エッセイ

恩師への手紙
2021/01/05
先生、みてくれていますか?
 

先生!お久しぶりです。

先生に手紙を書くのはこれが初めてだと思います。私は今年の夏で22歳になりました。先生に担任をしていただいた小学校4年生の頃から約12年の月日が経ったというのには本当に驚きます。あっという間です。先生に最後にお会いしたのは中学1年の頃でしょうか。先生が教頭先生として赴任された学校まで、自転車に乗ってみんなで会いに行った日のことは今でも鮮明に思い出されます。懐かしいなぁ。

中高6年間は部活動と勉強に打ち込み、大学受験では精神がすり減りそうになりながらもなんとか第一志望の大阪教育大学に合格できました。大学では体育会部活と学業の両立を目標に必死のパッチで頑張った結果、今年度教員採用試験に合格し、来年からは大学院に進学、2年後には先生と同じ小学校教員として働く予定です。

最近になって、よくこんなことを思います。先生が生きていたら、きっと私は1番に先生に報告に行っているだろうなぁ。あの一番つらかった時、先生に相談していたらどんな言葉をかけてくれていただろうなぁ。先生にもう一度でいいから会いたいなぁ。

先生に最後に会ったのは中学1年と言いましたが、中学2年の時でしたね。中学校で先生が亡くなったという知らせを聞いた時、本当に信じられなくて頭が真っ白になりました。学校で一番元気で、いつもおっきく明るい声で話してくれる太陽のような先生がいなくなるはずがない。そう思いながら、クラスのみんなとお葬式に言った記憶があります。

私が教員を目指そうと思ったのは紛れもなく先生との出会いからです。私たちに涙ぐみながら「いじめ」は絶対にダメだと伝えてくれたあの時、休み時間のたわいない会話、いつも楽しかった授業、クラスの自閉症の友達をからかう雰囲気があった時には自閉症について学ぶ機会を作りクラスにはいろんな子がいて、みんな合わせてクラスなんだと伝えてくれたあの時。先生が私たちに100%の愛情でもって接してくれたことが、私にとっては何よりもうれしくって、初めて大人に対して「憧れ」という感情を抱いたような気がします。

私の大学生活は、そんな「憧れ」の先生に少しでも近づくための4年間だったように思います。誰に対しても対等に接する心、相手のいいところを見つけて引き出すこと、表裏がなくまっすぐに子どもと向き合う姿勢など、自分なりに頑張ってきたつもりですがどうですか…?来年からは大学院に進学してより理想の先生になれるよう、勉強も実習も頑張ります。そして、自分らしさももっと引き出していければと思います。きっとあっという間の2年間になるだろうと思いますが、1日1日を大切に、悔いのないよう励みます。

最後になりますが、また次に先生に手紙を書く時には、先生みたいな立派な教師になっているといいなぁ。やっぱり今でもものすごく会いたいです。でもそんな弱音は言っていられませんね。先生、みてくれていますか?私なりに頑張ります。