は,この動画以前に「国語はどんなことをする教科か」「机椅子の座り方,鉛筆の持ち方・運筆練習」「ひらがな あ い」を行っています。ひらがなの教材は各家庭に郵送しました。動画はその教材を進めるための補助的な役割を果たしています。毎日,ひらがなの動画を発信して,児童に動画発信のペースにあわせて課題を進めさせるという意図もありました。基本は黒板で丁寧に指導して,言葉集めのときにその言葉のイラスト等を効果的に用いました。ひらがなの指導は続いていきますが,児童が混乱しないように「ひらがなの読み方→書き順・書き方→言葉集め」の順の授業形態は毎回同じにしました。
 算数と同様に教師は優しく,児童に語りかけるように心がけました。学校が始まっても,ひらがなやカタカナ,漢字の指導は同じ形で進めています。動画の発信のおかげで実際の授業が始まってからの児童のとまどいも少なく,ひらがなの定着度も高かったと思います。

小学校 第1学年 算数 「かずとすうじ」

授業動画(4分9秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介するコンテンツは,小学1年生の算数,第1回目の学習を進めるためのものです。小学校に入学して,まだ一度も登校をしたことがなく,担任の先生や友達に一度も会ったことがないところからのスタートです。当然のことながら,学校生活,授業のイメージも全くありません。また,初めての算数の授業であるため,算数とはどういったものかについてもふれています。
 導入部分では,算数や数の世界に興味を持ってもらえるような楽しい内容にしています。同じ仲間集めをして,その数を確認していきます。黒板(アナログ)と電子黒板(デジタル)の長所を生かすよう,映像では黒板が全体(ルーズ),デジタル教科書を映した電子黒板が手元(アップ)になるよう構成しています。
 教師は優しく,児童に語りかけるように心がけています。学校に行ってみたい,こんな先生に早く会いたい,あんな授業を受けてみたいと思ってもらえるよう意識して作成しました。

小学校 第2学年 国語 「じゅんばんにならぼう」

授業動画(6分36秒)
動画作成者のコメント
 本授業の指導事項で大切なことは「大切なことを落とさないようにしながら,興味をもって聞くこと」です。新型コロナウイルスの影響で友達といっしょに学習ができない児童のために意識した点が2点あります。
 1点目は教師が児童役になりきって様々なパターンで順番に並んでみるという学習活動を行ったことです。並ぶ際には,声を発さずに身振りで友達に伝えるようにしました。この映像を児童が見ることで,大切なことを落とさずに行動する大切さが伝わるようにしました。また並ぶ基準について「誕生日」など児童にとって身近なテーマにすることも重要だと考えました。身近なテーマを設定することで楽しく全員が理解できるようにしました。
 2点目は,並び順を間違えた際に児童役の教師がふりかえりをしたことです。一方的な講義形式ではなくて「こうすればうまくならべたんじゃないかな?」と意見を言うことで映像を見ている児童が少しでもいっしょに考えられる場面を設定しました。

小学校 第2学年 算数 「長さ」

授業動画(9分54秒)
動画作成者のコメント
 今回の授業映像を作成するにあたって重視したことは,2年生になったばかりの児童が授業映像であっても十分に内容を理解できるようにしたことです。そのために,教師が1つ1つ教科書の内容を押さえていく形式で構成しました。また,動画を作成するにあたって,スライドを多めに用意してどこをやっているかはもちろん,視聴している児童が飽きないように心がけました。他にも,今回の内容では「㎝」という新しく長さの単位を学習するので,測り方や書き方などは動画にして,分かりやすく提示しました。
 知識の伝達だけにならないように,授業のように問いかけや何度か一旦動画を止めて児童がじっくり考えられるようにしました。そして,予想される回答も紹介することで,児童が自分の考え以外と出合えるようにしました。授業の終わり方もオープンエンドで終えるようにして,学習への意欲を少しでも高められるようにしました。
 長さを測ったり直線を引いたりといった技能面は,学校再開後に復習を行いながら,理解度を確認しています。

小学校 第3学年 理科 「自然観察」

授業動画(5分38秒)
動画作成者のコメント
 今回の授業映像では,3年生「しぜんのかんさつ」における「かんさつカードの書き方」の学習を進めることをねらいとしました。昨年度,担任だった教員と今年度担任になる教員が登場することで,児童に安心して学習に取り組んでほしいという願いも込めています。
 かんさつカードにかくときに気をつけてほしいポイントとして,
①大きくかくこと
②よく見てかくこと
③一本の線でかくこと
を紹介し,児童が「かいてみたいな」という思いを持てるように考えました。また,実際に見ないでかんさつカードにかいてみると,大人でも実物と大きく違ってかいてしまうことを分かってもらうために,実物をよく見てかいたものと見ないでかいたものを比較できるようにしました。
 登校が始まった後,自然観察を行った際に気をつけるポイントを確認するとすぐに答えることができました。何度も見たという児童もいるなど,くり返し見ることができることは映像教材の利点だと感じました。

小学校 第3学年 国語 「詩:どきん」

授業動画(2分47秒)
動画作成者のコメント
 詩「どきん」は,国語の学習開きで扱うことができる魅力的な作品です。リズミカルで音読を楽しめるだけでなく,「あるきはじめるかあ ひたひた」という謎めいた表現に,思わず何が歩き始めたのか話したくなる作品です。そのため,この授業映像をするにあたって,「詩を楽しむこと」「児童の意見を聞くこと」を大切に考えました。
 今回の授業は,「どきん」の学習映像第三回目です。第一回目に,児童から「不思議に思ったこと」「わかったこと」などの意見をロイロノートというアプリを使って集めました。「一連目と二連目の違い」「歩き始めたものが何か知りたい」「振り向いたのはだれか。」という意見が多かったので,そのことに焦点を当てて授業展開しました。
 学校が再開されたときに,「歩き始めたものは何だと思ったのか」「誰が振り向いたんだろう」と詩を読んで感じたことを伝えたくなるような締めくくりにしています。いつ学校が再開されるかわからず不安な気持ちになっている児童に,エールを送る気持ちで発信をしました。

小学校(第4学年~第6学年)

