エッセイ

小学校
2020/06/18
人の成長に長く関わることができる仕事

私が教員の仕事に就き、早十三年が経ちました。講師の期間が長かったので、本校で七校目になります。そんな私が教員の魅力を伝えるにあたってみなさんに伝えたいことを書かせていただきました。

教員の魅力で挙げられるのは、何といっても子どもたちとの関わりです。子どもたちとの関わりは、担任をしている間だけではなく、そのあともずっと続く子もいます。前任校では勤務している校区に自宅があった(私の場合は自分で望んで校区に住んでいました。こんなことはあまりありませんので安心してください。)のですが、今でも関わった子どもたちがインタフォンを鳴らしに来ます。

夏休みなどの長い休みの期間に「先生、みんなで遊んでいるから来てよー!」と誘いにくる子。節目で何かに悩んだときに相談をしにくる子。子どもたちによって我が家を訪れる理由は様々です。どんな理由であれ、卒業した後も「自分」という人間を頼ってきてくれるのはとても嬉しいことです。

他にも、十年以上たった今でも年賀状で近況報告をしてくれる子もいますし、町やお店などでばったり会って話に花を咲かせる時もあります。(一番驚いたのは結婚式の際に利用したレストランに記念日に食事に行ったら、何とテーブル担当者が教え子だった!)やり取りの中で、思い出として残っていることを教えてくれるのですが、私が授業した内容や言動について、こちらが驚くくらい鮮明に覚えている子も中にはいます。子どもたちの良き思い出の一部として記憶してくれていることを聞くと、「本当にこの仕事を選んで良かった」と、心から実感することができます。

教員の仕事を続けていると、苦しい時や悩む時もたくさんあります。大手を振って「このお仕事、絶対おすすめです!」とは、私には言えません。ですが、上で述べたように、この仕事でしか味わうことができない魅力もあります。これだけ長く人と関わることができる仕事はなかなかないのではないでしょうか。できるならば、みなさんにも教員になってこのような体験をしてもらいたいなと思います。

みなさんが教育実習で学校に来る時、教員として学校に配属された時、みなさんの近くにいる全ての教員はみなさんの味方になってくれるはずです。だから、教員になろうかと迷っている人は、まず一歩前に進んでみてください。教員になるかならないかを決めるのはそこからでもいいのですから。

このエッセイを読んで、「教員っていいかも」と、少しでも思っていただけたら幸いです。みなさんが教育実習生として本校に来る日、あるいは採用試験に合格して一緒に働くことができる日を楽しみにしています。