教育協働学科 グローバル教育専攻 多文化リテラシーコース
グローバル時代の教育を支える国際人
グローバル教育専攻では、英語、その他の言語によるコミュニケーション能力、人文社会学系学問に基盤を置く文化的リテラシー、教育に関わる学際的な関心に立脚する教育マインド、および、多様な他者と豊かに共生できる素養を身につけ、グローバル化が進展する社会において、学校や地域と協働して新たな教育領域と教育活動の創生ができる人材の育成をめざします。とりわけ、英語コミュニケーションコースでは、グローバルに通用する英語コミュニケーション能力と英米における自由な発想による創造性・論理性・積極性の養成を、多文化リテラシーコースでは、コミュニケーション能力とともに日本文化を基礎とする文化的リテラシーの養成を重視しています。
求める学生像
- 高度な英語のスキルと広い視野を身につけ,グローバル化する社会において、地域や学校での教育・学習を支援することを望む人
- 英語を活かした職業について世界にはばたくことを望む人
- 日本・アジアやヨーロッパの文化に深い関心を持ち、将来、国際社会やグローバル化する地域社会、学校などで種々の教育活動に取り組むことを望む人
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教育は学校内や家庭内だけにとどまるものではなく、子供たちは、自分たちの生活する地域の様々な場所や人々と関わりをもちながら成長していきます。このような生活空間としての地域を理解するには、そこで暮らす人々とその生活を理解することが必要です。多文化リテラシーコースでは、文学、歴史学、経済学、哲学、芸術学など多様な分野から総合的に、そして諸外国との比較を通じて、人と地域について学んでいきます。
学びのポイント 2
多様なコミュニケーションの方法を学びます。
日常的な生活空間もグローバル化の影響を受け、多文化に触れ合う機会がますます増えています。多文化リテラシーコースでは、アジア圏とヨーロッパ圏を視野に入れた学習をすすめ、言語、そして言語と不可分の関係にある文化について理解を深め、コミュニケーションの在り方を学びます。さらに文化であると同時に優れてコミュニケーションの方法でもある音楽や演劇も取り上げて、コミュニケーションについて多面的に学んでいきます。そして、このような学びは、特色ある国語教員の養成に活かされます。
多文化リテラシーコースのカリキュラムでは、日常的に留学生との積極的な交流をすすめ、相互に学び合っていきます。また地域ですすむグローバル化にも注目し、様々な地域団体と交流しながら協働について学んでいきます。これらの日常的な実践を通して、より深く具体的に多文化理解と地域をみる視点を養っていきます
募集人員
45人
学習領域
日本語・ドイツ語・フランス語・中国語、日本・中国の言語文化、ヨーロッパの言語・社会文化、経済学、民族音楽学(音楽人類学)、思想・美学、国語教育、日本語教育
取得できる免許・資格
○:中学校一種(国語)、高等学校教諭一種(国語)
資格:学校図書館司書教諭、社会教育主事、図書館司書
○:卒業要件以外の単位を併せて履修することによって取得できる教員免許状
(ただし、授業時間割上の制約によって希望する免許状が取得できるとは限りません)
4年間の学び
多文化リテラシーコースでは、個人の関心に合わせて経済、歴史、芸術といった多岐に亘る分野での学知を深め、学際的に考察しながら、日本・中国といったアジア、ドイツ・フランスといったヨーロッパの言語や文化について多面的に学ぶことで、グローバルな視点を獲得することができます。
1回生
人文学的視点から教育の基礎を学びます。
「教育基礎セミナー」などにより、人文学的な考え方の基礎を学び、教育につなげます。経済、歴史、文学・言語、芸術という4つの分野のグローバル文化論により、様々な学問分野から学際的に文化を考える基礎を得ます。また、「Basic European Language」、「中国文学入門」などで、ドイツ語、フランス語、中国文学の基礎を固めます。
主な授業
- ダイバーシティと人権
- ICT基礎 a・b
- 教育基礎セミナー
- 教育協働概論 I・II
- グローバル教育概論
- 多文化リテラシー入門
- 教育総論
2回生
多様な言語文化を学び、多面的に人間や社会を理解するリテラシ-を養います。
日本語、日本文学、中国の言語文化、経済、歴史、ヨーロッパの言語文化などに関する人文学諸分野の「研究」科目や「プロジェクト演習」科目での学びや議論を通して、文化理解、教育理解のための知識や研究手法を修得します。
主な授業
- メディア・リテラシー演習
- アクティブ・ラーニング入門
- 教育協働デザイン演習
- 多文化フィールドワーク
- グローバル社会入門
- 日本語教育概論A・B
- 学校安全
3回生
専門的な学びを深め、高度な人文学的リテラシ-を汎用的な力とする実践力を身に付けます。
日本語、日本文学、中国の言語文化、経済、歴史、ヨーロッパの言語文化などに関する「研究」科目や「プロジェクト演習」科目を通して、二回生までに得た学識をさらに深め、文化研究の技法を身に付けるとともに、様々な教育的課題や社会的課題に応用可能な汎用的実践力を修得します。
主な授業
- 教育コラボレーション演習
- 外国語実践演習
- 日本語学演習
- 国際教育比較プロジェクト A・B
4回生
学びの集大成として卒業研究に成果を結実させます。
「多文化リテラシープロジェクト演習」などにより、質の高い卒業研究を可能とする論理的思考力や表現力を修得します。3回生までに積み上げてきた各自の学知と関心をさらに追求して卒業論文を執筆します。
主な授業
- 多文化リテラシープロジェクト演習A・B
- 多文化教育プロジェクト演習A・B
- 卒業研究
卒業後イメージ
語学指導者、国際交流機関職員、通訳・翻訳業、航空業界、 ホテル業、観光業、商社、出版業、外資系企業、教育サービス企業、中学校教諭、高等学校教諭など
教員からのメッセージ
山河の美しさ、芸術の美しさ、人柄の美しさ……美は、さまざまな場面で、われわれの「こころ」を動かし、「たましい」を揺さぶり、「いのち」を奮い立たせる。美は、誰もが憧れる普遍的な価値であり、動物のように「ただ生きる」のではなく人間として「よく生きる」ための希望の光である。「美学」という学問は、美の理念を古今東西の古典に学びながら、人生の目的や幸福の意味を考えようとする。人類の立場から「世界の戦場化」ではなく「世界の美化」に貢献するために。(瀧 一郎)
情報を媒介するという点で文学作品も一つのメディアだと言えますが、古典的な傑作とされる文学作品が伝達する情報は、百年、千年単位の時間のなかで意味を生成し続けます。瞬時に消えゆくのではなく、長い時間に耐えうる情報を高度に組織化し得るのが文学作品というメディアだと言えるでしょう。だからその仕組みを解き明かす文学研究は、狭い学問領域を越えて、今必要とされる高度な情報リテラシーを養う方法論でもあります。(石橋紀俊)
いや。世界も人生も、いつも雲ひとつない上天気、順風満帆とはかぎらないんだな。残念ながら。見上げれば、どんよりとした曇り空。ぼんやりしているうちに、霧立ち込めて視界ゼロ。もう絶体絶命と思っていた地点が、しかしまた、チャンスだったりする。こういう生き方こそ学生生活の王道ではなかろうか。若い時はなにをしてもそれなりの経験になる。なにしてもいい? いや。本を読んでいない学生はやっぱりダメです。(亀井 一)