小学校 第4学年 国語 「ていねいに書く」

授業動画(8分19秒)
動画作成者のコメント
 この動画は,字を丁寧に書くときのポイントを学習するための動画です。そのポイントは
①しせい,②とめ・はね・はらい,③十字リーダー を意識することです。
 本来であれば,学年や学級の始まりの時期に合わせて実施したい授業内容です。今年は,緊急事態宣言下児童が登校しておらず,学習を進められない時期がありましたが,各学習動画を配信し学習をスタートさせるタイミングで,本動画をアップしました。
 まだ,直接顔を合わせていない時期の動画配信でしたので,児童が授業を楽しみにできるように,担任団が児童役と教師役となって会話を多くした授業の形式をとりました。動画配信後に感じた利点としては,何度も見返すことができるということです。本動画の内容は,一度きりの授業ではなく,機会を見て何度も伝えることで効果の上がるものですので,教室や家庭で必要を感じた時に見返せることはとても大きな利点です。

小学校 第4学年 算数 「180°」

授業動画(10分2秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介する授業映像は,4年生算数「角とその大きさ~180°より大きい角のはかり方~」の学習についてです。映像を作るにあたって気をつけたことは,“得意な児童も苦手な児童もこの映像を通して意欲的に学習が取り組める”ということです。児童の反応がない分,どうすれば,意欲的かつどの児童でも取り組めるかを一番に考えました。
 苦手な児童への対策として,基本的なことを教科書会社がアップしている動画を使って確認できるようにしました。そのことで児童も自分の教科書に書き込みながら学習することができるようになっています。
 問題では,時計の短針を扱いました。決められた時間から,指定された角度分進むといったい何時になるのかを求めていきます。身近にある時計は,児童がノートに書くことが容易で,既習したことを使って答えを求めることができます。時計に隠されたきまりを見つけることで,分度器を使わなくても,一定の角度ならば求めることができるようにもなっています。

小学校 第4学年 理科 「季節と生物(春)」

授業動画(1分53秒)
動画作成者のコメント
 春の生物について気温の変化と関連付けながら問題解決を行っていく単元です。
 動画視聴後の子供の具体的な活動としては,次の3点です。
① NHK for Schoolを視聴し,3学期の頃の生物の様子と比べる。
② ①で気付いたことをノートアプリ(ロイロノート)で提出する。
③ 四季の中で最も好きな季節とその理由をノートアプリで提出する。
 学校で観察ができない中,春の様子がよくわかる動画を選び,3学期の様子と比べてもらいました。自分でも調べてみたいと思った子供が多く,家の周りや公園で見つけた生物の観察の様子も付け加えてノートアプリで提出してくれました。
 ここで提出してくれた子供の気づきをまとめ,問いをつくり,再度動画をアップしました。
 ③の最も好きな季節を答える課題は,子供とのつながりが希薄な状況の中,少しでも一人ひとりとコミュニケーションをとりたいという想いから設定しました。

小学校 第5学年 社会 「旅行計画を立てよう」

授業動画(5分22秒)
動画作成者のコメント
 今回の授業映像を作成するにあたって子どもたちに考えさせたかったことは,自分が選んだ地域の特色に触れながら,計画を調整する,ということです。
 事前にそれぞれが行きたい地域について調べ学習を行い,見識を広げていました。コロナ禍において今までのように旅行に行ける状況ではないこんな時だからこそ,全国の魅力ある特色に触れ,また自由に旅行が行けるようになったときのために計画を立てることで,閉鎖的な気分になりがちな休校期間を少しでも楽しいものにしていくことができれば非常にうれしいなと思いました。
 今回の授業映像を見た後,ロイロノートで自分たちが作った旅行計画を提出し,分散登校時にみんなで発表し合いました。好きな食べ物を中心に作った旅行計画や,自分のしたいことを中心に作った旅行計画など,それぞれの趣味・嗜好にあった旅行計画の発表に,教師だけでなく,子どもたち同士でも質問をしあいながら,楽しく共有できました。
 一つの授業映像ですべてのことを伝えきることは難しいかもしれませんが,一つの授業映像をきっかけに課題を決めて学習に取り組んだり,自分自身で問題を見つけたりしていくことはできるのではないかと思います。

小学校 第5学年 理科 「発芽」

授業動画(4分42秒)
動画作成者のコメント
 今回,動画を作成するにあたって配慮したことは,「教科書に掲載されている内容をまとめて配信するのではなく,子どもの学びにできるだけ寄り添えるような動画づくり」でした。そのために,動画の中に何人かのキャラクターを登場させ,会話や対話を展開する中で,動画を視聴している子ども自身が予想を立てたり,実験方法を考えたりできるようにしました。
 本動画で扱った単元は,5年生理科「発芽の条件」です。動画を配信する前に,何種類かの種子を郵送しており,本動画を視聴することで,子ども自身が実際に実験に取り組むことができるようにしました。また,種子の発芽に影響すると考えられる要因について,一人ひとりが自由に考えられるように心がけて作成しました。

小学校 第6学年 国語 「漢字の音と訓」

授業動画(4分28秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介するコンテンツは6年生国語「漢字の形と音の意味」の授業です。教科書とノート,もしくはワークシートを使いながら5分程度のコンテンツを必要に応じて一時停止しながら学習を進めるよう設計しています。
 教師が一方的に説明をして,学習を進めるのではなく,児童に問いかけるような口調で話したり,解答を考えたりすることができるように工夫をしました。また,教科書を使用した学習のため,コンテンツ内ではデジタル教科書を使用し,視覚的にもわかりやすくなるようにしています。
 学習の最後には,この授業をいかして,自主的に学習に進めることができるようにワークシートを提示し,コンテンツを踏まえた発展学習に取り組めるようにしています。

小学校 第6学年 算数 「対称な図形」

授業動画(8分52秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介するコンテンツは6年生算数「対称な図形(点対称)」の授業です。教科書とノートを使いながら5分程度のコンテンツを必要に応じて一時停止しながら学習を進めるよう設計しています。
 アルファベットを回転させたスライドを作成し,視覚的に点対称な図形に気づきやすくなるような工夫をしています。また,点対称に関する基礎知識として身に付けるべき事項の解説をするととともに,それを自分でも学べるように教科書の問題に取り組むような展開にしています。
 学習の最後には,コンテンツを踏まえた発展学習に取り組めるように課題も提示しています。
 紙面上では理解しにくい図形の学習を,動いている図形を見せることで視覚的にも理解しやすくなるような工夫をしたコンテンツです。

