エッセイ

小学校
2021/01/04
先生!今日は何する?
 

私は初任で4年生の担任でした。その2月に校長先生から言われた「6年生持つ気持ちはあるか?」の一言から私は完全に自分は次6年生の担任なんだと思っていたし、周りの先生からも「来年6年頑張れ!」とエールをもらっていた。

そんな中迎えた、3月28日、忘れもしないあの瞬間。最後の教室片付けをしていた私の元へ、ひっそりやってきたのは校長だった。「次は1年生持ってもらうことになったよ。校内人事の発表はまだだから、誰にも言わないこと。主任のA先生とは少し話してもらっていいけど。」「ええ?!?!」衝撃の人事発表だった。

自分なりに6年生の準備はしていた。その為の本を買ったり、学級開きは今話題のAIの話をしようかなぁ…とか。全部意味はなかった。しかも、さっきさらっと誰にも相談するな、みたいなニュアンスのことを言われたことを思い出し、さらに焦った。「え、どうしたらいいんやろ…。」そこから新学期が始まるまでは本当に怒涛だった。入学式の準備などもそうだが、自分の中での気持ちの整理が一番大変だった。

そんな中始まっていく新学期。思うように伝わらない指導、保護者への対応、時間の無さなど、さまざまな壁にぶち当たった。しんどいなぁ…。なんでこんなできひんねやろ…。そう思い始めた頃私にとって嬉しい来客が来るようになった。「先生!今日は何する?」去年もっていた子たちが休み時間来てくれるようになった。とてもありがたかった。教師の姿としては、もしかすると情けないのかもしれない。でも、私は自分の子どもとの関わりに自信ができた。ただ、5年生も忙しいので、初めだけだろうと思っていたけれど、結局学年が終わるまで毎週その子たちは手伝いに来てくれた。手伝いがないときは、ただ雑談をする日もあった。

そんなある日突然、「夢できたねん。なんやと思う?明日答え言いに来るから。考えといて!」と言って笑顔で去っていく日があった。次の日、その子が来ると「あのな、先生みたいな先生なるねん!」と。色々な気持ちがあったが、「あ、間違ってなかったんや」と思えた瞬間だった。

今年、わたしは6年生の担任で、初任でもったその子たちを卒業させます。この子たちがくれた自信を子どもたちにつなげられるように、まだまだ頑張ります!