エッセイ

小学校
2021/02/02
想いはきっと届く
 

学校とは不思議なところだ。先生が変わればすることが変わる。社会人一年目の頃、子ども達の事を考え、指導を楽しむ先生が居た。私はこれからどんな事が起きるのかわからなかったが、その先生の姿を見ているとワクワクしてきた。 

運動会が終わると、すぐさま陸上競技会の練習が始まった。6年生の子ども達は、朝練と放課後練があった。どちらも希望制なのだが、先生方の想いの強さが子ども達にも現れ、ほとんどの子ども達は参加をしていた。朝練は、6年生の先生方中心に地域の公園を一周走ると言う内容だ。放課後練は、全先生が各種目の指導に渡るというものであった。 

私は5年生の担任だったのだが、6年生の先生から声がかかり、朝練にも参加することになったのだが、6年生の先生方から「先頭を走ってほしい」と言われた。走ってみると、バスケットボールクラブの子どもたちがくらいついてくる。そして、すごい楽しそうに走っている。昔の自分を思い出してしまう。また、毎朝子ども達は「今日こそは先生に勝つ」と言っていた。正直、毎朝本気で走って何とか先頭を走れているって感じだった私は、負けられないと思いつつも子ども達の可能性にすごくワクワクしていた。だからこそ、本気で1ヶ月という期間を過ごした。 

陸上競技会当日のアップ時、毎日先頭を一緒に走っていたOさんとUさんが「先生、今まで練習ありがとうございました。頑張ってきます。」と言ってくれた。 

自分の想いが、形になって現れた瞬間だった。今もなお、会えば声をかけてくれる。本気で向き合って良かった。先生たちの想いは子ども達に届いている。