小学校 第4学年 国語 「ていねいに書く」

授業動画(8分19秒)
動画作成者のコメント
 この動画は,字を丁寧に書くときのポイントを学習するための動画です。そのポイントは
①しせい,②とめ・はね・はらい,③十字リーダー を意識することです。
 本来であれば,学年や学級の始まりの時期に合わせて実施したい授業内容です。今年は,緊急事態宣言下児童が登校しておらず,学習を進められない時期がありましたが,各学習動画を配信し学習をスタートさせるタイミングで,本動画をアップしました。
 まだ,直接顔を合わせていない時期の動画配信でしたので,児童が授業を楽しみにできるように,担任団が児童役と教師役となって会話を多くした授業の形式をとりました。動画配信後に感じた利点としては,何度も見返すことができるということです。本動画の内容は,一度きりの授業ではなく,機会を見て何度も伝えることで効果の上がるものですので,教室や家庭で必要を感じた時に見返せることはとても大きな利点です。

小学校 第4学年 算数 「180°」

授業動画(10分2秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介する授業映像は,4年生算数「角とその大きさ~180°より大きい角のはかり方~」の学習についてです。映像を作るにあたって気をつけたことは,“得意な児童も苦手な児童もこの映像を通して意欲的に学習が取り組める”ということです。児童の反応がない分,どうすれば,意欲的かつどの児童でも取り組めるかを一番に考えました。
 苦手な児童への対策として,基本的なことを教科書会社がアップしている動画を使って確認できるようにしました。そのことで児童も自分の教科書に書き込みながら学習することができるようになっています。
 問題では,時計の短針を扱いました。決められた時間から,指定された角度分進むといったい何時になるのかを求めていきます。身近にある時計は,児童がノートに書くことが容易で,既習したことを使って答えを求めることができます。時計に隠されたきまりを見つけることで,分度器を使わなくても,一定の角度ならば求めることができるようにもなっています。

小学校 第4学年 理科 「季節と生物(春)」

授業動画(1分53秒)
動画作成者のコメント
 春の生物について気温の変化と関連付けながら問題解決を行っていく単元です。
 動画視聴後の子供の具体的な活動としては,次の3点です。
① NHK for Schoolを視聴し,3学期の頃の生物の様子と比べる。
② ①で気付いたことをノートアプリ(ロイロノート)で提出する。
③ 四季の中で最も好きな季節とその理由をノートアプリで提出する。
 学校で観察ができない中,春の様子がよくわかる動画を選び,3学期の様子と比べてもらいました。自分でも調べてみたいと思った子供が多く,家の周りや公園で見つけた生物の観察の様子も付け加えてノートアプリで提出してくれました。
 ここで提出してくれた子供の気づきをまとめ,問いをつくり,再度動画をアップしました。
 ③の最も好きな季節を答える課題は,子供とのつながりが希薄な状況の中,少しでも一人ひとりとコミュニケーションをとりたいという想いから設定しました。

小学校 第5学年 社会 「旅行計画を立てよう」

授業動画(5分22秒)
動画作成者のコメント
 今回の授業映像を作成するにあたって子どもたちに考えさせたかったことは,自分が選んだ地域の特色に触れながら,計画を調整する,ということです。
 事前にそれぞれが行きたい地域について調べ学習を行い,見識を広げていました。コロナ禍において今までのように旅行に行ける状況ではないこんな時だからこそ,全国の魅力ある特色に触れ,また自由に旅行が行けるようになったときのために計画を立てることで,閉鎖的な気分になりがちな休校期間を少しでも楽しいものにしていくことができれば非常にうれしいなと思いました。
 今回の授業映像を見た後,ロイロノートで自分たちが作った旅行計画を提出し,分散登校時にみんなで発表し合いました。好きな食べ物を中心に作った旅行計画や,自分のしたいことを中心に作った旅行計画など,それぞれの趣味・嗜好にあった旅行計画の発表に,教師だけでなく,子どもたち同士でも質問をしあいながら,楽しく共有できました。
 一つの授業映像ですべてのことを伝えきることは難しいかもしれませんが,一つの授業映像をきっかけに課題を決めて学習に取り組んだり,自分自身で問題を見つけたりしていくことはできるのではないかと思います。

小学校 第5学年 理科 「発芽」

授業動画(4分42秒)
動画作成者のコメント
 今回,動画を作成するにあたって配慮したことは,「教科書に掲載されている内容をまとめて配信するのではなく,子どもの学びにできるだけ寄り添えるような動画づくり」でした。そのために,動画の中に何人かのキャラクターを登場させ,会話や対話を展開する中で,動画を視聴している子ども自身が予想を立てたり,実験方法を考えたりできるようにしました。
 本動画で扱った単元は,5年生理科「発芽の条件」です。動画を配信する前に,何種類かの種子を郵送しており,本動画を視聴することで,子ども自身が実際に実験に取り組むことができるようにしました。また,種子の発芽に影響すると考えられる要因について,一人ひとりが自由に考えられるように心がけて作成しました。

小学校 第6学年 国語 「漢字の音と訓」

授業動画(4分28秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介するコンテンツは6年生国語「漢字の形と音の意味」の授業です。教科書とノート,もしくはワークシートを使いながら5分程度のコンテンツを必要に応じて一時停止しながら学習を進めるよう設計しています。
 教師が一方的に説明をして,学習を進めるのではなく,児童に問いかけるような口調で話したり,解答を考えたりすることができるように工夫をしました。また,教科書を使用した学習のため,コンテンツ内ではデジタル教科書を使用し,視覚的にもわかりやすくなるようにしています。
 学習の最後には,この授業をいかして,自主的に学習に進めることができるようにワークシートを提示し,コンテンツを踏まえた発展学習に取り組めるようにしています。

小学校 第6学年 算数 「対称な図形」

授業動画(8分52秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介するコンテンツは6年生算数「対称な図形(点対称)」の授業です。教科書とノートを使いながら5分程度のコンテンツを必要に応じて一時停止しながら学習を進めるよう設計しています。
 アルファベットを回転させたスライドを作成し,視覚的に点対称な図形に気づきやすくなるような工夫をしています。また,点対称に関する基礎知識として身に付けるべき事項の解説をするととともに,それを自分でも学べるように教科書の問題に取り組むような展開にしています。
 学習の最後には,コンテンツを踏まえた発展学習に取り組めるように課題も提示しています。
 紙面上では理解しにくい図形の学習を,動いている図形を見せることで視覚的にも理解しやすくなるような工夫をしたコンテンツです。

中学校

中学校 第1学年 理科 「観察の視点」

授業動画(9分30秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介するコンテンツは,1年理科の第1回目の学習を進めるためのものです。教科書とワークシートを併用して10分程度のコンテンツを必要に応じて一時停止するなどしながら学習を進めるように設計しています。理科の学習を通して培う「見方・考え方」の一部を紹介しながら,「観察する」ことの本質を考えさせるのがねらいです。
 通常,授業では教材を中心に据え,生徒と教師が対話を進めながら授業を作り上げていきます。生徒に対し,学びのサポートをオンラインで実施する場合には,対象となる生徒と人間関係の有無が大きく影響すると考えられます。我々が『コロナ禍』の状況下で,直接話をしたこともない生徒に対してどのような形でコンテンツを提供すれば良いのかが大きな課題となりました。
 中学校での学びを開始できないでいる中学1年生を対象としたコンテンツであることを踏まえ,「授業開き」を想定した丁寧な「語り口」となるよう心がけました。
 学校が再開されたときのことを思い浮かべ,「はやく,学校で理科の授業を受けてみたいな」と,学びに対する構えを喚起できればと考え,発信しました。

中学校 第1学年 音楽 「篠笛」

授業動画(4分36秒)
動画作成者のコメント
○本校では、授業で篠笛に取り組んでいます。ほとんどの生徒たちは、中学入学時に初めて篠笛を手にします。篠笛は音を出すこと自体が難しいので、今回の休校期間中、個人で試行錯誤して練習することを課題とするのが適していると考えました。
○本時の目標
篠笛「各部の名称、持ち方、音の出し方、楽譜の読み方を理解しよう」
○オンライン動画のメリット
・学校再開後に懸念される器楽の学習機会を、家庭学習として設けることができる。
・各家庭の予定に合わせて動画再生ができる。
・何度も再生、一時停止ができるので、個々のレベルに応じて練習することができる。
・五感を働かせて、練習することができる。
・楽譜と合わせて視聴することで、音楽の諸要素(音色、リズム、音の高低、速度)を捉えることができる。
○オンライン動画のデメリット
・ネット環境が整っていない場合、音を聴くことができないので、見本となるものがなく、生徒が不安なままで練習を進めることになってしまう。
・練習の進度が見えないので、その時に応じたアドバイスができない。
○結果
・学校再開後、授業の前に、生徒同士で篠笛の音が出たかという話題で盛り上がったり、こんなにも吹けるよ!と、教員に実演してくれたりする生徒もいました。中には、まだ音が綺麗に出ない生徒もいますが、吹ける生徒の様子を見て、吹き方を教えてもらっている生徒もいます。また、授業で音の出し方のコツを説明した時には、例年より、興味関心を持って受けている生徒が多くなり、一定の成果が見てとれました。
○使用教科書 渡邊 亜紀人(1998)『やさしい篠笛入門』トヤマ出版

中学校 第1学年 数学 「『-』のついた数ってなんだろう?」

授業動画(9分34秒)
動画作成者のコメント
【対象生徒と授業者について】
・対象生徒は,新入生である。授業者と対象生徒は,1度も対面したことがない状態である。
【授業内容】
 「正の数・負の数」(1時間目)の内容であり,教科書の扉絵の部分を題材とした導入の授業である。扉絵には,身の回りにある負の数に関する事柄が写真で紹介されている。真ん中には,天気予報の画面が映し出され「今日の気温」と「前日比」の情報から,前日の気温を導く問いが準備されている。
 この天気に関する問題を扱う際,「前日比」という言葉に馴染みが薄く,生徒が混乱する姿をしばしば見かける。前日比が表していることは,前日と比較した今日の数値であることに意識を向けることが重要である。
【動画を作成するにあたり留意したこと】
・データ通信量の浪費を避けるため、1講座の動画時間は10分程度に留め、エッセンシャルな内容を目指した。
・授業の原稿を準備し、パワーポイント を動かしながら読み上げた。また、読み上げた原稿は、資料として生徒に送付し、動画を視聴できない場合の支援とした。
・初対面であることから,生徒が安心できるような声のトーンを意識した。
【数学の授業を動画で行ったときの工夫】
・ネットを媒介としているため,写真や画像の使用については細心の注意を払った。そのため,生徒と共有できる教材として教科書を活用した。
・中盤で0の意味に触れ0の扱いを統一したことにより,後半の問題では「基準」という意識を持って取り組めた。

中学校 第2学年 国語 「平家物語」

授業動画(7分58秒)
動画作成者のコメント
動画コンテンツについての解説
 教科:国語
 対象:中学2年生
 教材:『平家物語』冒頭部および「敦盛の最期」
◆解説文
 この動画は、生徒に配付した課題への説明を目的としたものであり、以下の内容で構成されている。
①前回配付した課題について考える際のヒントと補足説明
②今回の課題についての説明
③次回の課題(授業)に向けての準備項目
 生徒には、課題のワークシートとともに、この動画のハンドアウトを配付した。基本的にはワークシートとハンドアウトを見れば、各自で課題に取り組めるようになっているが、その補足説明を音声でおこなうことにより、家庭学習の助けとした。
 生徒への課題は、普段も授業で実施しているものであり、取り組む時間を家庭で確保することにより、授業開始後の学習活動が円滑にすすめられるよう考えた。
 古典という教材の性格上、通常の授業で詳しく説明することが必要であり、今回および前回での課題については、授業開始時ワークシートをもとに、改めて確認・説明した。また、古典は音読が重要な学習事項である。普段の授業では教師の範読とともに生徒に音読させているが、コロナウィルスへの対策は授業開始後も必要であり、「授業中に生徒全員が音読する」という活動の実施は難しいと考えた。よって、音読活動を家庭で取り組ませることで、『平家物語』の文章の特徴やリズムを掴んでもらい、それらを確認・整理したうえで授業に臨んでもらいたいと考えた。特に冒頭部は、七五調のリズムや和漢混淆文がよく分かるため、前回はそれらを整理する課題を与えている。
◆授業関連資料
前回の課題は以下の通りである。
 ①『平家物語』の文学史的説明
 ②冒頭部をノートに写す。→授業開始時にノートをとるための準備として。
 ③冒頭部を音読し、その特徴をまとめる。
 配付したワークシートは、課題①と③に取り組むものとなっており、授業開始時に復習の時間をとり、授業後に回収・評価した。

中学校 第2学年 数学 「式の計算 誕生日を当てられる?」

授業動画(9分42秒)
動画作成者のコメント
 この動画の内容は、教科書(学校図書)2年の1章 式の計算の導入です。
 この授業では、誕生月・誕生日当てクイズを題材として、文字式の有用性を感得させるねらいがあります。
 この動画において、誕生日をなぜ当てることができたのか、実際に値を当てはめて計算し、推測し、文字を用いた式を使って一般的に表現することで、文字を使うことのよさを認識する授業の流れをつくりました。また、既習内容の、文字が1つの式の計算が、2学年では幾つかの文字をふくむ式の計算ができるようになること、文字を用いた式を具体的な場面で活用することなどを系統立てて学習していく見通しを示しました。
 数学の授業では、「じっくりと自分で考える時間」を大切にしたいと考えています。
 オンライン授業の最大のメリットは、自分のペースで学習を進められることだと思います。また、何度も繰り返し視聴することができ、わからなかったことを確認したのち、考え直すことができます。
 しかし、オンライン授業の学習に課題を感じる部分も多くありました。思考の過程や、考えが深まる様子が指導者側から見とることができず、理解度や定着度がわからない。一方通行の動画配信では、思考を言語化できても共有することができないため、表現力を高めることが難しい。生徒にとってもその場での質問ができず、対面授業になってからのフォローが必要となりました。
 改めて、オンライン授業と並行して対面授業の必要性を実感しました。

中学校 第2学年 家庭科 「食事のしかた」

授業動画(5分59秒)
動画作成者のコメント
 今回の映像授業を作成するにあたって重視したことは、「教科書に書いてあることを映すだけのものにならないように、いかに生徒自身が考えるものにできるかどうか。」ということです。そのために、イラストや資料などを用いて、現状や実際におこる事実を示し、それを元にして、なぜそうなるのかを生徒自身が考える時間を作りました。その後、そうなる理由や背景を説明し、ワークシートにまとめる形をとっています。
 家庭科としては、できるだけコンパクトに1回の授業を収めることを考え、1回の動画を5~6分程度にしましたが、その中では扱えない補足の内容や、さらに深く掘り下げて考えるところは、学校再開後に行った授業の中で、説明を加えて行いました。また、教員自身の主観や主張が入らないよう、現状や事実から明らかにわかること、その、明らかにわかることから導き出せるもので構成することに気を付けています。
 映像授業ではありますが、質問を投げかけるなど、できる限り生徒に話しかける形を取り、淡々と一方的に話を進めることがないようにすることにも気を配りました。
 教科書にある資料のみで内容を形成したことで、様々な視点から物事を考え、捉えるという部分は難しい一面がありました。

中学校 第2学年 社会(歴史分野)「南北朝の内乱と新たな幕府」

授業動画(14分19秒)
動画作成者のコメント
オンライン授業動画の考え方 「1時間(1コマ)で10分」
 オンラインという限られた条件の中では、普段の授業をそのまま動画にしても、過剰な時間的負担を生徒や家庭に強いることになる。余分なものを極力除き、一方で“過不足ない”学習内容を構成するバランスが大切となる。動画視聴での集中力の持続性や、家庭でのWi-Fi環境の有無等を考慮して、1時間の授業に対して10分程度の動画の配信が適切であると考えた。
授業構成要素の精選
 10分の音声付きのPowerPoint動画を作成し、youtubeの本校のチャンネルに登録した。通常の授業を凝縮する必要性から、社会科では普段の1時間の授業がどのように構成されているか整理し、ここから授業動画の流れをまとめた。
○本時の学習課題への導入と目標の提示
○教師の肉声による説明、解説(図表、画像の使用)
○生徒の活動(教科書など資料を使用したワーク、思考・判断・表現を発問)
○本時の学習成果の確認・振り返り
統一フォーマットの作成 「動画リンクとワークシートのセット」
 各家庭での端末使用可能時間を考慮して、視聴時間を限定しないオンデマンド型とした。1時間あたりのワークシートや資料をまとめて生徒に郵送し、各ワークシートには動画を登録したURLのQRコードを印字しておく。動画を視聴できない生徒もいるので、ハンドアウト(PowerPointのページ集)も添付した。ワークシートは後日提出させて評価を行った。
成果と課題
 2学期初めに実施した全生徒対象のアンケートでは、ほぼ全員の生徒が動画を視聴し、6割の生徒が「わかりやすかった。動画で学習した後の通常授業にスムーズに入ることができた」と答えた。一方でWi-Fiなど環境が整っている家庭では「時間指定をしたリアルタイムの授業(Zoomなどを使用)」についてのニーズも高く、家庭の状況がオンライン授業に大きな影響を及ぼすこともわかり、バランスについてはまだまだ検討の余地がある。

中学校 第3学年 社会(歴史分野) 「第一次世界大戦後の欧米諸国」

授業動画(20分28秒)
動画作成者のコメント
 動画を作成するポイントを3つ以下に挙げます。
 まず、第1に「動画で扱う教材を、できるだけ動画専用の特別なものにしないこと」です。普段の授業で用いるワークシートに沿って、いつも授業で作成しているスライドに解説を付けて、動画に書き出しました。休業中においてはワークシートを郵送し、解説動画のリンク(YouTubeのリンク)をQ Rコード化して、ワークシートに印刷しておきました。(Q Rコードを読み込む端末を持たない生徒のために、リンクのアドレスも印刷しました。)
 次に、「コロナ禍であろうとなかろうと、学習の助けになる。」ということを意識しました。休業が終わってからも、このような動画を作成し、Googleのclassroomにリンクをアップすることを続けています。スライドは常に授業で使用してきたので、コロナ禍だからやっている+αの特別な準備ではありません。
 最後に「学習の成果物を評価する仕組みを設けること」を意識しました。単元ごとに1枚のポートフォリオを準備し、ワークシート1枚につき、1つの問いに取り組ませています。
 問いの評価基準を動画で示した上で、問いへの取り組みを実施しています。また、評価したものの中から、よい記述をベストアンサーとしてclassroomの中で取り上げ、学年全体で共有しています。評価したものの一部を全体共有することが非常に簡単になりました。
 以上3点が、私が動画を作成する上で留意しているポイントです。

中学校 第3学年 英語 「現在完了形の疑問文、否定文」

授業動画(9分10秒)
動画作成者のコメント
 休校期間の動画学習を作るにあたり、特に工夫した点は以下の4点である。
① 英語と日本語を動画の中でどのくらいのバランスで使用するかという点である。普段の授業で伝えにくい部分は、ジェスチャー等を使って説明できるが、一方向で配信する動画においてはそれが不可能である。それを補うために平易な表現を使うように心がけたとともに、学習用ワークシートに英語のスクリプトも作成し添付した。これは結果的に、デジタルデバイスを介することなく、子どもたちが学習内容を振り返れることとなった。
② 文法事項を簡潔にわかりやすく伝えるように心がけた。動画から流れる情報量を精選し、子どもたちが学習事項をシンプルな形で習得できるように工夫した。
③ 休校期間の長期化を見越し、学びの記録をノートに記録できるように工夫した。それぞれのページに通し番号をつけ、ワークシートにもそのページに合わせた番号をつけるようにした。子どもたちは、自分のノートの通し番号に対応させて、学習したワークシートを貼ることで、ノート整理ができるようになった。また、指定したページに表現活動をするような課題を出すこともできた。授業が再開した今でもこのスタイルが続いている。このノートで、休校期間に学んだことを振り返ることができ、形に残すことの重要性を感じた。
④ 休校期間中の子どもたちの不安を払拭するために、私(指導者)自身や家族の情報を織り交ぜ、少しでも学校を身近に感じてもらえればと思って動画を作成した。当時、私のことを知らない1年生の動画には、私の似顔絵や自己紹介を載せたが、半年以上経っても、その動画の内容について子どもたちと話をすることもあり、子どもたちにとってはとても印象深かった様子であった。

中学校 第3学年 数学 「相似な図形」

授業動画(7分54秒)
動画作成者のコメント
【対象生徒と授業者について】
・授業者は、対象生徒の学年を受け持ったことがなく、始めての授業がオンラインであった。
【授業内容】
 「相似な図形」(2時間目)の内容である。
 導入(1時間目)において、ターレスのピラミッドの測量を具体例として扱い、相似比を活用するためには、2つの図形が確かに相似関係であるということが証明されることが重要であることを確認し単元に入った。その後、相似の定義と性質について学習した。
 本時(2時間目)では、相似な図形の性質「相似な図形では、対応する線分の長さの比はすべて等しい」を利用して、相似比を求めること、また図形の対応する辺の長さを求める学習を行う。
【動画を作成するにあたり留意したこと】
・データ通信量の浪費を避けるため、1講座の動画時間は10分程度に留め、エッセンシャルな内容を目指した。
・授業の原稿を準備し、パワーポイント を動かしながら読み上げた。また、読み上げた原稿は、資料として生徒に送付し、動画を視聴できない場合の支援とした。
【数学の授業を動画で行ったときの工夫】
・複雑な計算の処理について学習する場面では、解説がくどくなる傾向があった。生徒の躓きを想定し、必要以上の解説は省くこととした。
・図形を用いた学習場面では、対面の授業であれば黒板に示された図形に指差しをしながら、指示語を用いて説明することが多い。しかし、動画において「これ」や「それ」と言っても伝わりにくく、仮に「辺ABに対応する辺は辺CDである。」のように文字を利用して説明しても、図形のどこの話をしているのか、瞬間には分からない。そのため、色を付けることで「○色の辺」などの言葉に置き換えることとした。

中学校 第1学年 理科 「観察の視点」

授業動画(9分30秒)
動画作成者のコメント
 今回紹介するコンテンツは,1年理科の第1回目の学習を進めるためのものです。教科書とワークシートを併用して10分程度のコンテンツを必要に応じて一時停止するなどしながら学習を進めるように設計しています。理科の学習を通して培う「見方・考え方」の一部を紹介しながら,「観察する」ことの本質を考えさせるのがねらいです。
 通常,授業では教材を中心に据え,生徒と教師が対話を進めながら授業を作り上げていきます。生徒に対し,学びのサポートをオンラインで実施する場合には,対象となる生徒と人間関係の有無が大きく影響すると考えられます。我々が『コロナ禍』の状況下で,直接話をしたこともない生徒に対してどのような形でコンテンツを提供すれば良いのかが大きな課題となりました。
 中学校での学びを開始できないでいる中学1年生を対象としたコンテンツであることを踏まえ,「授業開き」を想定した丁寧な「語り口」となるよう心がけました。
 学校が再開されたときのことを思い浮かべ,「はやく,学校で理科の授業を受けてみたいな」と,学びに対する構えを喚起できればと考え,発信しました。

中学校 第1学年 音楽 「篠笛」

授業動画(4分36秒)
動画作成者のコメント
○本校では、授業で篠笛に取り組んでいます。ほとんどの生徒たちは、中学入学時に初めて篠笛を手にします。篠笛は音を出すこと自体が難しいので、今回の休校期間中、個人で試行錯誤して練習することを課題とするのが適していると考えました。
○本時の目標
篠笛「各部の名称、持ち方、音の出し方、楽譜の読み方を理解しよう」
○オンライン動画のメリット
・学校再開後に懸念される器楽の学習機会を、家庭学習として設けることができる。
・各家庭の予定に合わせて動画再生ができる。
・何度も再生、一時停止ができるので、個々のレベルに応じて練習することができる。
・五感を働かせて、練習することができる。
・楽譜と合わせて視聴することで、音楽の諸要素(音色、リズム、音の高低、速度)を捉えることができる。
○オンライン動画のデメリット
・ネット環境が整っていない場合、音を聴くことができないので、見本となるものがなく、生徒が不安なままで練習を進めることになってしまう。
・練習の進度が見えないので、その時に応じたアドバイスができない。
○結果
・学校再開後、授業の前に、生徒同士で篠笛の音が出たかという話題で盛り上がったり、こんなにも吹けるよ!と、教員に実演してくれたりする生徒もいました。中には、まだ音が綺麗に出ない生徒もいますが、吹ける生徒の様子を見て、吹き方を教えてもらっている生徒もいます。また、授業で音の出し方のコツを説明した時には、例年より、興味関心を持って受けている生徒が多くなり、一定の成果が見てとれました。
○使用教科書 渡邊 亜紀人(1998)『やさしい篠笛入門』トヤマ出版

中学校 第1学年 数学 「『-』のついた数ってなんだろう?」

授業動画(9分34秒)
動画作成者のコメント
【対象生徒と授業者について】
・対象生徒は,新入生である。授業者と対象生徒は,1度も対面したことがない状態である。
【授業内容】
 「正の数・負の数」(1時間目)の内容であり,教科書の扉絵の部分を題材とした導入の授業である。扉絵には,身の回りにある負の数に関する事柄が写真で紹介されている。真ん中には,天気予報の画面が映し出され「今日の気温」と「前日比」の情報から,前日の気温を導く問いが準備されている。
 この天気に関する問題を扱う際,「前日比」という言葉に馴染みが薄く,生徒が混乱する姿をしばしば見かける。前日比が表していることは,前日と比較した今日の数値であることに意識を向けることが重要である。
【動画を作成するにあたり留意したこと】
・データ通信量の浪費を避けるため、1講座の動画時間は10分程度に留め、エッセンシャルな内容を目指した。
・授業の原稿を準備し、パワーポイント を動かしながら読み上げた。また、読み上げた原稿は、資料として生徒に送付し、動画を視聴できない場合の支援とした。
・初対面であることから,生徒が安心できるような声のトーンを意識した。
【数学の授業を動画で行ったときの工夫】
・ネットを媒介としているため,写真や画像の使用については細心の注意を払った。そのため,生徒と共有できる教材として教科書を活用した。
・中盤で0の意味に触れ0の扱いを統一したことにより,後半の問題では「基準」という意識を持って取り組めた。

中学校 第2学年 国語 「平家物語」

授業動画(7分58秒)
動画作成者のコメント
動画コンテンツについての解説
 教科:国語
 対象:中学2年生
 教材:『平家物語』冒頭部および「敦盛の最期」
◆解説文
 この動画は、生徒に配付した課題への説明を目的としたものであり、以下の内容で構成されている。
①前回配付した課題について考える際のヒントと補足説明
②今回の課題についての説明
③次回の課題(授業)に向けての準備項目
 生徒には、課題のワークシートとともに、この動画のハンドアウトを配付した。基本的にはワークシートとハンドアウトを見れば、各自で課題に取り組めるようになっているが、その補足説明を音声でおこなうことにより、家庭学習の助けとした。
 生徒への課題は、普段も授業で実施しているものであり、取り組む時間を家庭で確保することにより、授業開始後の学習活動が円滑にすすめられるよう考えた。
 古典という教材の性格上、通常の授業で詳しく説明することが必要であり、今回および前回での課題については、授業開始時ワークシートをもとに、改めて確認・説明した。また、古典は音読が重要な学習事項である。普段の授業では教師の範読とともに生徒に音読させているが、コロナウィルスへの対策は授業開始後も必要であり、「授業中に生徒全員が音読する」という活動の実施は難しいと考えた。よって、音読活動を家庭で取り組ませることで、『平家物語』の文章の特徴やリズムを掴んでもらい、それらを確認・整理したうえで授業に臨んでもらいたいと考えた。特に冒頭部は、七五調のリズムや和漢混淆文がよく分かるため、前回はそれらを整理する課題を与えている。
◆授業関連資料
前回の課題は以下の通りである。
 ①『平家物語』の文学史的説明
 ②冒頭部をノートに写す。→授業開始時にノートをとるための準備として。
 ③冒頭部を音読し、その特徴をまとめる。
 配付したワークシートは、課題①と③に取り組むものとなっており、授業開始時に復習の時間をとり、授業後に回収・評価した。

中学校 第2学年 数学 「式の計算 誕生日を当てられる?」

授業動画(9分42秒)
動画作成者のコメント
 この動画の内容は、教科書(学校図書)2年の1章 式の計算の導入です。
 この授業では、誕生月・誕生日当てクイズを題材として、文字式の有用性を感得させるねらいがあります。
 この動画において、誕生日をなぜ当てることができたのか、実際に値を当てはめて計算し、推測し、文字を用いた式を使って一般的に表現することで、文字を使うことのよさを認識する授業の流れをつくりました。また、既習内容の、文字が1つの式の計算が、2学年では幾つかの文字をふくむ式の計算ができるようになること、文字を用いた式を具体的な場面で活用することなどを系統立てて学習していく見通しを示しました。
 数学の授業では、「じっくりと自分で考える時間」を大切にしたいと考えています。
 オンライン授業の最大のメリットは、自分のペースで学習を進められることだと思います。また、何度も繰り返し視聴することができ、わからなかったことを確認したのち、考え直すことができます。
 しかし、オンライン授業の学習に課題を感じる部分も多くありました。思考の過程や、考えが深まる様子が指導者側から見とることができず、理解度や定着度がわからない。一方通行の動画配信では、思考を言語化できても共有することができないため、表現力を高めることが難しい。生徒にとってもその場での質問ができず、対面授業になってからのフォローが必要となりました。
 改めて、オンライン授業と並行して対面授業の必要性を実感しました。

中学校 第2学年 家庭科 「食事のしかた」

授業動画(5分59秒)
動画作成者のコメント
 今回の映像授業を作成するにあたって重視したことは、「教科書に書いてあることを映すだけのものにならないように、いかに生徒自身が考えるものにできるかどうか。」ということです。そのために、イラストや資料などを用いて、現状や実際におこる事実を示し、それを元にして、なぜそうなるのかを生徒自身が考える時間を作りました。その後、そうなる理由や背景を説明し、ワークシートにまとめる形をとっています。
 家庭科としては、できるだけコンパクトに1回の授業を収めることを考え、1回の動画を5~6分程度にしましたが、その中では扱えない補足の内容や、さらに深く掘り下げて考えるところは、学校再開後に行った授業の中で、説明を加えて行いました。また、教員自身の主観や主張が入らないよう、現状や事実から明らかにわかること、その、明らかにわかることから導き出せるもので構成することに気を付けています。
 映像授業ではありますが、質問を投げかけるなど、できる限り生徒に話しかける形を取り、淡々と一方的に話を進めることがないようにすることにも気を配りました。
 教科書にある資料のみで内容を形成したことで、様々な視点から物事を考え、捉えるという部分は難しい一面がありました。

中学校 第2学年 社会(歴史分野)「南北朝の内乱と新たな幕府」

授業動画(14分19秒)
動画作成者のコメント
オンライン授業動画の考え方 「1時間(1コマ)で10分」
 オンラインという限られた条件の中では、普段の授業をそのまま動画にしても、過剰な時間的負担を生徒や家庭に強いることになる。余分なものを極力除き、一方で“過不足ない”学習内容を構成するバランスが大切となる。動画視聴での集中力の持続性や、家庭でのWi-Fi環境の有無等を考慮して、1時間の授業に対して10分程度の動画の配信が適切であると考えた。
授業構成要素の精選
 10分の音声付きのPowerPoint動画を作成し、youtubeの本校のチャンネルに登録した。通常の授業を凝縮する必要性から、社会科では普段の1時間の授業がどのように構成されているか整理し、ここから授業動画の流れをまとめた。
○本時の学習課題への導入と目標の提示
○教師の肉声による説明、解説(図表、画像の使用)
○生徒の活動(教科書など資料を使用したワーク、思考・判断・表現を発問)
○本時の学習成果の確認・振り返り
統一フォーマットの作成 「動画リンクとワークシートのセット」
 各家庭での端末使用可能時間を考慮して、視聴時間を限定しないオンデマンド型とした。1時間あたりのワークシートや資料をまとめて生徒に郵送し、各ワークシートには動画を登録したURLのQRコードを印字しておく。動画を視聴できない生徒もいるので、ハンドアウト(PowerPointのページ集)も添付した。ワークシートは後日提出させて評価を行った。
成果と課題
 2学期初めに実施した全生徒対象のアンケートでは、ほぼ全員の生徒が動画を視聴し、6割の生徒が「わかりやすかった。動画で学習した後の通常授業にスムーズに入ることができた」と答えた。一方でWi-Fiなど環境が整っている家庭では「時間指定をしたリアルタイムの授業(Zoomなどを使用)」についてのニーズも高く、家庭の状況がオンライン授業に大きな影響を及ぼすこともわかり、バランスについてはまだまだ検討の余地がある。

中学校 第3学年 社会(歴史分野) 「第一次世界大戦後の欧米諸国」

授業動画(20分28秒)
動画作成者のコメント
 動画を作成するポイントを3つ以下に挙げます。
 まず、第1に「動画で扱う教材を、できるだけ動画専用の特別なものにしないこと」です。普段の授業で用いるワークシートに沿って、いつも授業で作成しているスライドに解説を付けて、動画に書き出しました。休業中においてはワークシートを郵送し、解説動画のリンク(YouTubeのリンク)をQ Rコード化して、ワークシートに印刷しておきました。(Q Rコードを読み込む端末を持たない生徒のために、リンクのアドレスも印刷しました。)
 次に、「コロナ禍であろうとなかろうと、学習の助けになる。」ということを意識しました。休業が終わってからも、このような動画を作成し、Googleのclassroomにリンクをアップすることを続けています。スライドは常に授業で使用してきたので、コロナ禍だからやっている+αの特別な準備ではありません。
 最後に「学習の成果物を評価する仕組みを設けること」を意識しました。単元ごとに1枚のポートフォリオを準備し、ワークシート1枚につき、1つの問いに取り組ませています。
 問いの評価基準を動画で示した上で、問いへの取り組みを実施しています。また、評価したものの中から、よい記述をベストアンサーとしてclassroomの中で取り上げ、学年全体で共有しています。評価したものの一部を全体共有することが非常に簡単になりました。
 以上3点が、私が動画を作成する上で留意しているポイントです。

中学校 第3学年 英語 「現在完了形の疑問文、否定文」

授業動画(9分10秒)
動画作成者のコメント
 休校期間の動画学習を作るにあたり、特に工夫した点は以下の4点である。
① 英語と日本語を動画の中でどのくらいのバランスで使用するかという点である。普段の授業で伝えにくい部分は、ジェスチャー等を使って説明できるが、一方向で配信する動画においてはそれが不可能である。それを補うために平易な表現を使うように心がけたとともに、学習用ワークシートに英語のスクリプトも作成し添付した。これは結果的に、デジタルデバイスを介することなく、子どもたちが学習内容を振り返れることとなった。
② 文法事項を簡潔にわかりやすく伝えるように心がけた。動画から流れる情報量を精選し、子どもたちが学習事項をシンプルな形で習得できるように工夫した。
③ 休校期間の長期化を見越し、学びの記録をノートに記録できるように工夫した。それぞれのページに通し番号をつけ、ワークシートにもそのページに合わせた番号をつけるようにした。子どもたちは、自分のノートの通し番号に対応させて、学習したワークシートを貼ることで、ノート整理ができるようになった。また、指定したページに表現活動をするような課題を出すこともできた。授業が再開した今でもこのスタイルが続いている。このノートで、休校期間に学んだことを振り返ることができ、形に残すことの重要性を感じた。
④ 休校期間中の子どもたちの不安を払拭するために、私(指導者)自身や家族の情報を織り交ぜ、少しでも学校を身近に感じてもらえればと思って動画を作成した。当時、私のことを知らない1年生の動画には、私の似顔絵や自己紹介を載せたが、半年以上経っても、その動画の内容について子どもたちと話をすることもあり、子どもたちにとってはとても印象深かった様子であった。

中学校 第3学年 数学 「相似な図形」

授業動画(7分54秒)
動画作成者のコメント
【対象生徒と授業者について】
・授業者は、対象生徒の学年を受け持ったことがなく、始めての授業がオンラインであった。
【授業内容】
 「相似な図形」(2時間目)の内容である。
 導入(1時間目)において、ターレスのピラミッドの測量を具体例として扱い、相似比を活用するためには、2つの図形が確かに相似関係であるということが証明されることが重要であることを確認し単元に入った。その後、相似の定義と性質について学習した。
 本時(2時間目)では、相似な図形の性質「相似な図形では、対応する線分の長さの比はすべて等しい」を利用して、相似比を求めること、また図形の対応する辺の長さを求める学習を行う。
【動画を作成するにあたり留意したこと】
・データ通信量の浪費を避けるため、1講座の動画時間は10分程度に留め、エッセンシャルな内容を目指した。
・授業の原稿を準備し、パワーポイント を動かしながら読み上げた。また、読み上げた原稿は、資料として生徒に送付し、動画を視聴できない場合の支援とした。
【数学の授業を動画で行ったときの工夫】
・複雑な計算の処理について学習する場面では、解説がくどくなる傾向があった。生徒の躓きを想定し、必要以上の解説は省くこととした。
・図形を用いた学習場面では、対面の授業であれば黒板に示された図形に指差しをしながら、指示語を用いて説明することが多い。しかし、動画において「これ」や「それ」と言っても伝わりにくく、仮に「辺ABに対応する辺は辺CDである。」のように文字を利用して説明しても、図形のどこの話をしているのか、瞬間には分からない。そのため、色を付けることで「○色の辺」などの言葉に置き換えることとした。